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番外  「男魂の闘神 『ヤツ』が来る」


それはクロムウェル一行が旅立ちの日が決まってから数日
街でおみやげを買おうと彼らは買い出しに出かけた時のお話・・・

「騒がしいが・・・悪いところではないな」
行き交う通りで周りを見渡すはシトゥラ
「まぁ、私も騒がしいのは好きではないのだがな」
その隣を歩くシエル・・、いつもの如くなワイルドキャッツ姿・・
因みにシトゥラもあのチャイナドレスが気に入っており今日もその服装のままだ
ワイルドな二人に街の住人もチラチラと振りかえる女性多数・・・
「よく言えば賑やか、悪く言えば・・だな」
「んっ、では静かなところに行こうか?」
「・・?」
「ん、ついてこい・・」
そう言うとシエルは建物と建物の隙間へと入って行った


そのまま裏通りを歩くシエル・・
表の騒がしさとは裏腹にシン・・っと静まり返っている
「こういう道も知っているのだな・・」
「私の巡回コース・・だ」
口元を少し上げにやけるシエル
「なるほど・・、さすがは自分の街・・だな」
「それはそうとして・・、シトゥラ・・、出産というのは・・どういうのだ?」
平静を保ちながらも興味深々なご様子
「うんっ?シエルは産んだことはないのか・・?」
「・・うん。相手はいるのだが・・な」
「ふん・・、まぁ私の一族とは違い惚れた相手の子を産めるのだからまだ幸せなものだ。
でっ、出産についてとは・・」
「ああっ・・、家族にもそうした経験を持ったのがいなくてな・・」
「まぁ、自然にしておけばいい・・しかし・・」
「しかし・・?」
「死ぬほど痛いぞ?」
ふふっ、シトゥラと微笑む。
短く的確に自分の体験を伝えた。まぁ根も葉もない説明ではあるのだが・・
それにシエルもキョトンと・・
「ふ・・、はははは!」
「ふふふ・・」
裏通りに二人の笑い声がこだまする・・
それにつられてそこに住む住人が・・
「・・ああっ、姐さん!おはようございます!!」
「おはようございます!!」
犬系獣人でどこかしら危険な臭いを漂わせる
・・ぶっちゃけ、ヤクザ
礼儀正しくシエルに頭を下げる
「うむっ、おはよう」
そんな二人のヤクザさんに何気に挨拶をするシエル
「・・・あの・・姐さん。こちらは・・・?」
シエルと肩を並べる狐人の女性が気になるヤクザ・・
「ああっ、こちらはシトゥラだ。私の・・・、まぁ友人だな」
「シトゥラだ。よろしく」
「「あ・・、いえ、こちらこそ・・」」
頬に傷持ちの恐持てな自分達に普通に挨拶するシトゥラに何やらヤクザさん達も
タジタジ
「・・ほう、こんな薄くらいところにいながら中々の体付きだな・・」
「なっ、シトゥラさん!!?」
いきなりヤクザの身体をポンポン触るシトゥラ
チャイナ服姿の妖艶狐人に自分の身体を撫でられてさらにタジタジ
「もっと鍛えると・・、良い子供に恵まれるぞ(フッ・・)」
「あぁ・・♪」
耳元で囁きフッと息を吹きかける・・
「じゃあ・・な?」
そのままさっさと通りを進むシエル&シトゥラ
ヤクザさんしばし茫然自失・・
「・・シトゥラさん・・」
「てっ、てめえ!!俺達にはシエルさんがいるだろうが!!」
思わずシトゥラの名を呟いたヤクザAに厳しく叱咤するヤクザB
「そりゃあわかっている!・・けれども・・お前もシトゥラさんにもシエルさんと同じ眼差しで見ていたじゃねぇか!!」
「うっ!!」
反論できないのは図星の証拠・・
「・・いけねぇ!!俺達はシエルさん一筋!!迷いを捨ててあの人に尽くすんだ!!」
「応!!」
「「シエルさん、失礼しやした!!」」
裏通りに純嬢(?)ヤクザの懺悔の叫びが響いた




「・・・なぁ、シトゥラ。なんであいつらにあんなことをしたのだ?」
「うん?アルシアがこうしたら男は面白い反応をすると言っていたのでな。確かに
面白い顔になっていた・・、うん」
「そうか・・、なら私もライに試してみようか・・」
結局のほほんなお二人、しばし裏通り巡りを堪能した



