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「特攻チーム『ウィズダム』」


GyaOOooooooh!!!
晴天に、全くそぐわない怪鳥が一体奇声を上げながら舞う。
それをいつくもの光弾が襲い掛かるが、掠ることなく後を抜けていく。
怪鳥はアルティメットウェポン劣化コピーとも言えるキメラウェポンが一つ。
そして、それを攻撃している魔導機人ウィズダム。関して詳しい説明は克割。
魔導砲剣「ストームセーバー」が負担にならない程度に先程から
屋台強襲に騒音の元凶を攻撃しているのだが・・・いかせん、相手は
翼竜(テプラノドン)の如き姿の癖に大空の覇者にたがわぬ動きを見せる。その上
 (・・・、きますっ!!)
一旦空で停止した怪鳥キメラウェポン(以下テプラノドン)は滑落の勢いを増し音速突破に
轟っ!!!
 (っ!!!)(ひゃぁ!!!)
その衝撃波が、ストームセーバーと撃構盾「ストームスタンダー」で咄嗟に身を庇った
ウィズダムを、その頭に兜状に装着している魔法生物アニマに悲鳴を上げさせ吹っ飛ばす。
否、ウィズダム己から瞬間に足を浮かし衝撃波の波に乗ってダメージを逃した。
だから地面を爪先で削りながらも地に伏すことなく立ったまま持ち堪え、構え直すのだが
 (今の攻撃、次は持ちませんよ!)
 (分かってる)
GyahGyahGyah!!
 (・・・、笑ってる?)
 (・・・多分。)
 (さっさと叩き潰しましょう!!!)
 (熱くなると冷静な判断が出来なくなるかと・・・)
 (大・丈・夫!!)
 ウィズダムの肩当のパーツから出た数刃の魔導飛翔刃『ゴーストクリスタル』は、
・・・、Gyah?
フワフワと空を舞い、敵意を見せる事無くテプラノドンの周囲に取り付く。
其処にウィズダムの光弾が撃込まれるが、当たる事無くヒョイヒョイと避けられる
ドンっ!!
Gyaaaaah!!?
が、そのテプラノドンの背後より奇襲で命中する光弾。 それは一度避けたはずも
魔導飛翔刃によってリフレクトされたもの。しかし有効打にならず体勢を崩すのみ。
それでもテプラノドンは魔導飛翔刃と反射した光弾の包囲の中で逃惑う。
それも不意に止みテプラノドンが見下ろせば地上では
ストームスタンダーを地に付き立て、核クリスタル剥出し仮想砲身展開で既に
フルバースト発射体勢の光灯るストームセーバーを両手持ちで構える魔導機人の姿が。
テプラノドンが慌て必殺の音速衝撃波を放とうとするが
ドンっ! ドンっっ!! ドンっっ!!!
Gyaaaaah???
反射の繰り返しで既に霧散したはずの弾がテプラノドンの背後より再び強襲。
魔導飛翔刃に一発だけどいえど光弾を発射できることが分かった時には既に時遅し。
 (この地に貴様が住まう居場所無し!!)
 (乾かず、飢えず、無に帰れ!!!)
そして、光の剣が蒼空を薙いだ。


 そこは、この世でもあの世でもない作られた世界。 そこに舞い降りる燐光と共に
フレームが出来、次第に描写がハッキリとリアライズするもの二人。
一人は妖艶に蟲の躯の様なハイレグレオタード状の衣装を纏った豊満な女性的肢体の美人。
この顔を知る者は「アンジェリカ?」と思うだろう。比べてやや純な感じが強いが・・・
もう一人は、メタリックなハイレグレオタード状の衣装で甲な四肢の美人。
コチラは目付きが鋭い凛々しい騎士な感の上に女性的には哀しい胸である為、良くも悪くも
中性的に、「ヒミカの、妹さん?」と答えが出るだろう。違って肌は色白だが。
二人はさて置き、次いで更にその世界へリアライズするものが数人。
アルマティ警備員フォン,魔導士学生リョーマに、何故かモノリスでSOUND ONLY表示の者。
因みに、リョーマとは『潜入、魔術都市』でディを探し烈火の法王が呼んでる事を
伝えた者である。 自称「劣等生」であり、痒いところに手が届く性分であるため
雑用を任されがちではあるが、中々芸が細かくこの世界『仮想現実空間』とココに
精神潜入して会話等をする事等が可能な魔法『チャット』を提供した中々の者である。
ウィズダムとアニマが人語を解する人に劣らぬ知性を有していても会話できないので
その対策としてココで作戦会議することとなった。
そして先の二人の美人こそ、この世界における精神的イメージ 擬人化された姿である。
そのため、その姿は最も世話になり精神に影響を与えた者に似てしまったのだろう。
アニマはアンジェリカに、ウィズダムは炎術講師ヒミカに
名目上ウィズダムの主であるヒミカもココに入る資格をもっているのだが、
話がややこしくなるだけなので呼ばれていない。 そして烈火の法王リーは現在
魔術都市アルマティより離れた地にいるので、モノリス姿のSOUND ONLY状態でココにいる。
核であり『仮想現実空間』そのものとなるキューブから離れるほど情報伝達量が少なくなり
タイムラグも多くなってしまうのが『チャット』の欠点であるが、
それでも便利である事には違いない。 それはさて置き
リー  「なんだ、またキメラウェポンが暴れたんだってな」
リョーマ「はい、今月に入って既に三体目。蛇に亀に・・・今回は怪鳥です」
フォン 「破棄してもウィズダムが処分してくれると思っているのかそれとも
     何らかの企みの一環か・・・」
アニマ 「蛇は力、亀は防御力、怪鳥は機動力とですね」
ウィズダム「・・・・・・」
フォン 「丸で往年の変身仮面騎士英雄譚みたいだな(溜息」
リョーマ「兎も角リー先生、ストームスタンダーの射撃槍とゴーストクリスタルのビット
     発注を御願いしてもいいですか? もう、在庫が少ないもので・・・」
リー  「なにぃ!!? いよいよもって陰謀臭ぇな。 確かに発注はやっとくぜ。
 新ネタ諸々間に合えばいいんだが・・・」
ウィズダム「???  何であれ、私が出来ることは戦うことだけだ」
フォン 「そう考えるな。確かにディ君は君を守護者として造ったが、それだけを
     求めていないのも事実だ。 戦いは私達も全力でサポートする。」
アニマ 「・・・、くどいてもこの姿は擬人化したもので、本当の姿じゃないですよ」
フォン 「・・・・・・( orz」
リョーマ「擬人化のその姿だけじゃなく性格も似てきましたね。
アンジェリカ先生に・・・」
アニマ 「・・・・・・( orz」
ウィズダム「???」
リー  「オチもついた処で俺はこの辺りで抜けるぜ」
そしてSOUND ONLYなモノリスが空間で霧散していった。
この後、若い者達は『チャット』だけに談話で盛り上がり、察したかヒミカも乱入し
仮想空間だけに様々な衣装を持ち出して(?)さらに賑わったのはいうまでもない。


