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『超戦士ウィズダム』


魔術都市アルマティ
欲望が渦巻く異常な都市にて揉め事など血なまぐさい事は日常茶飯事
・・それでも『魔術の発展』という名目の上に行われており罪に問われることはない
事実、それにより攻撃魔法が進化している点があるゆえにそれが正論として成立しているのだ
そんな中でもまともな神経の人間はおりその人達も自分の居場所のために戦っている

アルマティの象徴、魔術アカデミーの塔
その中でも異色の者が現れ話題となっていた・・それは・・
「どうしたの〜?また襲われた?」
炎力講師の研究室にて一体・・いや、一人の人造物が入ってきた
それは華奢な外見ではあるが薄い甲冑を着込んだ逞しき鋼の体
自立思考,身体制御,姿勢制御をこなしかぎりなく人に近づいた魔導騎兵(レギオン)
「・・・・」
ただし発声はできない、故になめらかなジェスチャーで女性に説明する
「ふぅん、殺しちゃ駄目よ・・貴方は異例な存在なんだから」
「・・(コク)」
「よろしい♪ウィズダムちゃん♪」
その名は魔導機人(マキナス)『ウィズダム』
・・かつてこの島に訪れた『光晶の法王』より授かった守護者にして超戦士
アルマティでの生活のためにその場に居合わせたアカデミーの講師であるヒミカの元で世話になっており
ウィズダムに付きっ切りの状態になっている
「・・・」
とは言え、無言のままでのコミニケーションは何かと大変で万能の戦闘能力を誇るウィズダムも色々と悩んでいるようだ
「本当に良い子ね〜、私の生徒も・・皆・・ウィズダムちゃんみたいのだったら・・いいのに・・(シクシク)」
特にヒミカのこの突然泣き出す現象はウィズダムには全く理解できず慌ててしまう
とりあえずこの場合の対処として・・
「・・・(ナデナデ)」
優しく頭を撫でてあげる・・、そうすればヒミカの態度はコロっと変わることが今までの統計で出ている
「ありがとう♪」
統計での成功率がまた上昇・・しかし撫でても泣き止まないこともあり中々に苦労をしている
「でも・・ウィズダムちゃんのためにリー先生が色々と根回しをしてくれたみたいだけど・・大丈夫なのかしら?」
本来講師を引退したリー故にいつもアルマティにいるわけでもない
面倒な事が起こった時のために別れ際に『光晶の法王』より教わった優秀な鍛冶師に武防具の注文をしにいったのだ
他にもウィズダムのために色々と行動を起こしてくれているらしく・・
「・・・・」
「まぁ、私だけでも大丈夫よね・・。フォンさんもいるんだし・・・」
生徒と講師の信頼関係もほとんどないこの島で彼女が信頼できるのは友達だったアンジェリカ、前回の出来事以来交友のあるフォン、
そして目の前のウィズダムぐらいだ
今でもアンジェリカとは手紙のやり取りをしており彼女に励まされている
ヒミカの性格からして講師を続けていられるのも周りのそうした支えのため・・