一方表通りの商業区
様々な人が色んな商品を見ながら買い物を楽しんでいる
その中で同じく買い物を楽しむ4人の男女・・
「観光じゃないんだから何も土産なんて買わなくてもいいだろう?」
「だが、思ったよりも長期間滞在しているんだ。何か買ってやらないと悪いだろう・・」
言わずもかなクロムウェルとタイム。
クロムウェルは何時もの格好だがタイムはスーツ姿ではなく動きやすいシャツ&ズボンで
無難にまとめている
どうやら留守を預けた騎士達の事が心配のようで乾物でも買って機嫌を取ろうというのだ
「部下思いなんですね〜、タイムさん。」
それを見て感動気味なのは街娘姿のリオ
隣ではアレスが紙袋を持ち静かに彼らを見ている
「君達も人の上に立ってみればわかるさ。他人を従えることの大変さ、人望故の苦労というものがな・・」
「そう・・ですか?」
「アレス君にせよリオ君にせよ、いずれはライ団長の跡を受け継ぐことになるんだろ?」
「・・あまり、そこまでは考えた事がないですね・・」
アレスが顎をさすりながら呟く
「えらくならないほうがいいぜ?責任云々大変だしさ〜」
「私からの仕事がないと餓死しそうな状態のくせしてえらそうに言うな」
軽くクロムウェルの肘をつねるタイム。
「ははは、あっ、じゃあ私達はこっちに用事がありますので・・」
「??リオ、もう買い物は・・」
「アレス君、いいの!じゃあまた後で♪」
「ああっ、どうぞごゆっくり」
クロムウェル達から離れていくリオ&アレス。すでに腕を組んでいる
「用事・・?何かあるのか?」
「疎いな、タイム・・。恋仲がひさびざの休暇なんだぜ?二人っきりになりたいってこと」
「あっ・・」
「まぁ、アレスもあんまり気付いてなかったようだが・・な」
「普通気付かないわよ・・。」
「タイムがお間抜けなだけさ。じゃあ買い物の続きをしようぜ♪俺は紳士用の玩具の店に行きたいし」
「そんな店ないわよ!!」
お馬鹿な会話をしつつも仲良く手を結びショッピングを楽しんだ・・

だが・・
腕を組むアレス&リオカップルを見つめる一人の男が・・
素晴らしく盛り上がった筋肉。テカテカの頭が特徴だ。
屈強な身体を短い短パンと白シャツにまとい裏通りから静かにカップル・・というよりかは
アレスを見つめる
「アレス君って言うんだ・・・。いいお・と・こ♪」
男の割には変に高い声でそう言うと静かに裏通りの闇にその姿を消した・・


「ねぇ・・、ほんとにこんなところにはいるの・・?」
裏通りに程近い小さな店・・ピンク色の看板がまともな店でないことを表している
その前でモジモジするタイムがそうクロムウェルに言う
先ほどアレスとリオに対して言った時の凛々しさはどこへやら・・
「ああっ、そうだぜ。だって買い物付き合う代わりに俺の行きたいところにも行くって約束したじゃないか?」
「そうだけど・・、こんなの女が入る店じゃ・・」
「言い訳はききませ〜ん♪では、いざ!!」
「クロ!ちょっと待って!」
「駄目だって言ってるだろ?」
「そうじゃなくてあれ!人が倒れている・・」
タイムが指差すところに確かに犬人男性が倒れている・・。
「・・・・・ちっ・・。見なかったことにするっていうのは?」
「できないわよ!行きましょう!」
クロムウェルの腕を引っ張りながら男の様子を見る

犬人男性は着ているモノをはがされており身体中にあざが・・・。もとは美青年だったはずであるが白目をむいて気絶している・・

「・・・・なんか・・嫌な予感するんだけど・・」
「ともかく、起こしてみないと・・、大丈夫か!」
瞬時に凛々しい団長へとチェンジするタイム
言葉の使い分けが上手だ
「う・・あ・・」
「誰がこんなことを!?おい・・!」
「ス・・スキンヘッドの・・筋肉・・・、汚れちゃった・・・・(ガク)」
そう言うと男はまた気絶、戦慄の表情のまま夢へと入って行った
「・・・・なぁ・・・」
「あいつだ・・・」

かつてルザリアで起こった強姦事件を思い出す
犯人はスキンヘッドの筋肉大男、クロムウェルでさえ歯が立たなかったツワモノ中のツワモノだ
結局何故か撤退してそのまま事件は幕を引いたのだが・・

「・・ライに報告したほうがいいな・・」
「ああっ、大きい都市である分被害も大きくなる・・。急いだ方がいいな」
買い物もそのままに、男を置いたまま彼らは走り出す。
王に、この緊急事態を知らせるために・・


一方
表の広場ではアレス&リオ嬢がラブラブお買い物・・
「ねぇ、アレス君、このイヤリングなんてどう?」
露店のシートに置かれている小さな貝殻のガラス細工のイヤリングを持ち耳に当てる
「ああ、リオに似合うと思うよ」
「アレス君、なんだか乗り気じゃない〜」
「いやっ、そういうの俺、よくわからないからさ・・」
頭を掻きながら申し訳なさそうなアレス君
彼に女性のお洒落を理解させるには相当苦労するだろう
「も〜、アレス君の無頓着!」
「リオになら何でも似合うさ」
「も〜、アレス君ったら♪」
ころころ態度を変えるリオ嬢、複雑な乙女の心情・・
聞く羽目になっている露店の亭主もうんざり気味だ
「でっ、お嬢さん。それ買うのかい?安くしておくぜ?」
「「あっ、見ているだけで・・」」
そう言う時だけハモる二人。
それもそう、彼らはライのお使いで来ているうえに給料日前なのだ・・・・
ともあれ、申し訳ないと思ったのかその後すぐに二人は店を後にした
「・・・・・冷やかしかい?」
なんだかものすごく損した気分の亭主であった・・