今や度々現れ騒動を起こすキメラウェポンを退治するウィズダムに勝負を挑む者は
もはや無きに等しい。キメラウェポンに手をこまねくしかない者がソレよりも強い
者に対し勝算がないのに喧嘩を売るほど無謀ではないのだ。
そう、彼等がウィズダムに向ける視線は合いも変らず、疎ましく敵意に満ちている。
ウィズダムに護られている意識など微塵もなく、寧ろ禍と呼込んでいるとすらまで。
迷信を否定し理を知る魔導士集団の癖に。 だから、齎されたその一報も横柄に
「郊外に変なキメラが立っているから、さっさと始末しろよっ!!!」
フォンは煮えくり返る内を隠し、通報が直接ウィズダムへ向かわずに良かった
とも思いながらそのキメラを確認し、ウィズダム達の元へと向かうのだった。
今までの如何にもプロトタイプが逃げ出した感と異なり、今回のものは
サイズはウィズダムより二回り大きく、それでも今までのモノの半分で
悪魔的な顎を持つ顔,洗練された痩躯に鋭利で狂暴な剣を思わせる爪を供えた四肢
背には龍を思わせる実用的な大翼、身体を解す動作以外無駄な動きのないそれは
獣よりも武人として「ウェポン」に相応しい。
ウィズダム到着に、ソレは礼儀正しく一礼。ウィズダムが戦闘態勢を整えるのを待ち
瞬間
 (来たっ!!?)
 (っ!!!)
鋭い踏み込みで振るわれる剣爪をストームスタンダーで防ぎ
揮われたストームセーバーを剣爪が受け止め鍔競合い、両者の蹴りがぶつかり
生まれた衝撃波で両者が距離を取るまで一瞬、正に戦士の邂逅。
 (あれの体術・・・)
 (・・・ああ、私のものと同じだ)
 (今までの戦いから盗まれましたね・・・)
 (・・・だからといって負ける道理は ない)
両者演舞のようにその場で空を斬ってみせ、その上で刃を交えるのだった・・・
近接では剣と体術で競り合い、遠距離では魔法弾の応酬。
 (攻撃魔法のバリエーションは同様・・・)
 (・・・腕力は向うの方が上、攻撃力はこちらが上)
 (コレ明らかに今までとは違う。)
 (・・・感じからして、対ウィズダムさんという事ですね)
ふたりとも人造のものであるため汗を流すことはないが、もし汗を流せるのなら
その脅威に冷汗を滲ませ身体を戦慄かせていたことだろう。
それでも引くわけにはいかない。許してくれるとも考えられない。
数度の攻撃の交わりで両者の間にあいた距離に、そのキメラはゼスチャーで語る。

次は、己の最大の攻撃から始めよう。
 其処までの知性があるのなら、この戦いに意味などないことが分かるだろう?
意味ならある。貴様は守護者、俺はその貴様を破壊するためだけに生出されたもの。
 ・・・・・・
これ以上の意味はあるまい。我々は出会い、残るのは一人・・・

構え力を溜込んでいくソレにキメラとは思えないほどの闘気が満ちオーラが溢れる・・・
こうなればウィズダムも戦わざるえない。戦場で迷いが死(破壊)につながる以上。
ウィズダムの闘志にジャレネーターの出力が超高回転に上がり、オーラな陽炎が生じる。
キメラを取り巻くオーラが風を巻き、その姿を覆い隠す竜巻となる。
その回転が最大となった瞬間、それはドリルとなって前へ
対するウィズダムはストームセーバーを振り被り持つ腕に力を込めながら駆け出し、
スラスター全開で直ぐトップスピードへ。 そして両者激突に爆発が生じ・・・