コンコン

「・・あっ、は〜い!どなたですか〜!?」
”私だ。リー先生からのお客を案内した”
声の主は警備部隊所属のフォン、それにウィズダムが反応して扉を開けてやる
・・この都市では来客の扉を開けるのも警戒しなければならないのだがウィズダムならばそんなことなど不要
例え扉が開いたと同時に魔弾の雨が降ろうとも無傷なのだから・・
「失礼、こちらがヒミカ先生の部屋だ」
「おじゃましま〜す」
連れてこられたのは犬人の少年と黒髪の少女
二人とも背中に大きな荷物を背負っている、そして少女の肩には鋼の鷲が・・
「・・あのぉ・・こちらさんは?」
「ハイデルベルクにある鍛冶工房『HOLY ORDERS』の店主であるリュート君だ。
リー先生がウィズダム用の武器をということでわざわざ招いたらしい」
リーからの紹介状を軽く見せるフォン、まぁ彼の手回しがあるならばそれなしでも島に入れるのだが・・
「先生が・・?もう、無理してこんなところに招かなくてもよかったのにぃ」
「・・いえ、僕もアルマティには興味がありましたので。リュートです。よろしくお願いします」
栗色の髪をしており優しそうな少年リュート
「アカデミー炎力講師のヒミカよ、こちらがそのウィズダムちゃん♪」
「・・・(ペコッ)」
「・・流石、ディ君・・フィアラルの技術をここまで昇華させたんだ・・」
「あらっ?貴方、ディ君の事を・・?」
「ええっ、僕はディ君と友達なので。このフィアラルも二人で創りあげたんですよ・・ほらっ、フィアラル。・・弟・・になるのかな?」
「・・・(フルフル)」
・・違います、っと首をふるウィズダム
「・・えっ?ウィズダムちゃん女の子なの?」
「・・・」
首をかしげるウィズダム・・そんなウィズダムに少女の肩に大人しくしていたフィアラルが、静かに頭を下げた
「あらっ、フィアラル上機嫌じゃないの♪」
「・・そう・・なんですか?」
鷹だけに全然わからないヒミカさん・・
「とりあえずはウィズダムさん専用にと思い造ってきました。彼女・・シャンで色々と試しましたのですぐにでも実戦可能ですよ♪」
「ええっ、ディ君が造り上げた者・・さらには自立思考や戦闘モーションが入られているならすぐ私よりも上手に扱えるわ」
そう言うと背中に吊るした箱を取り出し封を解く
船を経由してでの旅故に潮風に注意したのだろう
そこにあるのは綺麗な両刃の破壊剣・・握りである場所はなにやら透明な水晶のようで鍔は握るためにあるのか凹凸がある
刃は何の変哲もない物なのだが魔術文字がビッシリと刻まれている
もう一つは全長腕サイズの長六角形の盾、表面は特に普通の盾なのだがひっくり返した裏側にはギミック満載
盾の握りの下には射撃槍が六発、規則正しく並べられているその根元は金属板で固定をされているが簡単に取り外しできる
そして先端には投擲用の鋏爪が設置されている。根元には鎖でつながれておりかなりの飛距離がでそうな使用だ
「すごい〜、でもこの剣・・もしかして・・」
「ええっ、握りはこの鍔部分ですね。剣を持ったことのある人間には扱いにくいでしょうが
ウィズダムさんはデータこそありますが実際に剣を握ったことがないのですぐに対応できるでしょう」
「だが・・どういう仕掛けなのだ?」
フォンも興味深々の様子だ。
「結晶部分は外気功自動充魔力蓄体となっています。これにより剣から魔法弾を発射できます・・連続十発ぐらいは発射できます
連射などしたらそれだけ負担が重くなりますが・・」