「結局、ウィンドショッピングで終わったな・・。」
シウォングから屋敷への一本道、
紙袋を持つアレス隣で寄り添ってくるリオに声をかける
「お給料前なんだもの、仕方ないよ」
「でも、クロムウェルさん達と会わずに戻ってよかったのか?」
あの二人と会わずに帰ろうと言い出すリオに流されてここまで来た二人なのだ
「いいのよ、だってお邪魔じゃない?きっと今ごろ裏通りでクロムウェルさんがタイムさんを
押し倒して・・♪」
「おい・・、リオ・・」
「『なぁタイムいいだろ♪』
 『駄目よ、クロ、こんなところで・・』
 『誰も見ていないって。それとも見られたほうが興奮するのか?』
 『ばっ、馬鹿・・。って!ズボンに腕を・・いれないで・・』
 (コン!)・・・痛い」
流石に覗いていただけあってかなり詳細なお芝居だが
アレス君につつかれて中断・・・
「・・、さて、お話はここまで、だな。」
「ええっ、後で変なオーラ出している貴方・・」
振り向かずにリオが後ろに向かって声をかける

「あら?気付いていたの〜?意外にやるじゃない♪」
応えるは妙に高い男の声・・
「「!!!!」」
今度は二人が意外な様で驚いて振り向く・・

そこにはスキンヘッドの長身男性・・。
白シャツ、短パンからははちきれんばかりに鍛えられた筋肉が・・
「・・・で、でっ・・何で私達の後をつけてきたのです?街からずっとのようですし・・」
とりあえず落ちつこうと必死なリオ
「貴方に用はないわ。用があるのはアレス君、貴方よ♪」
ビシっと指差し、熱っぽい眼差しでアレスを見つめる男
「おっ、俺・・?何だ、売られた喧嘩なら買うが・・」
「違うわ〜、私とイイ事し・ま・しょ♪」
「!!」
身体をクネクネさせながらそう言う男、これにはアレス君、サブイボ立てて引いている
「リ、リオ・・。こいつって・・」
「同姓愛・・、ふっ、不潔!!」
「何よ、所詮違う性別同士、わかりあえることあんてないわ!結ばれるのは同姓!そして
男と男がふさわしいのよ♪じゃあいくわよ!アレスちゃん!!」
ふっ・・と構えた瞬間、驚くべき早さでアレスの前に現れる筋肉男
「!!なっ!!」
これにはアレスも驚き紙袋を筋肉男に投げ飛びのく

パァン!!

紙袋は男に豪腕に破裂・・、中身もぐちゃぐちゃに潰れて地面に落ちた
「あらっ、すばしっこいわね♪意外や意外♪」
「・・なっ、なんて早さだ・・」
髪一重で回避できたアレス・・、紙袋がなかったらあの超腕力に抱き締められていただろう・・
「こっ、このぉ!!」
恋人の窮地にリオが反撃!
徒手空拳で筋肉男に挑むが・・

パチ!  パチパチ!

鍛えぬかれた筋肉にはまったく通用せず乾いた音のみが響くだけ・・
「やっぱり、女って駄目ね〜、アレスちゃん、今度こそ逃がさないわよ♪こんなひ弱な女じゃなくて男の良さを分かち合いましょう!!」
「ご・・・、ご免だ!!リオ!」
「うん!!」
アレスが叫ぶと同時にリオが素早く手からまばゆい閃光を!!

「目暗まし!!?あん・・!!」

「今だ!逃げるぞ!!」
「わかった!!アレス君!」
一目散に駆け出すアレスとリオ。戦略的撤退だ
「あん見えない〜・・・・なんちゃって・・・」
素早く駆けて行く二人を見て面白そうに笑う男
「10分待ってあげる・・、鬼ごっこはそれからよ♪」




一方屋敷では・・
メンバーのうち数人が街に出ているので静かな様子・・
庭ではフィートがルナを風に乗せて遊んでいるのが見える
そして居間では・・
「・・、ライ、さきほどから恐い顔になってますが・・何か?」
お茶をすするレイハ、仕事も終わり本を片手に居間にいたのだが
同じく居間でゴロゴロしていたライが急に険しい顔つきになって窓を見ている
「・・・んっ、いや・・、レイハには感じないか?」
「???何が・ですか?」
「いやっ、何でもない・・」
窓・・、シウォングの方向をじっと見つめるライ

ガチャ

「ライ・・」
入ってきたのはルー。こちらも少し不機嫌な様子
「ルー、お前にもわかるか?」
「ああっ、・・プレッシャーというか気配というべきか・・・。危険ダナ」
「・・・ああっ、神クラス・・・だな」
深刻そうに話すライとルー。レイハも重大な出来事が起こったと瞬時に理解し
表情を固くする
「何かが都市を襲っているということですか?」
「イイヤ、観測魔法には引っかかっていない。ただ、強い気配が突如現れたんダ。それもこちらに向かって・・ナ」
「ロクでもない客には間違いないな・・。ともかく、俺とルーで様子見と行く。分が悪かったら
1度引いて総力戦・・いいな?」
「わかりました・・が単なる気のせいなのでは・・」
「それならそれでいいんだがな・・。じゃあ準備よろしく・・」
そういうとライは跳びあがり居間を後にした