 (っ、私がフリーズしていたのは!!?)
 (数える事ほんの数秒です。大丈夫ですか?)
 (・・・ストームセーバーと腕を持っていかれた。
 身体もガタがきて出力50% ・・・アレは?)
アニマが示した先には、今だ立つキメラが。それでも流石に健在でいるわけでもなく
胸にはザックリと袈裟がけに裂傷が。流れる蒼の血がその重傷度を語るが
泡吹き癒えはじめた傷をみれば、それもあてにはならない。
 (測定予測エナジー量は最初の40%です)
 (御互い大技は使えず、撃合いで雌雄を決する!!)
守護者とその天敵たる存在、両者に和解はありえない。
撃ち出す隻腕のウィズダムにキメラも応え己が攻撃を撃合うのだった。
キメラが揮う刃を、ウィズダムはバックステップで回避し爪展開ストームスタンダーで
突くがバックステックで回避されるも更に射撃槍射出でキメラを貫通。
動きを封じるにまでに至らずキメラ反撃、ウィズダムは上げ斬りを横に避け回避し
振り下ろされる刃をバックステップで回避しようとする が
更に伸びて頭を唐竹割に狙う刃に、咄嗟にストームスタンダーで受け止める。
その勢いに、ウィズダムの膝が僅かに折れ腰が落ちる。そして突き上げる衝撃
 (っ!!?)
 (如何しました!!?)
 (・・・アニマ、頭部装甲化解除)
 (え?)
 (早くっ!!)
 (は、はい)
訳を聞く間もなく圧されたアニマは兜状からアルマジロ状へ一転に、
そのまま落下の勢いで彼方へ転がっていってしまった。
何故、ウィズダムがアニマに離脱を命じたのか。それは、振り下ろされた刃を
ストームスタンダーで受け止めた際にそのもので死角を作ってしまい接近を許し
下から振り上げられた狂刃によって股間から貫かれてしまっていた。
人なら鳩尾僅か下辺りに刃の先端を覗かせて。そして、持つ力にウィズダムの身体が浮く。
勝利の予感かキメラの、盾で受け止める刃に力が篭りウィズダムを動かさせぬ一方で
股間から腹まで貫く刃に力が篭り、メキャメキャと音を立てつつ次第に太くなっていく。
ウィズダムの主装甲とメインフレームは兎も角、間接部や内部機関の強度は如何しても
劣らざるえない。内部機関が傷つけられ低下する出力に、盾を弾かれ
力なく垂れ下がった四肢は木偶の坊みたく漏電にビクビク痙攣するのみ。
ウィズダムのメインフレームは人の骨格に近似している。人の骨格 腰骨は外と上からの
力には強度を誇るのだが、内側から広がる力には脆い。女が子供を産めるように。
だから太くなる刃に股関節は外れ、恥骨が外れ、拡張していく内側に
不協和音を奏でながら表面装甲の合わせ目が広がっていく。 そして、とうとう限界に

ウィズダムは上半身と、

脚各々二本と、

零れた無数の内臓機関の欠片が

光る液体をまいて地に散った。

・・・・・・それでも、ウィズダムの指先は地面を掻いて何かを求める。
それがウィズダム自身の意思か、漏電の断末によるためか第三者に区別はつかない。
見下ろすキメラがウィズダムへトドメを刺そうと刃の腕を振り上げ・・・
べちょ
・・・・・・
瞬間、キメラの顔に張り付き闇を齎すものが。他にもポカポカと頭を叩く感触に
ずんむ と掴んで引き剥がすとソレはダンゴ虫なアルマジロ アニマ。
キメラは一考にポイッと地に捨てると球状に転がったアニマを一蹴。
 (きゃー―!!!)
何処か彼方へ跳んでいってしまった。
今度ことトドメを刺そうとキメラがウィズダムを見下ろし剣腕を振り上げるが・・・
・・・ぜんまいが切れた人形のようにピクリとも動かない魔導機人へ一瞥をくれると
踵を返して場を去るのだった。

大破に、行動不可能となったウィズダムはそれでも完全に機能停止までには至らず
今まで全ての記憶がランダムに読み出される一方で、視界に入る風景をただ見ていた。
何て事はない。ただ戦いに破れ、壊れ、機能が停止し、消滅するだけである。
と、視界に何かモゾモゾと動くモノが。
そのモゾモゾと動くアニマは、地に伏したままのウィズダムに近づくとツーツーと交信
・・・しているが、それを理解するだけの力はもはや残されていない。 不意に
アニマが何かに気付き、それに対しキシャーと威嚇する。身体にパリパリと稲光まで発し。
しかし、それはそんな事を意もせずアニマを押し退け、ウィズダムを覗き込み
掛る影に、遂にウィズダムの意識はプツンとシャットダウンした・・・

