5万HIT記念小説  「13部隊 再び」T


ハイデルベルクの貿易都市ルザリアに程近い森
国内でもかなりの規模の森林が広がっておりその全貌は未だに明らかになっていない
だがそんな森にも人が生活する場がある
森林の村ニース、かつては魔物が徘徊する危険な森に囲まれた小さな村だったが
現在はそこで活動をしている自衛団の活躍によりかなり住みやすくなり都会の騒音に疲れた
者達が次々と移住していくほどとなった

「・・・それで、その行動を評して正式にハイデルベルク騎士団の傘下として騎士団認定をしようってか」
ニース村へ続く林道をゆっくりと歩きながら身動きのとりやすい格闘服を着込んでいる金髪の男クロムウェル
「ええっ、ここはルザリアに近いから私がその資格があるか判定して欲しいとの命令よ」
彼の隣を歩くはルザリア騎士団長タイム、
ある程度の戦闘を想定して専用の良く手入れの施された偽軽鎧(ダミーアーマー)を着込んでおり
腰には細やかな装飾が施されたレイピアを帯剣、扱いやすいマントを団長の地位を表す「搭」のエンブレムが刻まれたバッチでとめている
普段のゴタゴタではやらない正装、非常にお堅いのだがそれがまた彼女には良く似合い
木々の隙間から吹く風に緋色の髪が静かに揺れている
「団長ってのはまぁ大変なものだな・・」
「今頃気づいたの?・・まぁ今回は審査なんてしなくてもいいでしょうね」
「ああっ、そうだな。あいつならそれに値するさ」
はるか前方を見つめてクロムウェルが頭を掻く
これから赴くニース村自衛団の団長アルフォード=マルタはクロムウェルと旧知の仲であり
十分に信頼できる人物であることをタイムは知っているのだ
それでも一応ということでクロムウェルを付添い人として審査に向かっているわけである
「・・・にしても、ハイデルベルク騎士団内にも騎士学校構えて募集しているのに、自衛団を誘うことなんてするのかねぇ」
「実際は人手が不足しているわよ。治安を守る以上は相応の人手が必要だし・・学校の教育についていけなくて
準騎士の称号を貰う前に退学する生徒もかなりいるからね・・」
「憧れだけじゃ勤めらない仕事だ。ハンパな覚悟じゃ怪我するしな」
「そういう事、でも騎士団昇格の声がかかるのは例外中の例外よ?ローエンハイツ騎士団以来かしらね」
「そりゃな・・本来自衛団って村の青年が集まって夜回りするぐらいの組織だしな。
まぁこんな森ん中じゃ必然的に高いレベルが要求されるだろうけど・・」
「そう、それに・・」
「んっ?」
「最近の準騎士は都会勤務を希望する人が多いらしくてね、こうした辺境で魔物の危険があるところは配属された途端にやる気をなくす
のも多いらしいの」
「ははは・・世も末だ・・」
「まったくよ、人手が足りないところでこそ騎士が必要だという事を実感できるし力も養えるというのに・・」
腕を組みながらため息をつくタイム、新米騎士の甘い考えに呆れ果てている
「そんな考えだと貿易都市やら娯楽都市警備だと一日でダウンだな。
・・つらい現場でがんばっている自衛団を傘下にしようって考えも頷けるか
・・でも・・アルの奴引き受けるかなぁ・・」
「・・アルフォード氏に何か問題でもあるの?」
「う〜ん・・まぁあいつはあまり事を大きくしたがらない性分だからな。
フロスさんから聞いた程度だけど以前に世話になった人達の恩返しということでニースに住んでいるらしいんだよ
・・それが騎士団になるって知ったら慌てるだろうしなぁ」
彼の脳裏に思い出されるアルの姿・・控えめで周りに圧倒されていた好青年、しかしいざ戦闘ともなると
自慢の弓の腕でこれ以上ないぐらいの心強い後方支援を行い幾度も突破口を開いてくれたのだ
だが進んで目立つようなことをしなかったので彼が自衛団とはいえその長を務めている事にクロムウェルはいささか
違和感を感じていたり
「よほどの事情がなければ断らないと思うわよ。
自衛団はそれこそ村の護衛する非営利組織、経費もかかる。
でも騎士団になれば総本部からの支給金があるし申請もしたら人手も増える・・
どちらがいいか、わかるでしょう?」
「・・まっ、そうだよな。片や村人同士の見回り、片や国を護る一大ネットワークの末端・・
立場も違うか」
「まぁ、決めるのはアルフォード氏。どういう考えかはじっくりと聞きましょう
先に手紙が届いているはずだから結論はもう出ているはずだし」
「それならすぐ終わるなぁ・・どうだ?帰りに大自然に囲まれながら愛を語るなんて・・(ハァハァ)」
先ほどから林道は人の行き来もなく静寂そのもの
鳥の囀りと彼らの会話ぐらいしかそこにはないのだ
だが当然の事ながらタイムは頷くわけもなく行動で示す・・