その頃・・
ちょうどシウォングとライの屋敷の中間地点
「なかなか楽しかった。裏通りというのも悪くはないな」
呑気に笑うシトゥラ
「ん・・。だが、こうも良い天気だと裏とおりよりかは屋根で昼寝をしたほうがいい(クアア・・)」
伸びを一つし、軽く欠伸をするシエル。
空は雲一つない快晴
澄んだ空気、鳥のさえずりが響き、平穏そのものだ
しかし・・
「「・・・・・・」」
不意に後方からの騒がしさとそれよりもさらに後方に感じるおどろおどろしい気配に
勘付く
「・・・シエル・・」
「ん、・・何者だ・・。この気配・・」
異常な感じに少し圧倒されながらも振り向く二人
そこには自分達に向かって全力疾走するアレス&リオ
「あっ、シエルさんにシトゥラさん!!」
「どうしたんだ・・?リオ」
「へっ、・・変な男に追われてまして・・」
息を弾ませるアレスが簡単に説明する

「・・・・・そいつはルザリアにも出没した奴だな・・」
「本当ですか?」
「ああっ、私の家主もそいつの餌食にあってな・・。しばらく男に触れられるのが異常に恐くなったそうだ。それに・・・、被害者の内数人が同性愛に目覚めたと報告もあった・・」
その言葉にリオが真っ青
「アレス君!男なんか愛しちゃ駄目だよ!」
「わかっているしそんなつもりもない・・。でもシトゥラさん。その時どうやってあの男を撃退したのですか?俺達も切り札を出してもかなわないくらいのツワモノなのに・・」
「その時はクロムウェルがなんとかしたそうだ。詳しいことは聞いていない」
「・・そう言えば彼は?」
シエルがクロムウェル&タイムがいないことに怪訝な表情。
出ていく時は4人一緒なのを彼女は見ていたからだ
「街で別れてそのまま・・です。たぶんまだ街でお買い物かと・・」
「・・ならば仕方ない。ここは私達で食いとめる、アレスは屋敷に戻って得物を取って来い」
スッと短剣を取り出すシトゥラ
「でも・・・」
「この状況ならばこれが最善の方法だ。リオ、アレスに付き添ってやれ・・」
「シトゥラさん・・・、わかりました!この場はお任せします!」
「リオ・・、わかりました。気をつけてください、シエルさん・・」
「ん・・、ついでにライにこのことを知らせてくれ」
無言でうなずく二人、そしてその場はシエル&シトゥラに任せ、
再び屋敷へ向かって駆け出した・・

「・・さて、シエルは丸腰か・・。使うか?」
二本ある短剣のうち一本をシエルに投げ渡す
「ん・・、ありがとう・・。軽いな・・」
受け取った獣骨の短剣を握りしめ、その意外な軽さに驚くシエル
「切れ味は保障する・・。さて、来たぞ・・」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・!!!

大地を揺るがすが如く地響きを立てて筋肉男登場・・
息一つ切らしていないようだ
「あらっ?何?とーせんぼ?」
「そういうことだ。アレスを襲わせるわけにはいかない。ルザリアでの借りも返してもらおう・・」
「ルザリア・・、ああっ、あの街ね。あらあら、あの中の誰かと関係があったのね〜」
「ふっ。関係があるにせよないにせよ、お前をここから先に行かせるわけにもいかない」
「冷めた女・・、じゃあ無理やりにでも通してもらうわ!!」
そう言い様激烈なロケットダッシュ!!
「!・・、早い!!」
それに合わせてシトゥラも飛びのこうとするが
「遅くてよ!!はぁぁぁ!!」
シトゥラの早さを超越した踏みこみの筋肉男
自慢の豪腕でなぎ払おうとするが・・

パァン!

良いタイミングでシエルが飛び蹴りをし、男の体勢をぐらつかせる
「あ・・あらっ・・」
「ちっ・・、いくぞ!」
回避しそこねたことに内心いら立ちながらもシトゥラは筋肉男に追撃をかける・・
しかし

キィン!!

「なっ・・」
鋭い切れ味の獣骨剣が筋肉男の皮膚を切り裂くことができず表面で止まってしまった・・
「甘いわね♪」

バキィィィィ!!!

体勢を崩し、シトゥラの攻撃を受けながらも強烈回し蹴りで事もなく対処
シトゥラは辛うじて防御が間に合ったものの数m吹っ飛ばされたまま動かなくなった・・
「シトゥラ・・、くっ・・」
これにはシエルも流石に分が悪いと思い冷汗を一つ流す
「さっ、邪魔だからどいてちょうだい♪」
「・・断る!」
「しょうがないわねぇ〜、はぁ!!」
おもっきり振りかぶって筋肉男突進・・
対しシエルは避けようともせずに軽く短剣を構える
刺し違えるつもりだ・・・
「いくわよ!!」
そんな意図を男はわかったかどうか・・
ともあれ巨体がシエルの眼前に迫った
その瞬間

パァァァァァァァァァァァン!!!!!!!