そのキメラとウィズダムの戦いは、突如各処に現れた魔導パネルによってアルマティ中へ
その一部始終が流され、ウィズダムの敗北と共に何者かの影に変わると、
その影の者によってレイアードによるアルマティの支配が宣言された。 それと共に
魔術都市各処に現れたキメラウェポン 否、各種生物融合のアルティメットウェポン。
魔術都市アルマティの魔導士の大半が、碌な抵抗をすることもなくあっさりと
レイアードの軍門に下った。彼等にとって魔導士の栄誉を得られれば何も関係ないのだ。
もしくは抵抗など端から無駄だと解っていたのかもしれない。
残りの半分が戦いを仕掛け、アルティメットウェポンの前に消炭、もしくは肉片と化した。
そして残りは・・・魔術都市アルマティより姿を暗ました。
アルマティより逃げ出したわけではない。転移の魔導はウィズダムの戦闘が始った時点で
封じられ、島には内から外出不可で外から不可視・不入の結界が張られてしまっている。
アルマティの技術とエネルギーを用いた超強力なものが。
しかし、アルマティ上より忽然と姿を消した者に気付いた者は誰もいなかった・・・




蒼天の港街ローエンハイツ
その海岸に地平線の彼方を眺める一人の少女の姿があった。それは珍しく銀狼の獣人で、
紅に黒飾縁取の和服らしき衣装の腰には刀を帯び、手にも等身以上の大太刀を持っていた。
それは正しく、武士の娘か、巫女か・・・りんとした雰囲気に、何者も近寄れない
と、思いきや、時折クアアアァァァとコけるような大欠伸かましてくれちゃったり。
その彼女が何をしているのかというと、彼女が海岸に立って一刻ほど突如その前に
空より手に法杖をもつ蒼い法衣の少年が落ちてきた。否、舞い降りたといった方が正しい。
慣れた軟着陸に、紅の銀狼少女と蒼の法衣少年は顔を見合わせ頷き、駆け出すのだった。
二人の向かった先は安宿の一室。待っていたのは犬の少年と武闘服の老人+α。
「やぁ、久しぶりディ君,ルナ」
「久しいな、『光晶』の,銀狼の娘さん」
「・・・・っ!!」 おひさしっ!!
「皆、お久しぶりです。 ・・・『光晶』の?」
 「がぅ・・・・・・」 私だけ呼び捨てかよ。 犬、いい度胸だ。
「正式公認でない無冠とはいえ、あれだけの事を成したお前に付けられた法王の字よ」
「何か鬱陶しそうですねぇ・・・あ〜〜、そこ、もめないで。本題に入りましょうが」
「・・・おうよ。大方は手紙の内容通り、これが例の処に残っていたメモの写しだ」
三すくみ状態となったルナ,リュート,フィアラルを嗜め、法王二人が話し合いに
『烈火の法王』リーが『光晶の法王』ディオールに手渡す一枚の紙には
『魔導機人、大破。 兜蟲、共々行方不明。
裏魔法都市、占拠。各種 極魔生兵 数体、跋扈。
癒系炎術女講師、拉致。 生贄?
魔導都市、結界、覆。 立入不可。
追、調査、報告。 劣等生 警備員、出、烈火』
「・・・なるほど、『魔導都市、結界、覆。 立入不可。』というのは手紙に、
今しがたの偵察と一致しますね。何度も島が該当する場所を通り過ぎましたが
モノの欠片も引っ掛かりませんでしたよ・・・」
「・・・可愛い『子』が危機だというのに、よく冷静でいられるもんだな。」
「焦った処で如何にもなりませんからね。出来る事を出来る内にやっておかないと。
多分、魔導機人・・・ウィズダムは機能停止してしまっているとは思いますが、
信じてますから。 心無き都市(まち)に住む、シタタカな志ある連中を。
・・・魔導機人は確かに、僕がいなければ生まれることはありませんでした。
しかし、たった僕一人で創り上げた 創り上げる事が出来るものじゃないんですよ」
「「「「???」」」」
「例のに伝言御願い出来ますか。内容は
『我等、今、立入不可。 行方,拉致目的,結界源 各調査、至急 求。
魔導機人、超装備用意。打開策、与。 光晶 烈火、出、劣等生 警備員』」
「おうよっ!!!」
「さて、これから忙しくなりますよ。
僕とリュート君で結界突破の為に戦術装甲『ストームブレイカー』の改良。
リー先生とルナにはその間に助っ人を探しに行ってもらいます。」
「うん。」「がう」「・・・(らじゃー」
「ちょっとマテ」
「何ですか、リー先生」
「ディが、ウィズダム復活も前提に計画立てているのはヨシとしよう。
だが、助っ人を探しにってーのは? 派兵要請は無理としても
ディの処から騎士の一人や二人ぐらい・・・」
「派兵がこの場合、他国内政干渉の侵略行為になるのは当然として、ウチの騎士に
助人を求めてもそうなります。そうなったら真龍騎公はアルマティを滅ぼします。
必要ないですから。 リー先生が直接頼まれて巧く誤魔化す事が出来たとしても・・・
あの人は要求するでしょう、リー先生が学長に成る事を。
僕は一応アルマティに関係があるので、希望都市関係なく友人として手助けできますが」
「・・・・・・。 ・・・、ルナ嬢ちゃんは?」
「わう、ルナ、ディの保護者」
「だ、そうです。まぁ、ルナは有休たまりまくっているんでその消化もありますが・・・」
「わかったわかった。助人は知合いに頼むとするぜ。その問題は由として
何でウィズダムの追加武装にそんなに詳しいんだ、ディオールよぅ。」
「ストームセーバー,ストームスタンダー,ストームブレイカーの設計だけは
先に僕がしましたから。 リー先生が出向いて発注される前に・・・」
「道理で、紹介の割に手際が良かったわけだな。
残るは、ルナ嬢ちゃんが魔導士相手に何処まで通用するかだが・・・」
「多分リー先生が助人に呼んできそうな人も含め対魔導士戦では最強ですよ」
「ほほう、言ってくれるな・・・」
 「・・・(くあああぁぁぁ」

