第二話  「魔術都市アルマティ」


なんとかタイムには断りを行って翌日にルザリアを出発した俺達。
俺はどこに行こうと別にいつもの黒服に変わりをつけようなんて思わないからそのまんま。
まぁ今回は船旅になるから一応薄いマントなんかも持ってきた
フィートもほとんど同じ、何時もの魔術師マントに中はいたってカジュアル・・。
っても着飾る用事でもないんだしな〜
最後にエネ、可愛らしい栗毛のオサゲをキチっと結び着ているものは
精一杯の強がりかいつもより上等なドレス・・。
酒場で働いて金も入ってきたようだな。
・・まっ、それでも高価な物とは決して言えないんだけれども
汚い貴族夫人が着ているハデハデな物に比べたらよっぽどマシだ

・・さっきも言ったように今回は船旅。
目的地のアルマティはハイデルベルクより南方にある島そのものを都市化した孤島なんだよ
なんでもどの国とも縁を持たずに魔術の発展にのみ執着するため・・らしい。
そのため外界から隔離して日々精進なんだってよ。
まぁそれ故に歪んだところでもあるってフィートが言ってたんだけど・・
要は学者バカ達の島ってことだろ?
ともあれ俺達はルザリアを出て一番近くにある港街ローエンハイツにて
アルマティ行きの船に乗った・・。
通常は孤立している故にアルマティ行きの便なんてないんだそうだけども
魔術師として成功したいって見習が結構いてそのつど送り届けているらしい。
因みに久々のローエンハイツにてとある人の意外な現在を知ったりなんかしちゃったけれども
それはまた別の機会にでも・・。とある人?
・・俺を売った人間・・もしくはキースをルザリアに送った人間・・ってなことだ



「船を出航してから到着まで・・6時間!?・・酔いますね・・?」
青い空と青い海が遥か彼方まで広がる甲板でエネが唸る・・、ま〜、酔うわな?
もうローエンハイツの港も見えなくなったしこれから長くなりそうだな。
一応俺達が乗っているのは客船、ローエンハイツ発にてどっかの国に観光に行くんだってよ
そのために船内は貴族連中がびっちり!
そもそも一般庶民が船に乗るのは密航か漁業船くらいだし・・
まぁそんなわけもあって客室にはいかずに甲板にて到着を待つことにしたんだ
「酔い止めの魔法をしてあげるよ?エネ?」
「おいおいフィート、酔い止めの魔法なんてあるのか?」
「経緯はどうあれ体に異常をきたしているんですからそれを治せばいいんですよ・・。
まぁ酔い止め専用じゃないってことです」
まぁそりゃそうだよな・・酔い止め以外効果がない魔法ってのも・・
ありがたいような〜、ありがたくないような・・
「ありがと・・でもフィート君の青春の街までもうすぐなんだね♪」
「青春・・か・・。まぁそんな綺麗なもんでもないよ?
むしろ2度と行きたくない所かもしれないし・・」
「・・フィート君・・?」
「・・いやっ、何でもないよ。
まぁ珍しい魔導アイテムとかも多いから時間があれば買い物とかしよっか♪」
「う・・うん・・でも私お金が・・」
「大丈夫♪先輩が持ってくれるよ♪」
「待てい!なんで俺にたかる!?」
このままだとなんか俺、損するばっかになっちまいそう!
「だって〜、先輩って金を使っているのあんまり見たことないじゃないですか?
服もその道着みたいな旅人の服みたいなのだけだし
食事も外食はあれども大抵はタイムさんの手料理だし♪」
・・解析してやがる・・
「あんな〜、他にも色々使っているんだよ!」
「例えば?」
「・・あ〜・・え〜・・、テント郡の皆さんに炊き出しを・・」
「エネ、先輩がそんなことしているの見たことある?」
「ううん、クロムウェルさんがテント郡に来る時はいつも騎士さんに追っかけられてたわよ?」
・・しまった!元テント郡住民が目の前にいたんだった!
「せんぱ〜い、嘘はいけませんねぇ・・。大方タイムさんに貢いでいるんでしょう?」
「んなわけあるか!それよりもお前がなんか買ってやれよ!それが筋だろう!」
ほんとは姉御の墓参りとかに使っていたんだけど
・・んなことフィートに言ったらややこしいだろうしな
「僕は結構金欠でして・・。まぁ・・」
極悪な笑顔を浮かべて懐から取り出すは金貨・・、何だ持っているじゃん
「こうすれば良いだけなんですが・・ね♪」
金貨を持つ手をクルリと廻した・・うおっ!!金貨が5枚に増えた!!
「すご〜い!流石フィート君!」
「おいおいおい!んなことできるんだったら最初からそうやれよ!食うに困らないって!」
「ルザリアではそうは行きませんよ・・これ、偽造硬貨ですし」