「・・ふぅん・・なるほど〜、外気を利用するなんて・・流石はディ君の友達ねぇ」
良い子良い子とリュートの頭を撫でてやるヒミカ・・この女性、保母さんの方が合っていそうだ
それにリュートもまんざらではないようで・・
「そ・・それで、こっちの盾は見ての通り。魔術都市での活動が主だという事で魔法防御性能を高めていて内臓されている射撃槍も
魔導システムにより高速射出できますので物理攻撃としてか優秀です、鋏爪も対象物の破壊や捕縛などに有効ですね」
「なるほど・・・うぬぅ!リュート君、いくら性能が良くてもこの重さは・・」
実際に手に取ってみようとしたフォンだがその重さに驚く
「これは魔導機人であるウィズダムさんが扱うために重量の調整は余り考えていませんので・・まぁ重い分それ自身が武器ともなるわけですから
・・どうです?大丈夫ですか?」
ウィズダムに持ってもらうように促す、彼は興味深そうに二つの武器を見つめ持ち上げる
フォンの反応とは違い実に軽々と・・
剣も軽く振って見せる。だがその動作一つでも歴戦の戦士達の力をもっているので見事な演舞になっている
「・・(コク)」
「気に入ってもらえたようですね♪後はこれ」
今度はリュートが背負った箱を開ける
そこにはウィズダム用の小さめな肩当、見たところ何の変哲もないものだがこれも彼の作品ともあれば・・
「裏側に攻撃補助用の魔石ユニットを6基仕込んであります。魔力により制御が可能で一基につき一発ですが魔法弾も発射できます
扱いは難しいですが扱い慣れたら強力な補助防具になってくれるでしょう」
「・・色々と考えるもんねぇ。でも魔力による制御・・ウィズダムちゃん。大丈夫?」
「・・・」
よくわからないががんばって見る・・っとジェスチャーを・・
とりあえずに装着してみるがただでさえ薄い甲冑を装備したような体のウィズダムだが
肩当と盾、剣を装備した姿は正しく鋼鉄の騎士
「う〜ん、様になっていますね♪」
その姿にリュートは大満足の様子・・
「・・・」
「あっ、ウィズダムちゃんがこの武防具の名前はって?」
「・・ヒミカ先生、ウィズダムさんの言うことがわかるのですか?」
「ええっ、ジェスチャーでなんだけど♪」
「・・考えてみればヒミカ先生はウィズダムに付きっ切りだからな。一番彼の事を理解しているんだろう」
フォンとは暇ではない故にそうそう構ってやれないのが現状・・故にウィズダムとはそれほど顔を合わせていないのだ
「私とフィアラルみたいなものね。この剣は魔導砲剣(ランチャーブレード)「ストームセーバー」、盾は撃構盾「ストームスタンダー」
肩当は魔導飛翔刃『ゴーストクリスタル』よ♪大事にしてね」
「・・・(コク)」
慎み深く礼をするウィズダム、表情こそないが嬉しい・・ようだ
「・・おっと、そうだ。アンジェリカ講師から小包が届いているぞ?」
思い出したようにフォンが取り出したのはかなりの大きさの箱・・
側面に幾つも穴が空いているのが何だか不気味
「アンジェリカが?・・良く小包なんて持ち込めましたね・・」
手紙のやり取りでも制限が厳しいアルマティ、外部からの小包なんてまず没収されるのだが・・
「何、私が隠し持ってきただけだ。何でもリー先生と接触してウィズダムのために人肌脱いでくれているらしい。・・内容物はわからんが」
「じゃあ・・開けて見ますねぇ・・」
友人からの贈り物にドキドキと胸が高まるヒミカ。封を解きパカッと蓋を開ける
そこには・・