場所変わり、砂浜に距離を取って立つのは烈火の法王リーに銀狼闘姫ルナ。
その二人から更に離れて2人+αが見物しているのだが・・・
「さて、と、遠慮なく此方からいかせてもらうぜっ!!!」
年甲斐もなく小娘相手に本気に烈火の法王リーは、構え腰溜めの拳に篭る力
突き出し拳より開く掌に、幾重も生じた火炎弾がルナへ襲いかかる。
 「・・・銀狼闘姫、シフォルナ、参る!!」
左手に狂戦鬼の大太刀を持った侍娘は駆け出し
振るう破魔の力宿った刃によって迫る火炎弾を斬裂き霧散させ、前へと抜ける。
「ぬぅ、子供とはいえやるじゃねえか。でも、これならっ!!!」
大人気無いココに極まり、特大火炎球を作り出したリーはそれをルナに一投げ
 「っ!!?」
後十数歩まで近づいていたルナは避ける間もなく爆炎に包まれ、リーの処まで爆炎が
「これは・・・やり過ぎちまった(汗」
 「がうっ!!!」
気付けは既に爆炎斬りぬけ目前に、大太刀を砂地に突立て捨て腰低く
腰に刺した刀の握りを右手に居合い構えのルナが
「しまっ」
 「覚悟」
抜き振れた刃は抵抗許さず老人の腰を瞬斬っ!!!
「幾ら・・・俺が大人げ無かったたぁいえ・・・本当に斬らんでも・・・
・・・、・・・、・・・ありゃ? 腰が軽い?」
 「わん、腰のコリ、斬った」
その斬撃に死を覚悟したものの、異様な腰の軽さにクネクネと変態老人っぽく
リーが尻を振りつつ眼で尋ねる先は決着が着いたとくるディ達。
「ルナの其の刃は身体の異常を改善することが出来るんですよ。良かったですね。
僕なんか開始早々に真破魔咆哮かまされて身動きが取れない処に
サクサクと気を弄り突き斬られて・・・(泣」
何か無邪気に一人はしゃいでいるルナを脇に、リーとリュートは同情の眼差しで
ディの肩にポムっと手を載せるのだった・・・・・・