バチン!

「・・返答してくりゃわかるから手を上げるなよ・・」
頬にまともにビンタを貰ったクロムウェル、腫れ上がった頬をさすりながら思わず涙目になる
「そ・・外でそんなことやるなんて何考えているのよ!」
「タイム〜」
「・・何よ?」
「我らが始祖はそんな事を気にしなかった!」

バチン!

「馬鹿!」
タイムの平手が再び唸り、クロムウェルの両頬は見事に膨れ上がった
「冗談だよ・・、冗談・・」
「そんな・・変態的な発想をするなんて貴方ぐらいよ!」
何だかんだ言いながら顔を真っ赤にするタイム、態度からして一概にNOというわけでもなさそう・・
「はぁ?タイム・・これは『青姦』と言ってれっきとした夫婦の営みの一種だ」
「・・何がれっきとしたよ・・馬鹿・・」
「まぁ大空の下ではともかく、ルザリアまでの帰り道は二人旅なんだ。道中少しは遊んで帰ろうぜ?」
「しょうがないわねぇ・・、でもまずは仕事よ?」
「あいあい」
なんだかんだ言いつつ嬉しそうなタイムにクロムウェルも微笑む
そして林道の先に目的地であるニース村が見えてきた

・・・・

流石に森林の中にある村だけあってニース村の建造物はほとんどが木製
しっかりとした丸太を使った物が多くどれもちょっとやそっとじゃ倒壊しなさそうががっちりした造りになっており
それが広場の周りを囲むように円形に建てられている
井戸と小さな花壇がある広場には子供達がはしゃぎ回っておりのどかな田舎がそこにはあった

「ふぅん・・、前来た時よりもだいぶ変わったなぁ・・」
入り口で周囲を見回りながらクロムウェルが感心する。
以前仕事で訪れた時は今見える景色とは違い家屋の数も多くなかったのだ
「・・ああっ、そういえばクロムウェルはクライブの護衛でここに来たことがあるんだったな」
村に入れば騎士団長、口調が凛々しく目つきも鋭い女騎士タイムに豹変している
ここらのスイッチの入れようにクロムウェルはいつも感心していたり・・
「そうそう、自衛団が再編されてからあの林道も安全になったから用事があってもクライブ一人でこれるようにもなったし
最近じゃ医師もここに住んで余りくることがなくなったって言っていたな」
「無医村じゃなくなったのは結構だな。彼の仕事も少しは楽になっただろう」
「・・パートナーもいるみたいだしなぁ・・」
「んっ?パートナー?」
「うんにゃ、余り言わないほうがいいや」
頭を掻きながら苦笑いのクロムウェル、かつてルザリア騎士団の魔導教官であるアンジェリカとクライブが密会をして
薬の実験について話し合っていたのを尾行して盗み聞きしていたことがあるのだ
・・もっとも、当人はアンジェリカに自分の子供が宿っているのではないかという戦々恐々たる疑惑でパニック状態だったのだが
「ふぅん・・」
クロムウェルが口ごもるのには相応の訳があるとタイムも首をかしげながらもあまり気に留めていない
そこに