「・・・・」
「・・・・」


「きゃあああああああ〜!!」
「ど・・どうしたんだ!?」
突然のヒミカの絶叫にフォンも驚く、ウィズダムなんかは剣まで抜いている始末
「へ・・変な物体が〜・・」
指刺しながら怯えるヒミカ、そして箱からはよっこらせと這い出てくるアルマジロのような生物
内側に触手が幾つも生えているらしくそれでシャカシャカ動いている。内ッ側はグログロだが目は丸く大きな水晶みたいで可愛らしい
「・・魔法生物・・ですね?」
唖然とする周囲にアルマジロは気付き箱の中からボタンを取り出した

トンツトントツー・・

「・・モールツ信号?シャン・・」
「え・・ええ。『わたしはあにま。きょうからやっかいになります』・・ですって」
元アサシンなだけに暗号解読はお手の物・・流石に送信している物体に唖然としているが・・
「・・芸達者な生物だな・・むっ、手紙が・・」
良く見れば箱の底に手紙と魔石が・・。自分が読むのは少し筋が違うと思いフォンはそれをヒミカに渡した
「何々〜、『久しぶり、アルマティも相変わらず騒々しいみたいね。リー先生の話でその魔導機人の役に立てる物を送ります
魔法生物アニマ、フィート君の家の番人よ。色々と芸が出来るし魔法も使えるから魔導機人のサポート役として役立てて。
・・結構可愛いところあるから。
後は戦闘記録としてルザリア最強の戦士のデータを封じた魔石を添付しておいたから。多少クセがあるからそっちの連中相手には
効果的よ。・・それじゃ』・・アンジェリカ〜」
友の心使いに感涙、涙腺が相当弱い女性でウィズダムはまた泣き出したと勘違いして頭を撫でてやっている
「サポートか・・どうやるんでしょうかね?」

カサカサカサカサ!!

リュートの言葉に応えるようにアニマはウィズダムの身体を這い上がる・・それはもう某台所の悪魔を思い出させるような俊敏さで
ヒミカとシャンはすこし引いている
「・・・?」
到着したのはウィズダムの頭部、何をするのかと彼も首を傾げたが

カッ

不意にアニマから放たれる閃光と魔方陣・・それによりアルマジロな体は変異し始める
眉間が尖りショートソードのような立派な角、身体はそのままウィズダムと同化、尻尾は鞭のように堅く垂れ下がっている
「・・メタモルフォーゼ?すごい〜、芸達者なんだ!」
魔法生物の変化にヒミカも思わず感心する
そしてウィズダムの中では

(・・私はアニマ。応答願います。ウィズダムさん)
(・・なっ、私の事が・・わかるのか?)
(貴方の自立思考に直接アクセスして会話をしています。リーさんやアンジェリカさんから話は伺いました。私の存在意義のためにも
貴方に協力します)
ウィズダムの思考内での会話故にわからないがアニマの声は正しくアンジェリカのもの。実は彼女が一番アニマを可愛がっており
色々と教えていたのだ
そしてウィズダムの心の声も凛々しき武士な女性の声・・外見では判断がつきにくいが女性戦士に近いらしい
(そうか・・、しかし・・今私はどうなっているんだ?)
(貴方の頭部と同化した状態です。今私は貴方の頭を守る兜のようなものですね・・。臨時として角と鞭を垂らしています。いざとなればこれでも
闘えるはずです)
(なるほど・・)
(私は魔法が使用できます。索敵と魔法援護、さらには先ほど小耳に挟んだ『ゴーストクリスタル』の遠隔操作なら可能です。
必要な時はなんなりとご命令を)
(了解した・・よろしく頼む、アニマ)
(こちらこそ・・では、解除します)

カッ!

再び閃光が走るとアニマの姿は元に戻り団子状になって床にポテンっと転がり落ちた
「・・・」
そんなアニマをウィズダムはすくい上げ自分の肩に乗せてやった
「・・ふっ、どうやらいいパートナーになったようだな」
「みたいですね〜。じゃあ経過はHOLY ORDERSまで手紙で郵送してください♪また何か思いついたら持ってきますよ」
「ありがとう、リュート君。もう帰っちゃうの?」
「ええっ、これでも忙しい身でして。帰りに慰安旅行としてローエンハイツでバカンスを予定してます♪」
「リュートったら犬掻きしかできないのに泳ぎたいらしくて・・」
「ふぅん、仲が良い夫婦ね♪」
どう見ても幼い夫婦にしか見えないリュートとシャン、そんな二人にヒミカは感想を言うが・・
「い・・いえっ!まだ籍は入れていないので・・」
「そうですよ!わ・・私達はまだ・・」
あたふたする少年夫婦、その光景はどこか微笑ましくフォンもにやりと笑う
「ふっ、とにかく、転送してやろうか。ヒミカ先生、お願いしてもいいですか?」
「はい〜♪ローエンハイツね、任せて♪」
ヒミカは協力してくれたリュートとシャンを送るためにアカデミー内にある転送室へと向かった
・・のだが、歩くたびに胸がポヨンポヨン動くのでリュートは目が釘刺しになり嫉妬に狂うシャンは彼の腕を抓ったりと
一悶着あったようだ