再起動して、意識を取り戻し視界に入ってきたのは見知らぬ天井。
とりあえず身体機能走査した結果は、内臓機器の修理は既に成されているものの
それは剥出しに腰から下は存在していない状態。
 (ココは何処だ? 私は一体・・・)
「おはよう、ウィズダム」
 (っ!!?  何者?)
「まぁまぁ、俺達の事より機能の調子は如何だい? 修理中だけど・・・」
 (何故私の考えている事がdrftgyふジこlp;@:)
「あ〜〜、はいはい、落ち着いて。
ほら、コレで思考が表示されてるようにしてあるから」
 (・・・・・・・・・・)
「つくられてこんな僅かに、混乱するまで心が成長するとは。
・・・でも、これでディ氏の理論が一つ証明されたわけだが。
完全なモノより不完全なモノの方が、その欠けた部分を
補うために成長が促進されるという明らかに言訳臭いアレが」
「「「「「・・・・・・(ごにょごにょごにょ」」」」」
 (・・・あの、もしもし? すみません、事態が見えないのですが?)
「ああ、すまないねぇ。ええっと、事情の説明?
君が対魔導機人用キメラに負けて大破。 んで、レイアードの連中の前に
私達が君を回収して、現在修理中と。君が意識を取り戻したのはアレだろうね。
検査用バッテリーに繋いでるから『脳』を動かす為に十分なエナジーが供給された。
メインジェネレーターが止まってるから、まだ身体は動かせないはず。
そしてココは魔術都市アルマティ地下奥深くに広がる、良からぬ事を企み散ってイッた
魔導士達の残したアジトが一つ。 地上はレイアードの連中が探し回ってるからね」
 (それは・・・ありがとうございます。 貴方達は?)
「君を造ったのはディオール氏一人ではないということだ。
確かにディオール氏がいなければ、各技術を結集し君を造る発想はなかった。しかし
我々にも、我々がいなければ彼でも君を造る事が出来なかったという自負があるっ!!」
「つまりは、そういうこと♪」
 (それは・・・。 アニマっ!!?)
ウィズダムが思い出したその存在に、皆が皆して気まずく圧し黙る。その重さは・・・
 (アニマはっ!!? アニマはああああああっ!!!!)
ガタガタガタガタっ!!!
繋がれているのが検査用バッテリーにも関らず、ウィズダムの腕に力が漲り
その身体が置かれた作業台そのものが激しく揺れる。
何故なら停止していたはずのジェネレーターが赤く発熱するほど駆動し・・・
「まて! まて!! まて!!! アニマってアルマジロな魔導生物なら無事だから」
 (無事なのか? 何処に?)
「あ〜〜、無事なものは無事なんだけど、今のアレであわせるのはちょっと・・・」
 (・・・アレ?)
「「「「「アレ・・・」」」」」
と、そこへ新たに派手な気配と共に
 「ウィズダムさんが意識を取り戻したって!!?」
近づいて覗き込み、視界に入ってきたのは兜からオレンジ色のウエーブ髪を溢す碧眼美女
 (・・・ドチラさまですか?)
 「私ですよ、私。アニマです。」
 (でも、その姿は・・・アンジェリカさん・・・なのでは?)
 「ほら、ここ」
と、アンジェリカそっくりな美女が指差した先には兜の飾眼。
それがつぶらに輝き、ウィズダムの視線と絡み・・・それは確かにアニマ兜状態。
 (???  如何いう事、ですか?)
 「この身体は、其処のバカな人間の男が造ったダッチワイフの義体なんですよ」
と、アンジェリカに劣らぬ冷たい眼を向けた先には先程ウィズダムと話していた魔導士達。
その半分が耐え切れず明後日の方向へ眼をそらしてしまった。
 (・・・・・・)
 「因みに、中に入っていたHテクニックのデータは残らず消去したのであしからず♪」
「そんなぁん!! 長年苦心の末に作り上げた心のオアシスがぁ(泣」
 「造ったのは手前かぁっ!! 其処になおりやがれぇっ!!!! (ゲシゲシガスガス」
「ああっ、これはこれでっ、モノ本のアンジェリカ様に罵られているみたいで、エエぇぇ」
 (・・・・・・)
 「この系の義体も全て、没・収!!」
「そ、それだけは御勘弁をおおぉぉぉ」
アニマ・アンジェリカ体と世話になっていたであろう魔導士数人の漫才に取り残され
ウィズダムと残された魔導士は呆然。・・・それでも
「ところで、ウィズダム」
 (はい、何でしょう?)
「今のこのボディはボロボロ、使われてる技術も高度で修理に手間がかかるわけだが」
 (すみません、お世話になります)
「そこで提案があるのだよ。折角だから此方の白肌貧乳ヒミカ先生義体に乗換えて」
 (・・・・・・、さっさと修理しやがれ、コノ、バ・カ・野・郎)
「そう言わず。 主核魔石を乗せかえるだけの簡単な作業で」
 (ブっ・飛・ば・す・ぞ、コ・ン・畜・生・メ)
 「・・・その役目、私が(ニヤリ」
「っ!!?」
その魔導士の背後には四肢に鎖電を纏わせたアニマ・アンジェリカ体が。
そして同類と見られたくなく距離を取っていた他の魔導士達とウィズダムの前で
繰り広げられる阿鼻叫喚の折檻地獄・・・ならぬ天国。
折檻を受けていた連中の顔はそれでも至福の笑みに満ちていたとか・・・




港街ローエンハイツ、その鍛冶屋の一つを二人の少年が占拠していた。
正しくは一月分の稼ぎを優に超える魔石を叩きつけ借り受けて・・・
そこに届けられた一通の手紙の内容は、魔導術式と認証暗号。
素人が見ても内容は理解出来ないだろう。プロでも殆ど欠けてるそれでは使物にならない。
でも、その少年達のうち一人は術の行使に必要な術式を既に持っていた。
「リュート君、ちょっと見てくるよ」
「うん、いってらっしゃい」
相方をリュートと呼んだ少年 ディは隣室へ其処の椅子に腰掛けると黙祷に術を行使。
一瞬の浮遊感の後に落下感に襲われ直ぐに何処か到着で、闇の中に線が引かれ
次第に風景が造られて其処が一室に。ついで降りてくる何者か。それは烈火の法王リー。
「早速か。」
「早速ですよ。」
「コレが新たなメモだ」
『・行方、地下。 抵抗組織、有。 詳細調査中。
・拉致目的、極魔生兵 母胎部品。 多分、魔術院塔最深部。
幸、関 論文記述 準備時間要。心 消耗 為。
・結界源、魔術院塔頂上。 見張、極魔生兵複数。接近不可。
  劣等生 警備員、出、烈火 光晶』
「・・・、返事は僕が書いていいですか?」
「おうよ」
『了解。 抵抗組織、魔導機人、接触、急。
超装備、改良順調。
調査、無茶、否。慎重注意。健闘、祈。
烈火 光晶、出、劣等生 警備員』
「・・・、因みに、出来た装備はどうやって結界内に送り込むんだ?」
「それに関してはイイ案があります。アルマティの座標もわかってますしね。
僕も質問がります。 この『チャット』の術には核となる『サーバー』が
必要なはず。 アルマティが封じられてるのに、何で使えるんですか?」
「ああ、それは『サーバー』となるキューブがアルマティの外、海底深くに
設置して、ケーブルをアルマティまでとかに引っ張ってあるからだ」
「へぇ・・・」
仮想現実空間における法王二人の相談は必要最小限で終えるのだった・・・・・・