「わざわざルザリアからご苦労様です。タイム様・・」

白く質素なドレスを着ており良家のお嬢さんとも言える女性がそこに立っていた
黒銀の綺麗な流し髪をし目鼻の整った絶世の美女・・なのだがどこか浮世離れしている雰囲気を出している
「いや、これも任務です。失礼ですが・・貴方は・・」
「申し遅れました。ニース村自衛団に所属しているレイブンという者です」
一礼して静かに微笑む女性レイブン、その姿にクロムウェルも「ほぅ・・」っと唸っている
「(ギュ!)そうでしたか。お出迎えご苦労さまです」
挨拶しながらもクロムウェルの足を踏むタイム、凛々しき団長も彼氏の浮気な瞳には黙っちゃおれぬ・・っと
「いえ、団長が詰め所でお待ちしています。どうぞこちらへ・・」
「はい・・いくぞ、クロムウェル」
「へいへい」
嫉妬全開なタイムにクロムウェルは苦笑いしつつも後についていった
・・
案内された先は森に近い村の隅に建設された民家の如くな一軒
景観を損ねさせないためなのか面倒だったのかわからないが
入り口に「ニース村自衛団詰め所」という看板がなければ普通の家にしか見えない
「こちらです・・」
「・・ふぅん、ここからなら森の見回りもすぐ行けるってわけか・・」
「はい。ちょうどいい空き家を増築して現在にいたります・・・あ・・」
ふと思い出したように中の様子を確認するレイブン
「・・どうかしましたか?」
「いえ、先ほど貴方方以外にも客人が参られましたので・・」
「別に気にしなくてもいいんじゃないか?用事が終わるまで待たせてもらうよ」
「・・かしこまりました、ではどうぞ・・」
ゆっくりと詰め所の扉を開き中に招くレイブン、中に先客がいるにせよクロムウェルはまったく遠慮せずに入室
対しタイムは礼儀正しく一礼しながら中に入って行った
・・
詰め所内は全く質素なものなのだがこの規模の村の自衛団としては広い。
各員用なのか机が並べられており接客用の応接スペースもある。
それだけでかなりのスペースを取っているのだが奥に扉があることを見るとまだまだ設備は充実しているものと思える
そして応接スペースには身動きの取り易い服装で笑っている碧髪の青年
彼こそがニース村自衛団長であるアルフォード=マルタなのだが・・