「・・・・」
「・・(カサカサ)」
「ふぅ、私も仕事に戻ろう。二人・・でいいか。ヒミカ先生が帰ってくるまで大人しくしておいてくれよ」
「「・・・(コク)」」
素直に頷く二人(?)、それを見てフォンもニヤリと笑い研究室を後にした

・・・・・・

「・・・・」
特にやることのないウィズダムとアニマ、ウィズダムは武器に馴染もうと剣を振ったりするがアニマは特にない
・・そして思い出したかのように自分と一緒に持ってきた魔石をウィズダムに見せた
「・・・?」
「・・・(コクコク)」
ヒダでうまく魔石を掴み促し、ウィズダムはそれを取り出した
戦闘データを封じた魔石・・彼にとっては有益ともいえる物。
それは胸部の装甲を抜けたメイン魔石に添えることで読み込みができウィズダムはありがたくそれを心臓部に添えた

「・・・!」

強烈な衝撃とともに彼の中にルザリア最強の男の格闘センスが刻まれていく・・のだが
「!!!!」
突如ウィズダムが苦しみ出す!
頭を抑え何を必死に耐えている・・アニマもそれにいち早く気付き彼女の頭にへばり付いてアクセスする

(・・どうしたのですか!?)
(こ・・この魔石を取り入れ、格闘データを記憶したのだが・・何だ・・この衝動は・・)
(しょうどう?)
(何故か・・人の女性と交わりを持ちたくなる・・・くっ・・バグなのか?)
(・・・・、それはクロムウェルさんの性格までデータになっていたんでしょう・・かね?)
(クロム・・ウェル?)
(その魔石のデータの元になった人物です。多少・・女好きですので)
多少なんてもんじゃないのだがアニマは敢えてそれを言わず・・
(くっ・・そ、どうすれば・・)
(もう取り込んでしまえばそれを消去するのは難しいですよ。我慢するしか・・)
(・・・、わ・・わかった。私は魔導機人・・・この都市の守護者だ・・人を、しかも女性を襲う等という愚行は・・しない!)
(気を強くもってください。それが貴方の強さです)

そう言うとアニマは静かに彼女から離れる・・、何とか落ち着きを戻したウィズダム・・人間が荒いを息をするかのような
動作をしている
そこに
「あらあら〜、どうしたの?ウィズダムちゃん♪」
ヒミカが帰ってきた・・いつもニコニコ笑みを浮かべている彼女
ウィズダムに擦り寄ってくる・・リュート達に感化されたのかなんなのか・・
そんなつもりは全くないのだが彼女には・・
「!!!」
頭の中にこみ上げてくる衝動を抑えたり・・
「・・どうしたの?何だか避けているようだけど・・」
「・・(フルフル)」
慌てて首を振るウィズダム・・しかしヒミカの思い込みは激しく
「う・・うう・・ウィズダムちゃんが私を避けている〜(シクシク)」
すぐ泣き出す・・、さらに慌ててウィズダムはヒミカの頭を撫でる
・・並みの人間以上の仕草だ
「ありがとう、ウィズダムちゃん♪」
慰めてもらったのを喜びヒミカはウィズダムに抱きつく
「!!!」(・・た・・耐えろ!衝動に負けるな・・)
「・・どうしたの?何か震えているわ?」
「・・(フルフル)」(くそ・・クロムウェルと言う奴め・・)
優秀な格闘データを手に入れたのはいいが同時に厄介なクセも貰ってしまい
舌打ちをする
それもそのはず、何ともなかったヒミカの抱きつき行為だったのだが今はその豊満の胸の押し付ける温もりが
彼女の思考能力を鈍らせているからだ
「・・・・」(耐えて・・ますね)
そんな光景にアニマはシミジミ・・っと
そこへ

「ヒミカ先生!ウィズダムの協力を!!」

慌ててフォンはやってきた・・!