「!!!!!!!!」
シエルの眼前で筋肉男の両手が叩かれ凄まじい音が鳴り響く
流石のシエルもこれにはたまらず尻尾を立ててすくみ上がり動けなくなった
「筋肉猫騙し〜♪今ので鼓膜はイカレたわね!じゃあ改めておやすみなさい♪」

動けないシエルに豪腕を振るいその腹を狙う・・・が!
「させるか!!」
動けないシエルを庇うように割りこむ人影・・・

ガァン!!
筋肉男の拳を受けとめるは大型の破壊片手魔剣
それを持つ男・・ライが突きの衝撃で地滑りを起こしながら数m飛ばされる
「あらあら、また飛び入り?」
これには筋肉男も驚く・・
「痛ぅ・・、この手の痺れは尋常じゃないな」
軍服姿でフル武装のライ、痺れる手を振りながら体勢をたてなおす
「あぁら・。いい男ね♪アレスちゃんとまとめて食べちゃおうかしら?」
余裕の筋肉男・・
しかし

轟!!!

突如高速で頭上に爆炎弾が飛来する!
「!・・・甘い!」
眼前に迫る炎の弾を男はその拳で跳ね飛ばした・・・

「私の爆炎弾が効かないとはナ・・」
苦虫噛み潰した表情のルーがライの後から現れる
「正しく神だな・・・、シエル!無事か!?」
「!!!!!」
ライが声をかけるもののシエルは固まったままだ・・
「貴方も女が好きなの〜、不潔ねぇ・・」
「手前に言われたくない!俺の家族に何の用だ・・って・・アレスか・・」
「ご明察♪アレスちゃん出しなさい、一杯愛してあげる・・」
指をゴキゴキ鳴らしながら筋肉男
太陽のような笑みが不気味さ倍増・・
「断る、あいつにはすでに相方がいるもんでな」
「そんなこと関係ないじゃない♪男と男の絆に比べたら女の相方なんて陳腐なものよ」
「・・・はぁ、話合いでは解決できないか・・。とりあえずは引く!ルー!」
「任せろ!!」
立体魔方陣を発動し再び爆炎弾・・
今度はさっきのよりも一周りも二周りも大きい

ドォォン!!

筋肉男はそれを避けようともせず直撃を受ける!!
その間にもライはすくみ上がっているシエルを回収して
ルーはさらに爆炎弾を放つ・・
しかし
「火遊びは危険よ!お嬢ちゃん!」
「にゃ!?」
燃え盛る火柱より突如高速でルーの眼前に現れた筋肉男・・
言わずもかなその筋肉には傷一つ付いておらず・・・・
ガシッ!!
たくましい腕でルーの両手を掴む・・
「オイタしたコにはお仕置きが必要ね(ブンブン!!)」
「にゃぁぁぁぁぁ!!!!」
力任せにルーを振りまわす筋肉男、小柄なルーはまるで旋風に舞う木の葉の如く宙を回転する
「ル・・、ルー!」
それを見たライ、うかつに斬りかかれないし、真空刃もまた叱り。
手の打ちようがなく必死で最善の策を考える・・
「とんでけぇぇぇぇぇ!!!」

「にゃああああああああああああああ!!!!!!」

筋肉男がルーを上空に投げ飛ばす!!
ルーは目を回しながら天高く飛ばされていった・・・
「・・・ちくしょう・・、手前・・」
「大丈夫よ、運がよかったら生きているでしょ?さっ、うるさいお邪魔虫もいなくなったことだし・・
改めて楽しみましょう♪」
あれだけ自分も回転したのになんともないように立つ筋肉男
流石のライも冷汗をかいている・・
「ちっ・・、こうなったら・・、おい、シエル・・いけるか?」
「ん・・・・、ライ・・」
ライにお姫様抱っこされていることに気付きしだいにすくみも引いていく・・
「シエル、いけるか!」
「ん・・・、耳が変だが・・・。大丈夫だ」
「よし、こうなったらアレをやる・・いいな?」
「ん。わかった・・」
シエルの返事にライが精神集中しはじめる
「何か隠し玉ありって感じね〜、いいわ♪待ちましょう・・」
腕を組んでその様子を見る筋肉男、ただ相手をするには退屈なようだ・・
その瞬間
何かが完成したようでライの身体が霞み、揺らいでいきシエルにまとわりつく・・
シエルを覆うとそれはやがて龍と人の形に変異しており徐々に実物化していく
「融合・・、いえ、それを越える変異・・っといった感じかしら?・・ふふっ、ようやく
私と対等な存在に巡り会えたわね・・♪」
そう言うとおもむろにシャツを脱ぐ筋肉男。
そこにはボディビル顔負けの筋肉の壁が・・
一つ一つの筋繊維が皮膚に盛り上がっており正しく「生命の鎧」

そしてその前に立ちはだかるのは実現化を完了した戦龍神
禍禍しい龍の頭部に巨人の如き人の身体・・、甲羅のような模様がされる鎧をまとい
所々皮膚が刺のように鋭く尖っている。

『我 人の身を変え降臨せし戦龍神・・。大いなる地の獣也』

雄雄しく叫ぶ戦龍神・・。
その腕を振るとともに大地が荒れ岩石の濁流と化した
「!!・・・。やるじゃない♪」
岩石の濁流を避けようともせず自慢の筋肉で全て受けとめる・・
常人ならばその一撃を受けただけでも絶命する攻撃を・・だ
お互い、このくらいは挨拶程度ということらしい
そして自分よりも数倍の大きさを誇る戦龍神にむしろ微笑みに似た表情の筋肉男
「いいわねぇ・・。久々に本気でいけそう♪筋肉リミッター・・解除!!!」

ボン!!!