・・・・シーン・・・・・

時は止まる

「って!エネ!今の甲板に出ているやつに聞こえなかったか!?」
「だ・・だいじょうぶみたいです・・、クロムウェルさん」
硬貨の偽造は即刻処刑・・それは万国共通って言っても過言ではないぜ!?
「まぁまぁ・・・これから行くところはそれがまかり通るんですよ」
「・・はぁ?」
「この硬貨のコピーは僕がそこらの銅貨を魔術錬成して変化させたもの。
言わば僕の魔術で産まれた金貨です・・それだったらアルマティでは御法度にならないんですよ」
・・・訳わからん・・・、犯罪は犯罪ぢゃん
「どう言う事・・なの?」
「つまりこれは立派な僕も魔術の産物、それは僕の魔力の技術の高さを表しているんだよ。
アルマティはそれこそ『魔術の発展にのみ執着する都市』。
一般の御法度は一切なく魔術が絡んでそれが高度なものだとばれても犯罪にはならないんだ」
異常〜な都市〜だこと〜・・
「なんだかなぁ・・変な都市」
「だから国にならないんですよ。
都市の住民は全員魔術師、興味があるのは魔術のみで
そのためには相手を傷つけても全然かまわない・・国として成立すると思いますか?」
「・・無理だな。っうか傷つけたりしても何も問われないのか?」
「ええっ、それが魔術に関わっているのでしたら。
もし普通の暴力沙汰でしたら犯人は即刻逮捕・・
どんな罪でも罰は人体実験って決まっているわけです。」
「え・・・そ・・そんなことが・・」
「うん、だからアカデミーもひどいもんさ。
良い魔導書欲しさに麻薬を作って流通させたり
ライバルを落とし入れるために襲撃したり・・ってね」
そんな生活をしていたんだな・・こいつ・・普段のおちゃらけからは想像できないな
「んなところにエネも行くのか・・」
「だから最初にめちゃくちゃで危険って言ったんですよ。
ですんで先輩、エネを守ってやってくださいね」
「・・お前は?」
「僕はアルマティのアカデミー最優秀者『法王』なんですよ?
僕を狙って襲撃したりするなんていくらでもありますよ。
それこそ法王に一杯食わせて自分の成果をアピールするために・・ね」
なるほど、自分の評価を上げるにはもってこいの存在ってわけだな
「じゃあエネがフィートの婚約者だって知れば・・」
「真っ先に誘拐やらするでしょうね〜、まぁまだ婚約はしてませんが」
「・・・フィート君、そんなところで生きてきたんだ・・」
「・・驚いた?」
「少し・・、フィート君、あまり自分のこと話さないから・・」
「そう言えば・・そうだな。良い機会だ。向こうについて落ちついたら話をしよっか。
・・まぁ危険なところだけど先輩もいるし・・当然僕もいる・・
馬鹿な連中にエネの身体に指一つ触らせないよ」
「ありがとう・・、クロムウェルさんもお願いします」
「おうよ、魔術師相手は好きじゃないが、んな欲まみれな連中に遅れを取れないしな」
「頼りになりますねぇ・・やっぱり」
「はんっ、これでもプライドってもんがあるのさね!
まぁ上陸後の事は置いておいてまだ先が長いんだ・・のんびりしようぜ」
・・って言っても、船内に入る気起こらないんだけれども・・
「それでは日光浴としましょうか?これだけ良い天気だと気持ちいいですよ〜、
下手に動き回ると酔いますし」
「・・俺達、どこでも寝ているよな・・」
「まぁまぁ、あっ、そうだ!じゃあエネ、船首に行こう!」
「う・・うん?」
エネの腕を引っ張るフィートに彼女も唖然としてついて行った・・って俺は荷物番かよ
・・・・・
なんだ・・エネを立たせて・・後から抱きついた・・。