数日の連日連夜強行軍によってウィズダムの身体は元通りに復元されていた。しかし
 (・・・これではアレに勝てなかった)
 「そうです、パワーアップできないんですか?」
「このサイズではコレが限界だよ。極め尽くされてるからね、
素材的にも能力的にも技術的にも」
「かといってサイズを大きくすれば、如何しても敏捷性が失われる・・・」
「行き着く先は、戦うことしか出来ない怪物。」
「ウィズダム達の能力ならば、アレは勝てない相手でもなかったんだけどね」
 (・・・・・・)「・・・・・・」
「結局は心の強さの問題か・・・」
 (ならば話にならない。私には・・・)
「心が無いとはいうなよ。コレですら心があるんだから。少なくとも俺は」
と、その魔導士が示すのは己の頭の上に乗っている鼠型魔導機使魔。
それが、いやぁ参ったなぁ と言った感に己の顔をクシクシと掻く事をみれば・・・
ここ数日でウィズダムとアニマが分かった事だが、ココに集った魔導士達は
ディに劣らぬくらいに優れた才能,眼をもっている。
ただ、それを消して余りある困った性癖,野望等故に日陰者なのだが。
「まぁ、何であれ当分養生するといい。修理が終ったとはいえ慣らした方がいいから」
「地上はレイアードの連中が占拠しちゃってるし」
 (・・・、何?)
「あれ? 言ってなかったっけ?」
 (其処までは聞いてない。レイアードの連中が暗躍しているような感じで・・・)
「アカデミー塔まで占拠されちゃってね、いる魔導士は奴等の言う通りに
アルティメットウェポンを始めとした兵器を造るための要員をするか、養分になるか」
 (ならば、ヒミカ先生達は・・・)
「あ〜〜、ゴメン。俺たち直ぐに地下へ潜って偶に少ししか地上の様子をみてないから」
 (・・・行く)
「ちょっと待て、行って如何なる? あの数の前じゃイイ様に壊されて終りだぞ」
 (行かなければ)
「今、俺たちにとって最大戦力であるウィズダムを失って、如何しろと?
俺たちだって解放運動の為に必要な魔導具を揃えているが、君がいなければ・・・」
 (なら、その戦いはいつ?)
「「「「「・・・・・・」」」」」
 (地上でレイアードが兵器を作っているのなら我々との戦力は広がるばかり)
「・・・だからといって、勝率0%の戦いはできんよ・・・」
 (・・・・・・)
その場にいる魔導士達はウィズダムを含め押し黙るしかなかった。
と、不意に慌しくなるアジト内にアニマ・アンジェリカ体が連れてきたのは
マントの者二人。脅されている感はないのだが(無意味だが)、見知らぬ者に
その場の皆が構え、アニマが仕草でそれを嗜める。
マントを捲って顔を見せたものは
 (フォンさん・・・と、誰?)
「・・・・・・ orz」
 「リョーマですよ。ウェスティン研の・・・」
 (知っている。 でも、名前を聞いた記憶はないな、と・・・)
ともあれ、『劣等生』リョーマと『警備員』フォンは元気そうであり
それでもフォンの片目を覆うように巻かれた包帯は痛々しく・・・
 (フォンさん、その目は?)
「逃亡している時にチョット、な・・・。俺の事より、お互いの無事を
祝っている時間すら勿体無い。ヒミカ先生が生贄にされようとしている」
 (!!?)「!!?」
「今はまだ準備の為に無事だが・・・彼女が負担を強いられている
事を考えれば出来るだけ救出活動は急いだ方がいい」
 (では・・・)
「俺達が調査した処、如何頑張っても戦力的に救出も、島から脱出も不可能だ」
 (・・・・・・)
「でも、外から援軍を呼べればソレも覆る。
その為に烈火の法王と光晶の法王には既に連絡が取れた」
!!?
「あとは・・・ウィズダムの無事、否、復活と作戦決行の時間に関して連絡するだけ」

「ソーレヲ、許ース訳ニーハイカナーイ」
 「ぐはっ!!?」
悲鳴に皆が視線を向けた先には、空に浮き
御腹に穴を空けて吐血で悶絶のアニマ・アンジェリカ体。
皆、それに即距離を取って構えて魔法弾の集中攻撃。爆煙に包まれ
其処から転がり出て来たのはアニマ・アンジェリカ体の頭と 透明な何か。
それが最も近くにいた魔導士に襲い掛かり
 (やらせるわけにはいかない)
その刃を掴みとめるのは、ウィズダムの甲手。
思考表示のためパネルへつながれていたコードが限界まで伸びきりブチブチと切れる。
そして、思考は表示されなくなった。しかし、もうその必要はない。
アニマが兜状と化したウィズダムは手に握るソレを握り潰す。
「ギャアアアアアっ!!?」
蒼い血を流して姿を現したカメレオンみたいなキメラ怪人へ、
ウィズダムは更に鉄拳を撃ち込む。そして
 (この地に貴様が住まう居場所無し!!)
 (乾かず、飢えず、無に帰れ!!!)