「・・・おいおい・・マジかよ・・」

思わず唸るクロムウェル、何故なら
「おおっ、・・やっぱお前も来たのか」
「・・む・・久しいな・・」
「今回の昇格認定を判定するのは彼女だからな。こいつならば付いてくるわけだ」
そこにいるのは小さな丸眼鏡をかけて碧のロングコートを着込んだ侍クラーク
自慢の筋肉をむき出しにし質素とも言える町人服装のシグマ
ハイデルベルク騎士団正式採用制服を着て優雅に茶をすするフロスティと
クロムウェルにとっては懐かしき人物達
「クロムウェルさん、お久しぶりです!」
爽やかに立ち上がるアル、対しクロムウェルは唖然と・・
「お・・おおっ、久しぶりなんだけど・・他の面々も来ていたとはなぁ・・」
「まぁ、アルの出世を祝って・・ってか?まぁそれ以外にもあるんだけどよ」
クラークがお茶を飲みながら説明する
どうやらそれなりに用件があるらしく各自得物を持っている
「ふぅん・・でもアル、出世したなぁ・・」
「いやぁ・・僕はこの村でお世話になったお返しをしているだけですよ。クロムウェルさんも出世しているじゃないですか」
「・・ふふふ、『ルザリア騎士団特別教官』の存在はハイデルベルク騎士団の中でも有名だ。
なんせA級の事件を事もなく解決している異質な存在だからな」
ニヤリと笑うフロスだがそれにクロムウェルは顔を曇らせる
「ってか俺は騎士団ではそんな感じで見られていたのかよ・・」
「まぁ素行の悪さも一級だからな・・っと。タイムさんも久しぶり」
片手を上げ挨拶するクラークにタイムも何とも言えない顔つきになり
「ご無沙汰しております・・フロスティ団長も・・」
っと言い出す。全く顔を知らない間でもないために接し方も微妙になってしまう
「総団長会議以来だな、タイム団長。キースとカチュアが世話になっている」
「いえ、貴重な戦力を頂き感謝しております」
「そう言ってもらえると助かる・・アル、こちらがルザリア騎士団長であるタイムさんだ。」
「ニース村自衛団長アルフォードです。今回は態々こんな田舎までいらっしゃってありがとうございます」
礼儀正しく挨拶をしタイムと握手をするアル、それに対しタイムもこの好青年があのクロムウェルの弟分だということに
いささか戸惑っているかのようだ
「いやっ、クロムウェルの知り合いと言う時点で信用するに足る人物である事はわかっている。
今回の審査はあってないようなものだ。・・後は貴方の承諾しだい・・だな」
「・・っと言いますと・・?」
「クロムウェルから貴方の気質の事を少し聞いた。あまり事が大きくなることを好まないということなので・・な」
ばつの悪そうにタイムが呟く・・
それにアルははにかんだ笑みを浮かべながら
「それはそうですけど・・この村のためならば騎士団の傘下に入ることはプラスになります。
それを拒むわけにはいきませんよ」
っと応える。
以前の大人しい弓師が今や一つの村を護る組織の要となっていることにクロムウェルは関心した
「了解した・・では後は事務的な手続きをするだけだが・・これは別に貴方がしなくてもいい
久々の戦友との再会の邪魔はしたくはないのでな・・レイブン殿、代理として書面の記入をお願いしていいかな?」
「えっ・・ああ、そんな事は・・」「かしこまりました」
アルの言葉を遮るように静かに一同を見守っていたレイブンが言う
「レイブン・・」
「他にも用件があります、手続きは私が済ましておきますよ、アル・・。
ではっ、タイム殿・・こちらへ・・」
奥の事務室に案内するレイブン、それにタイムも頷きついていった
「・・ふふっ、信頼できる部下に恵まれたな・・アル・・」
「フロスさん。いや・・僕は・・」
「あんな綺麗な娘を引き入れるなんてなぁ・・・。やるじゃないかぁ・・アルゥ(ゲヘゲヘ)」
嫌な笑みを浮かべながらクロムウェルがアルの肩を組みソファに座る
「クロムウェルさん・・いや、レイブンは僕のパートナーで・・」
「ああっ、確か話にあった言い寄られている女の子の一人・・だろ?」
軽くクラークが言うのそれにクロムウェルの動きがピタリと止まる
「・・『一人』・・とな?」
「・・ええっ、レイブンともう一人、今見回りに出かけている女性に言い寄られて・・どうすればいいかクラークさんに
助言を仰いで色々とがんばってます・・」
「なぬぅぅぅぅぅ!!アル!見損なったぜ!!!」
気合とともに立ち上がり漢の魂でアルに語りかけるクロムウェル!
「いいか!あんな絶世の美女がお前が欲しいと言っているのだ!それに応えなければ男じゃねぇぇ!!!