こ・・これは!タイ○ニック!?・・なんで知っているかって?
・・秘密だ

ったく惚気ちゃって・・、俺なんてタイムが心配している中での旅なのに、はぁ〜、こうなったら
わからない旅先で浮気でもしちゃおうっか♪
・・・成功しないだろうけど・・

・・・・・

6時間後
流石に海も飽きてくるもんだ、っても見渡す限りの海、海、海〜!じゃあな。
まぁそんな俺達に心踊る事態が・・
「・・それは沖合いで救命ボートを渡されてアルマティまで漕げという過酷なものだった」
「先輩〜、魔法で推力つけてますからいいじゃないですか」
まぁそうなんだけどさ。
6人ぐらい乗れるボートには荷物で一人分フィートが船尾で
俺が船首にいてバランスを取っている
「っうか島まで送れっての!」
「寄ったら魔法弾の雨で沈没確実ですよ。
関係者とアカデミー入学希望者以外は本来立ち入り禁止の場所ですので」
「だったら帰る時はどうするんだよ?」
「都市に転移魔法が使える人間もいますしいざとなれば僕がやりますよ」
「フィート君・・そんなこともできるんだぁ」
「何、それだけの設備と外気が溢れますからね・・もう少しで到着しますよ」
確かに・・、眼前にはかなりの大きさの島が見える・・
港らしきものもあり目的地が見えてきたことで安堵を憶えた・・いんだけど何か安心できねぇ
「なぁ・・俺達に向かって撃ってこないか?」
「大丈夫ですよ、警備人とテレパスが通じる距離です。
もう向こうにこっちの存在を確認させましたので。一応はVIP待遇ですよ」
おやおや、つまらなさそう・・まぁいいや。早く土を踏みたいぜ・・


・・
・・・
・・・・

流石は風による推力にて見る見るうちに船着場へと辿りついた。
だけどそこには警備兵なのか黒マントの男が十人ぐらい待ち構えていた・・。
でもフィートが正真証明『法王』であることを知ると態度は一転、
ペコペコするようになって案内とか荷物まで持つとか言い出しやがった
法王ってすんごいんだな・・、まぁそれはどうでもいいので荷物は各自持って案内無しに
港を出て街へと進んだ
「・・す・・っごい!」
その光景を見てエネが驚く。何の変哲もない島の中に首都ばりの都市が健在しているんだ
俺もびっくりしたよ
周囲は森に囲まれているがかなりの規模の街・・
その中央には天に届けと言わんばかりに伸びる塔がある
「これがアルマティです。街全体が魔術云々の関係で出来ているからこうしたこともできるんですよ。
森の向こうとはか自給自足用の菜園場と海水を飲み水に変える設備もあります」
「・・その二つも魔術が関係しているの?」
「そうだね、季節関係なく作物を栽培できるし、
飲み水の精製も魔術にて凄い量を1度に造れるからね」
「・・・・そりゃあ余所の国と関わらなくてもいいわけだ・・そんで、あの馬鹿でかいのは?」
「魔術アカデミーです。正しくこの島を代表する建物ですね。とりあえず塔に行きましょう」
そう言うとゆっくり歩き出すフィート・・。
感じからして入るのも嫌って様子・・だな。
・・ともあれ、魔術師の街を通りアカデミーへと向う俺達