筋肉男のその掛け声とともに一斉に膨らみ出した筋肉・・。
体格も一回り大きくなり、もはや人とは別のモノになっている
「いくわよ!デカブツ!!!」
並外れたジャンプで筋肉男は戦龍神に飛びかかった・・



一方
上空高く目を回しながら回転するルー
もはや方向感覚は消滅しておりどちらが天でどちらが地かもわからない状態
おまけに上空の風にさらに身体を揺さぶられ精神集中の妨げになり
魔導も使えない・・
「にゃああああ!!ライーー!!タスケローー!!」
遥か地上に向かっての叫び・・、しかし届くわけもなくルーは落下していく・・
その時

「『風止』」

男の声とともに上空の風がぴたりと止んだ・・。
そして

ボス!!

上空でルーを見事に受けとめる黒フードの紫髪男性・・フィート
ルーを受けとめたままま彼はその場に浮き、彼女を診る
足からは透明な波紋が広がりホバリングしているようだ
「ルーさん、大丈夫ですか?」
「お前は〜、誰〜?」
完全に目を回しているルー・・
「ううむ、まぁ、回転しながら上空に飛ばされたのならば目も回しますね。ここは気付けに・・」

さわさわ

幼女ルーのお尻を撫でるフィート
「!!何をやってオル!この痴れ者!!」

バキ!

ルーのアッパーがフィートに炸裂、クロムウェル当たりならば無傷だろうがフィートともなると若干ダメージがある模様
「・・、こういうの、先輩の役目なのにな・・。ともあれ、大丈夫ですか?」
「うむっ。お前、よくこんな上空で私が見えたな」
「まっ、飛んでいくのを見えましたしね。レイハさんの団員への緊急配備。さらには急いで戻ってきたアレスさんとリオさん・・。話は聞きましたが・・。あいつ・・ですか・・」
「?お前は知っているのか?」
「ええっ、以前襲われかけました・・・」
彼も過去にルザリアにて筋肉男の猛攻を受けた一人だ・・
「うわっ、触るな、汚れ者!」
「未遂です!!上空に逃げて難を逃れましたよ・・。ですが・・あれが相手だと流石にまずいですよ・・。今あいつの相手はライさんだけなんですか?」
「ああっ、近くにシエルがいたがすくみ上がっていてうごけんかった。それにシトゥラも少し離れたとこで気絶しておったナ」
「・・事態が思わしくないですね。急ぎましょう!」
ルーをお姫様抱っこしたまま落下しているフィート
但し風を自在に操っており高速の弾丸の如くに移動しているようだ
「勝算はあるのか?」
「ないです!けどやらなければアレスさんとライさんがあいつの餌食、最悪同性愛に目覚めてしまいます!」
「・・・マジカ?」
「現に僕の街ではそれで同性愛者が増えたのですから!犠牲者が増える前に何とかしないと!!」
急いで付近に漂うピンクなオーラを探る
ルーの指示もあり思ったよりも早く彼らを発見することができた・・・



そこには筋肉男と傷だらけの龍頭戦士
「・・あれは・・」
「ライだ。奥の手というのを使ったようダナ・・しかしそれでも倒せないとは・・」
見ればお互い恐ろしいくらいの早さでの乱打・・
防御は関係なしにただただどちらが早く倒れるか・・。それだけを決める行為だ
「援護するゾ!」
「待ってください。確かにあの男に気付かれていませんが並の攻撃ではあいつにかき消されてしまいます」
「むっ・・」
「ですから、僕が使える中で最高の奴をお見舞いします・・っと言ってもそれもあいつに相殺されたのですが・・、それにルーさんの最高位魔術で後押しすれば・・勝算は出てきます」
「だがそうなるとライまで巻き添えを食らうぞ?」
「オンリーワンフィニッシュ・・。ライさんが距離を空けたその時、シトゥラさんに当たらないように
決めるんですよ・・」
「・・それしか・・なさそうだな・・」
険しい顔つきのルー、下手すれば最愛の男を殺すかもしれない
平静は・・保てない
「よし、ではもう少し上に上がってから詠唱開始しましょう。今ここで気付かれてしまっては
狙い撃ちされるだけですし・・」
そういいフィートはルーを肩車して上空に舞いあがった



一方地上では
『く・・・、体格差があるとはいえ・・、・・』
少し距離をあけた処で膝を地につける地の戦龍神
「ふふふ・・、貴方よくやったほうよ♪一撃の威力は私を上回ってもこれだけの体格の差が
あれば回避は容易よ♪でもそこまで。次で終わりにするわ」
グググ・・っと筋肉を引きしめらせて突撃の姿勢・・
『ちっ・・、ならば!!』
それに応えるように戦龍神も構える
そして

『「おおおおおおおおお!!!!」』

二人同時に跳躍!!
渾身の蹴りを繰り出し交差する・・
「・・・あっ、あら・・・」
地面に着地失敗し、ぐらつく筋肉男
戦龍神の蹴りが効いたらしく脇腹が切り裂かれている
対し戦龍神をスタッと着地・・。空中戦は戦龍神の勝利に思えた・・

『ぐ・・・、限界・・・か!』
突如苦しみ出す地の戦龍神
やがてその姿が霞みライとシエルに別れた
「ふふふ・・♪身体がでかけりゃいいってものじゃないのよ・・。さあ、終わりにしましょう♪
その(ピー!)に(ピー!)してあげる♪」
久々のツワモノに歓喜したのか放送禁止用語連発の筋肉男さん・・
ともあれ、ライは気絶しておりシエルが必死に抱きかかえている
「いただきま〜っす!!」
嬉々として飛びかかる!