・・・・・・・

彼が言うには魔術都市にはキメラが暴れ出したとのことだった
生物学科の生徒が先の「レイアード暗躍事件」を参考に優秀な生物を生成したらしいのだがあまりにも凶暴ゆえ制御できず
街に出てしまったらしい
警備兵で対抗しようにも相手は魔法を使い中々捕縛できない。我こそはと生徒が応戦するもことごとく惨敗していたり
そこでフォンは頼りになる戦士の元へ
「・・なるほど、またオイタしたのねぇ。ウィズダム・・やれる?」
「・・(コク)」
静かに頷くウィズダム・・、魔導機人ながら沸きあがる性欲を紛らわす良い機会・・だと
内心かなり燃えている
「キメラは排除していいんだそうだ。お前の存在を知らしめてやれ」
「・・(コク)」
静かに頷きウィズダムは得物を手に研究室を後にした
「・・何だか、様子が変だったが・・」
「ううん〜、わかんない」
彼らにはウィズダムの悩みはまだわかっていない・・

・・アルマティ市外ではフォンの知らせどおりに獰猛な生物が暴れていた
・だが人間を襲うというわけでもないらしくもっぱら露店の食物を食い荒らしていたようだった
その生物は目のない獅子のようで動きが俊敏・・さらには四足に電気を帯びているところを見るとそれを放電するらしい
GAAAAA
咆哮を上げて食べ物を食らい尽くすキメラ
「畜生!俺の店を・・!」
「誰だ!あんなものを放した野郎は!!」
「そんなのは後だ!何とかしないと飯が食えねぇぞ!!」
迷惑千万な商人達が怒りながらも何もできずにいる
・・造り出した本人が鎮めるのが筋なのだが体に刻まれている生徒番号の人間はどこかに逃げたらしい
警備兵はすでに住民の避難をさせキメラと対峙しているのだが・・
仕掛けるに仕掛けられない
そこへ

ドガッ!!

矢のような勢いで一人の戦士が突撃する!
GAAAAA!!!!!!
完全なる不意打ちにキメラは見事に転げまわった
そして雄々しく立つ鋼鉄の騎士ウィズダム。

(私達の初戦・・ですね。気を引き締めていきましょう)
(ああ・・、この鬱憤・・晴らさせてもらう!)

一気に突っ込むウィズダム、その踏み込みは正に一流の戦士のそれ
!!!
ランチャーソードを振りかざしキメラに切りかかるのだが、キメラはそれを予測するかの如くに跳躍し一撃を回避する
(ちっ・・、獣にしては俊敏だ)
(キメラに組み込まれた感覚機能のためなのでしょう。直接攻撃に特化したキメラのようです)
(ならば・・奴の反応を超えるまでだ!)
そう念じランチャーソードを構え魔法弾は撃つ!閃光がキメラを捕らえたが障壁を張っているのか魔法弾は軌道を変えて
道路に着弾した・・
それでは・・っと今度はストームスタンダーに内臓された射撃槍を射出、それは魔法弾が外れてからコンマ数秒の反応・・
見事なセンスを見せている
!!?

ドス!ドス!!

腹と肩に槍が食い込みキメラは聞きなれない絶叫を上げる
周りはウィズダムの戦いに見惚れて呆然・・っと魔導機人の存在はアルマティでも話題に昇っていただけに
流石に不思議がる人間はいないようだ
(さらに・・!)
投擲用の鋏爪を射出・・槍の攻撃で動きが鈍ったキメラはそれを回避できずに鋭い爪が肉にシッカリと食い込んだ・・
ウィズダムはそれを確認してからストームスタンダーを思いっきり引っ張る・
GUGAAAA!
その力にはキメラも勝てずに巨体が宙を舞った
そして同時にウィズダムも高く跳躍してキメラに回転踵落とし!

ドガ・・!!