・・・・・・・

街の住民は一見普通の人々だけどフィートを見る目が尋常じゃない。
隙あらば襲いかからんと言っているぜ・・、こりゃあやっぱりヤバイ街なんだな
対しフィートもいつもと変わらないが体の周囲にかすかだが風の渦を作っている
・・もし襲いかかろうとするならば真空波を放って仕留める・・ってところか
俺に対しても殺気出しているが・・魔術師じゃないしさ。
エネも俺もフィートの連れとして狙っているってところか
「・・クロムウェルさん・・」
流石は過去に剣士として戦場に出ていただけあるエネ・・・
周りの空気に気付いているようだな
「安心しろ、襲いかかっていようが返り討ちにしてやるさ。魔術師相手がなんぼのもんじゃい」

・・・ギロッ!!・・・・

おおう、周りの空気が変わった。
まぁそれでも手を出そうとはしない・・俺の力量ぐらいはわかるだろうし、
この島での魔術の最高峰がいるわけだしな
「さて、到着です」
街を通りぬけそびえる塔の麓へついた。・・間近だと塔がどこまであるのかわからん・・
それこそ天に届いていそうだ
「顔パスですからどうぞ入ってくださいよ」
「・ああ・」「うん」
圧倒されながらも中に・・
・・・
流石に馬鹿でかい塔故に馬鹿でかいロビー
・・赤い絨毯が引かれており王族御用達のような感じだ。
受けつけ嬢までいるが・・こちらに深く頭を下げている
「でっ?こっからどうするんだ?目的の階まで階段がずら〜っとあるとか?」
「まさか・・ここは60階以上あるんですよ?頭脳勝負の魔術師の住処としては恐ろしい運動量です。
あそこの紋章がある床があるじゃないですか?
あそこがゲートになってますから魔力を込めて行きたい階を念じると転送されますよ。
そのためにここでは各階完全に隔離されてます」
「ええっ!?じゃあ・・火事になったら・・どうするの?」
「魔術で何とかする。それができなければ死ぬだけさ・・安全とか考えてないからね。
ともあれ、転送は僕がしますので」
フィートに招かねて何やら怪しい紋章の上に立った

・・バシュ!!

何か音がなったと思いきや次の瞬間には別のフロアにいた
・・すげえな、正しく一瞬だぜ・・?
「さて、・・風力講義師研究室は・・あそこか」
フロアは廊下の中に幾つも扉がありプレートがかけられている
その中の一つ・・にフィートが立ち止まり
「アンジェリカさん〜、フィート君がきましたよ〜」

「・・どうぞ・・」

奥から聞こえてくるは例のアンジェリカって人か・・意外に若い声だな
「よし、じゃあ入りましょう〜」
対しフィートは遠慮なく入っていった
・・・・
中は本棚が並んだそれこそ書庫のような空間
・・その中に馬鹿でかい机がありそこにオレンジの髪をした女性が座っていた。
ウェーブがかかって肩で揃えており目はキリッとしている。
着ているものは顔に合っている黒い魔女みたいなドレスに黒い鍔広帽をしている
全体的に見ても・・魔術師ですね
「お久しぶり・・フィート君」
「ええっ、久しぶりですね。・・今はアカデミーの講師・・ですか?出世しましたね〜」
「本来ならば私が『法王』の称号を勝ちとって他国で名を馳せているはずなんだけどね」
・・この人も法王の称号に執着していたようだな
「まぁ、今更言っても変わりませんよ?」
「・・ふん、それよりも連れがいるとは思わなかったわ・・どちらさん?」
「ああっ、この子がエネ。僕の大切な人だ」
「・・フィート君♪」
・・どこでもラブラブ光線が発射してますな!
「へぇ・・貴方が女性を愛するの?・・随分と猫被ったものね」
・・・・、どうやら彼女はフィートの本質を知っているようだな
「人間変わるものですよ。そしてこの人がクロムウェル。
あの傭兵公社13部隊の特攻を勤めていて気孔術では僕の先輩です」
「クロムウェルだ。よろしくな、アンジェリカちゃん」
「・・傭兵公社・・、そんなエリートには思えないけれども・・」
「そりゃそうだ。エリートじゃないんだから」
「・・貴方、結構面白そうねぇ」
・・脈あり!?・・初めての浮気の可能性も♪