「させるかぁ!!」

颯爽と中に入り筋肉男の裂かれた脇に蹴りをいれる男・・
クロムウェル
「ぬぅ!!!」
傷への一撃は流石の筋肉男もこたえるらしく一旦飛びのく
「間に合った・・っと思っていいのかな?ともあれ、タイム、ライの治療を・・」
「わかった・・」
ライに歩み、しこたま買いあさったと思われる治療薬を与える
肩にはいつの間にかシトゥラを背負っている・・
「貴方は・・、ルザリアの元気っ子ね」
「憶えてもらわなくてもよかったんだけどなぁ・・、こんな遠方まで悪さしているのか・・」
そう言いながら構える
「失礼ね!!純粋な『愛』よ♪」
「それはてめぇの勝手な言い草だろう・・」
「男と男の愛を解せぬお馬鹿さんはお仕置きしないとねぇ。以前と同じにノしてあげる♪」
「へっ、今回は総力戦ってな!フィート!!」
手を上げて相方の名を叫ぶクロムウェル
その瞬間

轟!!!

天より振ってくる一条の巨光
紅と漆黒の光が筋肉男を直撃させる!!
「ぬ・・おおおおおおおおお!!!!」
光の中で筋肉男が唸る・・、これには流石にダメージがあるのだろう


「タイミングはバッチリでしたね、先輩」
「全く、風でアイツと交信するとはナ・・」
渾身の一撃を放った二人が滑空しながら降りてくる
「ともあれ、これで戦力は整いつつありますね。後はアレスさん達が・・」
「そうは言ってもおれんゾ!あいつ・・、あの魔法でも効いていない!!」
見れば元気な姿の筋肉男が・・

「うふふふ・・、空からの不意打ちとは恐れ入ったわ♪それでも効かない!効かないわ!!」
身体を黒く焦がし照りが出ている筋肉男
以前よりさらにおどろおどろしい・・・
「ったく!なんて野郎だ!タイム!ライとシトゥラの様子は!?」
「シトゥラは気絶したままだがライは目を醒ました!」
「そうか・・、できれば援護してもらいたいんだがな・・・」
しぶしぶなクロムウェル・・、それでも筋肉男に立ち向かう!
「さあ、いらっしゃい!」
「いらっしゃってやるよ!!『スフィアストライク』!!」
陽気の塊の作りだし筋肉男を攻撃!
「おおお・・・、甘い!!」

バキ!!

陽気に耐えて渾身の一撃!
それをモロに受けて吹っ飛ばされる!!
「クロ!!」
それを見たタイム、こちらに向かって飛んでくるクロムウェルを全身で抱きとめる
「んん!!・・クロ・・?」
「あぁ・・、痛ぇ・・・。くそっ!どうする!?」
なんとか気絶せずにすんだようだが対策が尽きたようだ
「クロムウェル、タイム・・少し時間を稼げるか・・?」
よろつきながらライが立ちあがり、二人に聞く・・
「まぁ、そんなにはできないだろうが・・、策はあるのか?」
「ああっ、俺の切り札を使う・・、少々詠唱に時間がかかるのが難だがな・・。その時間稼ぎを頼む・・」
「ライ・・、私も・・」
シエルも立ち向かおうとするが
「いやっ、シエルは俺の傍にいてくれ。その方が集中できる。それに、お前ももう戦えるだけの力は残っていないだろう?」
「・・・・わかった・・」
「そういうことだ。頼むぜ、クロムウェル。」
「ああっ、タイム・・、なんとかするぞ?」
「わかった・・」
ゆっくり立ちあがり手持ちのハンドソードを取り出すタイム
自分の得物を屋敷に置いて来たために緊急に街の武器屋で購入したものだ
「聞いているだろ?フィート。チャンスを狙って援護してくれ。ど派手なのを頼むぜ!」

”了解です。ルーさんが流星の雨を降らしてくれますよ”

「・・お前もがんばれよ・・」
「「「???」」」
フィートの言葉はクロムウェルにしか聞こえない様で周りは何を話しているという顔の
3人
ともあれ、ライが立ちあがり立体魔方陣を展開する・・・
「これで決めるぞ!」
「「応!!」」
一気に飛びかかるクロムウェル&タイム
「タイミングは俺に合わせろ!タイム!」
「了解だ!」

「ごちゃごちゃ話しても無駄よ!!大人しく犯されなさい!!」
「うるせぇ!『スフィアストライク』!!」
渾身の陽気球が筋肉男を襲う・・が
「こんなもの、私には効かないわ!!」
「わかってらぁ!タイム!!」
「わかっている!」
その間に天に舞うタイム、狙うは男の延髄!