お前の股についているものは飾りか!?
犯せ!
犯してモノにするんだぁぁ(プス)・・ぐは・・」
演説を中止するかの如く奥から飛んでくる羽ペン、正確にクロムウェルの後頭部に刺さりそのまま悶絶した
「・・ふむ、流石はルザリアを守護する者。文具までも武器にするか」
タイムの無言かつ正確な狙撃に何故かフロスが感心している・・
「い・・・いや・・それと騎士とは関係ないだろう・・。ってかアルよぉ、それで手をこまねいているのか?」
「ははは・・僕はどうもそういうのが苦手で・・」
「ったくしょうがないなぁ・・クラークさんを見ろ!ロリロリな少女に加えて義理の妹にまで手を出しているんだぞ!?
これこそが男の生き様!」
「うし、クロムウェル♪マジな死合しようぜぇ♪」
クロムウェルの暴言にクラークさん、爽やかに殺気を出しながら立ち上がる
「いやっ、冗談です・・。まぁ属性は云々、それは別にしても一国一城の主ならば女性をはべらさなくてどうする?」
「はべらすと言われても・・それは別で僕は二人ともいいパートナーだと思っています」
「真面目だな・・、まぁその先を行け!俺はお前を応援しているぞ!」
熱い戦友の愛・・っというか面白がっているようにしか見えないのだが
アルにはそれがありがたく思えた
「そう熱弁するクロムウェルはどうなんだ?報告によるとローエンハイツの海水浴場にデートをしていたそうじゃないか」
ニヤリと笑うフロスだがそれにはクロムウェル、顔色を変えだす
「プライベートな事まで報告すんなっての!・・まぁぼつぼつだぜ♪」
「タイム団長とクロムウェルさんが・・ですか。何か正反対な気がしますけどねぇ」
「甘いなぁ・・アル、女性ってのはいくつも顔を持っているんだよ。あんな堅物そうでも一度二人っきりになって
ベットにもつれこんだらそりゃあもう・・(グサァ)・・なんでもないです・・」
本日2本めの羽ペンが深々と命中・・
「まぁ、地道にがんばれや。ほれっ、既婚者のシグマからも一言助言してやれよ」
ずっと無言のままだったシグマを促すクラークだが万年への字口の彼が語るわけでもなく
「・・・・、愛すればいい。男女の絆はそれが一番だ」
っと短く締める・・
13部隊で一番結婚生活が長い彼だけにその言葉には非常な重みを感じる一同であった
「それはそうと、アルの出世祝うわりにはクラークさんも得物まで持ってきてどうしたんだよ?」
「ん・・ああっ、それはな・・」
「僕の方から説明します。今回皆さんを招いたのは寧ろ別の一件で助力いただこうと思ったのです」
「アルが助けを求める・・珍しい事だな・・」
ひ弱そうな彼だが芯は強く滅多に助けを求めなかったのだ
「ええっ、僕達だけだと・・手に負えなさそうなので・・。
実はこのニースを囲む森の最奥に瘴気の塊のような物を感知したのです。団員が警戒をしながら調査に向かうものの
特殊な結界のようなものが張られておりうかつに飛び込めない状態にあるのです」
「・・なるほどな・・、でもこんな森に瘴気か・・」
「普通ならば考えられない。それに自衛団員が全員出払っては今度はこの村に危険が及ぶ可能性がある
助力を求めるのは妥当な判断さ」
顎をさすりながらフロスが静かに言う、隣のシグマを無言で頷きそれに同意見・・
「まぁ瘴気の結界があるほどだ。ハイデルベルク騎士団に助け求めてもあてにはならないってわけで俺達の出番だ」
「なるほどな・・『不死身の13部隊』が結集したなら対応できるわけか」
「はい、クロムウェルさんにはフロスさんが手紙を出さなくてもタイム団長についてくるだろうということで・・」
バツの悪そうなアルに対しフロスは苦笑気味・・
「フロスさん・・」
「まぁ、そのままだ。久々にクラークと戦線を共に出来るんだ。嬉しいだろう?」
「いや・・嬉しいっていうかなんというか・・俺そんなつもりできたんじゃないんだし・・」
本人的には彼らと顔を合わすまではさっさとタイムと休暇に持ち込みたかった様子
「なんだよ。弟分の願いを断って帰る気か?」
「まさか、やるならやるで手伝うさ。ついでにアルのヘタレ気質を改造してやるよ(キラーン)」
白い歯を見せてアルの肩を叩くクロムウェル
人それを、余計なお世話という
「色々な意味でありがとうございます・・。もうすぐ偵察に出た団員が帰ってきます
どう動くかはそこから決めましょう」
神妙な面持ちをしながら一同無言で頷くのであった

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