・・・ギロッ!!・・

!!!!!

・・な・・なんだ!?今一瞬タイムに睨まれた気がした・・!?
「・・どうしたんです?先輩?」
「いや・・タイムに見られた気がして・・」
「まさか、やましい気持ちを持ったからでしょう?」
・・言い返せない・・・。まぁこんなところまでつけてくるわけねぇしな・・
「いや・・っはははは・・。それで、一体何の用だよ?
はるばるこんなところまで呼び出すだなんて」
「そうですね、僕にしてみればこんなところ2度と来たくはなかったんですが」
「私は会いたかったわよ?」
アンジェリカがにやける・・、それに対しエネがフィートの袖をギュッと握った
・・取られないようにするためか・・健気よのぉ
「まだライバル視しているのですか?貴方も執拗ですねぇ」
「そりゃ悔やんでも悔やみきれないわよ・・、まぁ詳しい説明は先生が来てからね。
今学長に挨拶してここにくることになっているから。それまでくつろいで」
「わかりました・・それでは厄介になりますよ」
「・・でも・・変わったっていうのは本当みたいね、随分大人しくなったじゃない?」
「そうですか?まぁここにいたらまともな精神でいられなくなりますからね
・・アンジェリカさんも僕には及ばないですが
良い素質を持っているのですからいっそ余所で研究したらどうです?」
うう〜ん・・なんだか話に入りにくいですなぁ・・、結構因縁があるみたいだし
「私を蝕む元凶を殺すまで余所にもいけないわよ。」
「・・ああっ、アレ、まだ続いているのですか?」
「・・何が不治よ。抗体作って少しずつ治めているわ・・、それに気付いたのは最近だけど・・」
「あの時点では手の打ちようはないということですよ?何も嘘は言ってません」
・・・??・・
アンジェリカはどうやら何かの病気のようだな。見た目は全然元気なんだけど・・
「嫌な男、でも・・先生遅いわね。悪いけれども学長の所を見てきてくれない?
一応貴方の連れとは言っても一般の人間を塔内にいれたことの
断りを言っておかないといけないでしょ?」
「・・そうですね、出迎えついでに行って来ます」
おやおや・・フィート君行っちゃったよ。
っう事は俺達はこの階以外の移動はできなくなったってことか・・。
一般人にゃ不便過ぎるぞ・・
ともあれ、どうしよ?こんな本棚の部屋って俺にとっちゃ居心地悪いんだよなぁ・・
「あの・・アンジェリカさん・・?」
「んっ?なぁに?エネちゃん・・だったっけ?」
「フィート君の事・・色々知っているみたいですけれども・・よろしければ教えてくれませんか?」
「・・彼の?・・貴方、彼の事を愛しているの?」
「・・はい」
「なら止めておいたほうがいいわよ、
こんな街で暮らしていた自体でどんなものだったかはわかるでしょうけれども・・、
彼はそれ以上だったから・・」
・・何故かアンジェリカも暗い顔になる、何か深い訳があるのか・・
あいつも自分の過去は語りたがらないからな
「それでも・・、知りたいです。どんなことがあっても私はフィート君を愛してます!」
・・おおう、あのエネが強い口調になった・・
「・・いいわ、話しましょう。」
何かを思い出すように一つ伸びをしてアンジェリカは静かに口を開いた


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