カン!!

店で選び抜いた業物のソードであったがやはり強固なる筋肉を切断できない・・
「女はひっこんでなさい!!」
今度はタイムを襲おうとする・・!
「余所見注意だぜ!!」
その隙をついて血が吹き出る脇腹に蹴りを入れる
「ぬっ・・、この虫どもがぁぁぁ!!!」

轟!!!

突如ピンクのオーラが吹き出てタイムとクロムウェルを吹き飛ばす・・
「さぁ、覚悟しなさい!『ラヴ!アンド!!ピィィィス!!!』」
両手を広げ紅と白の光を放つ・・。
「ギル・ギム・ガン・グフォ・・・・、はぁぁぁぁ!!!」
両手を合わせハンマー状にし、ピンクの闘気は放つ!!
「ぐっ・・、動けん・・だと?」
モロそれを受けとめたライとシエルは身動きが取れず固まってしまった
「はああああああああ!!」
そのまま地を滑走してライに肉薄する筋肉男!
両手を組んだハンマーで一気に仕留める気だ・・
「くっ・・動け!!」
必死で身体を動かそうとするライ、詠唱はすでに終わり後は発動する段階だったのだ・・
それもかなわず筋肉男が襲いかかる!!

「まだだ!!」
その瞬間、またしても筋肉男とライの間に割ってはいるクロムウェル
ピンクのオーラに服が燃え出すがお構いなしに男の脇を蹴り、ありったけの力をこめて連打を
行う
「おらおらおらおら!!!」
「ぐっ・・、こんなところでぇ!!」
突進中の筋肉男は無防備であったようで苦痛に歪みながら足を宙に浮かす
「飛べ!!!」
そして渾身の蹴りが入り、筋肉男は蹴り飛ばされた!
「今だ!フィート!!」

”わかってます!究極破壊魔法・・発動!!”

そのフィートの言葉とともにまたしても地に突き刺さる赤黒い巨光・・
「ぬぅぅぅぅぅぅ。まだよ!まだ私はアレスちゃんと・・」
満身創痍ながらも光に耐える筋肉男
その姿はもはや悪鬼神・・
「耐えてやがる・・、ライ、切り札はまだか!?」
「まかせろ、出来てる!」

『烈光 神撃砕(レイ ラグナス)』

瞳孔がギンッと縦細い龍眼に変化し、
瞬間世界が白い閃光に包まれる





「こ・・・この私が・・・、ふふっ、憶えときなさい。必ず私は・・・・!!!!!」




閃光の中、筋肉男のその叫びが響いた・・・



「無事か〜、オマエラ?」
危険が去ったことを感じてフィート&ルーが降りてくる
ルーは全然平気なのだがフィートは長時間上空に制止してたり破壊魔法の補助をしたりして
もはやぐったりの様子・・
地上の皆さんも同様でライは奥の手の後遺症で全く動かないしシトゥラは依然気絶したまま
シエルは戦龍神時のダメージがあるようで、クロムウェルは肉弾戦で受けたダメージ
まともに動けるのはタイムのみ・・の状態だ・・
「なんとか・・な。ともかく、あの化け物は消えた・・。これで安心・・だな」
クロムウェルの傍に寄りそい、そう言うタイム。
その時、馬に乗った極星騎士団がこちらに向かってやってきた
「タイムさん、あの男は!?」
馬に乗りフル装備のアレス、全員のボロボロの姿を見て慌てている
「なんとか倒せたよ・・。君達は少し無駄足になったようだけどな・・」
「・・・みなさんがここまで追い詰められる相手とは一体・・」
一応の指揮を取っていたレイハがその光景に唖然とする
「ともかく、屋敷にまでつれてってからにしません?僕、もう気が持ちそうにないんですけど・・」
悲鳴をあげるフィート
「情けないゾ!私なんてこの通りダ!」
ある意味一番元気なルー、投げ飛ばされた以外は攻撃されていないから当然か・・
「お前は例外だ・・、じゃあ屋敷まで頼むよ、レイハさん。俺ももうヘトヘトだ・・」
傷ついた戦士達を乗せ騎士団は我が家へと帰還した・・。

そこに残ったのは戦場以上の荒野だけ・・
たった数時間前は小鳥が囀った場所だとは信じられない惨状だった・・




一方
「おい、大丈夫か!!」
頬に傷のあるヤクザが寝ている男に声をかける
「え・・・ええ。大丈夫・・です。俺・・、何が・・」
目を醒ます犬人の青年・・、タイムが見つけた筋肉男の被害者だ
「な・・なんでもねぇ。疲れてただけだ・・」
「そうですか・・、少し、気分が悪いので風に当たってきます・・」
「おっ、おう・・そうか・・」
フラフラっと建物の外にでる青年。
やがて裏通りに出て、表の広場が見える場所へ・・・
そして

ファサ・・・

段々頭髪が抜け落ちて見る見るうちにスキンヘッドに・・
「さぁ、まずはこの身体を鍛えるところからね・・」
さっきまでと違い高い声を出す青年

その後、彼を見た者は誰もいない・・・・



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