鈍い音がしたかと思うとキメラは垂直落下・・道路に頭が陥没した
(・・クロムウェルという奴・・スケベでどうしようもないらしいが・・センスはいいらしい)
今の踵落としは彼のモーションから・・、その威力にウィズダムは彼を認めざる終えなく・・
(射撃槍と鋏爪、さらには強力な蹴りが入りました・・もはや致命傷です)
アニマも冷静に事態を把握する・・だが
GAAAAAAA!!!
キメラは勢い良く飛び上がる・・全身血まみれで体には激しく放電している
少し距離を開けてウィズダムが着地しその様子を伺う・・
(・・逆上して持っている放電の力を放射しているようです・・これでは周囲の被害が広がるばかりですね)
(見たところ・・防御壁にもなっているようだな)
(・・ええ、それも強力な・・これを造った人は一体何を考えて・・)
その気になれば町ひとつ滅ぼしてしまいかねないほどの力を発しているキメラにアニマは困惑する
(造り出されてしまった以上は仕方ない、せめて消滅させてやらなければな)
(了解です・・では・・)
ウィズダムの頭部に魔方陣が展開する
アニマが詠唱した魔法・・それと共にウィズダムの周りに風が集まり出す
(私のご主人様から授かった魔法です・・物体に風の力を込めて真空球を作り出すことができます。これをランシャーソードに施しました・・)
(わかった・・!)
そう言うとウィズダムは大きく歩幅を広げ風を纏ったランシャーソードを構える!!
(望まれぬ命よ・・この地に貴様が住まう居場所なし!)
気合とともにウィズダムは雷のヴェールに突っ込み出す!
(乾かず・・飢えず・・無に帰れ!!)

斬!!

雷に身体を焼かれてもお構いなし、ウィズダムはそのまま突っ切りランチャーソードの刃をキメラに突き刺す
GAAAAA!!
悲鳴を上げるキメラ・・しかしウィズダムは一向にお構いなしにそのまま突き上げ天高く飛び上がる!
(アルティメットストレイク・・・昇華!!)
アニマの叫びとともに真の魔法が発動!

閃!!

閃光とともに剣より白みを帯びた球体が発生され・・キメラを包んでいく
球体の中ではキメラの体は細かい粒子と何数秒で塵一つ残らず消滅していった
・・そのままウィズダムは超跳躍のまま塔の側面に着地!
(任務・・完了・・!)
決めなポーズを作りアルマティの街見下ろすウィズダム・・それは正しくアルマティの守護者
事件に巻き込まれた商人達はその光景を見つめていた

・・・・・
・・・・・
・・・・・

そこはアカデミー内でも立ち入りが禁止されている箇所・・
「・・それで、問題の生徒は・・?」
「排除しました。街にキメラを放して自身は逃げているのですからな」
老人らしき声が飛び交うがその部屋は正しく暗闇・・薄暗い明かりが頬ぐらいまでなんとか照らしている
「仕方あるまい、それで・・キメラの始末したのは鋼鉄の戦士だったとか・・」
「はい、調べてみますとあの『光晶の法王』が残した魔導機人のようでした」
「・・あの小僧か・・、今は・・」
「炎力講師研究室のヒミカ=ウェスティンの元で居候をしているようです」
「・・意外だな、その存在が獅子身中の虫・・とならなければよいが・・」
「では・・」
「放っておけ・・。我らが計画の障害にならば・・ウェスティン氏には・・贄になってもらおう」
「御意・・」
「機械仕掛けの戦士か・・」
静かにつぶやく老人・・やがてその部屋は静寂が包まれた




一方
「・・クロムウェル、アルマティに行ったアニマから手紙が届いたんだけど・・」
「アンジェリカ・・おう、確かアルマティに単身赴任だってな・・でっ・・何か書いたのか?」
「『この変態野郎』ですって」
「なんでやねん!!!」
・・彼が一番の被害者なのかもしれない


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