『我等、合流。魔導機人、復活。
指示、待。 反撃狼煙、上 時。
劣等生 警備員 知恵、出、烈火 光晶』


『了解。刻---時、光晶 初立地、待。
戦術装甲、参。結界源、破壊。 解除。
其 持、反撃狼煙。
次第、我等 助人共々突入。
烈火 光晶、出、知恵 劣等生 警備員』




作戦決行時刻まで少し前
港街ローエンハイツの海岸には二人の少年と人サイズで鷹フォルムの構造物があった。
「アルマティを覆う結界は外に対して空間湾曲の効果があると思われます。
つまり、アルマティを突っ切ろうとしても結界外周を走ってしまうわけですね。
では、如何すればいいのか。対策は極めて単純。高質量エネルギー体を高速でもって
撃ち込めはいいんです。そうすれば空間湾曲なんぞも作用する前に突破可能」
懐から魔石を取り出すディに促され、リュートも背の魔槍銃を抜き構える。
「其の上、フィアラルの鏡面装甲と神槍銃の神剣の力を持ってすれば・・・」
おうっ!!!  と翼を振り回し応えるのは鷹フォルムの構造物。
それはウィズダムのみ専用だった戦術装甲『ストームブレイカー』に改良を加え
一纏めにフィアラルへ装着されたような形となったもの。
「でも、コレを弾として神槍銃で撃ち出すには余りにも大きすぎるけど?」
「その為のコノ魔石。これでもって仮想砲身と成せば、
エネルギーを最適に伝える事が出来ます・・・・・・」
そして、ディは己の手にある魔石をじっとみる。それは魔導騎兵でも特に手をかけたもの。
「ディ君?」
「・・・・・・、時間です」
ディが空へ放った数個の魔石は空で装甲を展開し、土台付きの大砲筒状に。
頷くディに、戦術装甲フィアラルがゴソゴソと潜込む。
そして、その後リュートが魔槍銃を設置。その背後にディが立つ。
「いきますっ!!」
リュートの気合に先端より相位昇化した神槍銃ブリューナク。
其処へ四対の燐光翼を展開したディの魔力が注がれ、光を放ち、それが臨界に達した時
「「発射(ファイヤーっ)!!!」」
轟音と共に衝撃で一帯の砂と海水を吹き飛ばし放たれた光る砲弾は
彼方の目的地目指して空に白い軌跡を引くのだった。
役目を終えた砲身と神槍銃は元の魔石と魔槍銃へ。
しかし、地に落ちた魔石はそのままパキンと粉砕。
「それって・・・」
「ええ、分かってましたよ。フルバーストの神槍銃に耐え切れないことぐらい端から」
放たれた砲弾を合図に出航してきたのだろう。二人の前の沖にやってくる帆船。
その甲板には烈火の法王リーや、銀狼闘姫ルナを始めとした助人達の姿が。
「・・・さて、行きましょうか。いざ、戦場へ」
「リュート君?」
「ココまで来て帰れなんて水臭いですよ。まぁ後でシャンに叱られるでしょうけどね」
「・・・、うん、行こう」
そして、若き二人の戦士は戦場へ向かう船の甲板に舞い降りる。




街角に現れたウィズダム(with兜アニマ)は人気無い街並の中を駆け抜け
約束の地 ディ達が始めてこの地に降りた船着場めざしていた。
出来るだけ人目につかぬよう物影を選んでいたのだが、
それでもやはり戦士の感で気付いたのか、前方視界に入り立塞がる彼のキメラ。

再び合間見え戦える幸運、私は嬉しく思うぞっ!!!

(ウィズダムさん)
(ああ、分かっている)

スラスター全開に勢い増して駆けるウィズダムはストームセーバーで数弾射撃。
キメラ含めて数弾着弾するも、収集率が余り高くないのでダメージには至らぬものの
十二分に視界を潰す。其処へ突っ込んできたウィズダムは

な、何ィ!!?

ストームセーバーを丸でサーフィンみたく風に波乗って、
身体を捻って避けたキメラの横を通過。その勢いが失せる前に足を地に付けて
スラスター全開のままキメラ眼中に無く遁走するのだった。
残されたキメラは暫し呆然と立ち尽くすも追跡開始。

 (今、アレを相手に破損するわけには行かない)
 (ドチラにしても戦術装甲とやらが届けば・・・)
 (・・・その場で装備出来る・・・か)
 (ウィズダムさん処か、その武装も、今回の計画も立案された
光晶の法王ディさんならその心配は無いはないと思います)
と、アニマの脳裏に浮かびウィズダムへ伝えられるのは一人の女性の姿
 (この方は?)
 (妾龍、私を助け自由を与えて下さった方。そして、ディさんの御仲間です。)
 (強い)
 (はい、強大な敵に仲間と共に立向かって勝利を収められました。)
 (我々にも仲間がいる。この戦い、必ず)
 (はい)
ウィズダムとアニマが気配殺しつつ約束の場所で決意新たに待機していると
突如、クワンと歪む船着場の沖の空。その歪みが眼に見えて膨らんだ時
パリンと空間を割って飛び込んできたのは光纏う巨大な鷹。
嘶き一つにそれがウィズダムの姿を確認すると、ウィズダムへ向かって速度を落とす。
と、ウィズダムの遥か後方では流石に気配に気付いたのだろう、件のキメラが突進。
もはや到着は待てない。後先省みず海上へ飛び出したウィズダム達と光散らし
鏡面装甲状な身体を見せた巨大な鷹 戦術装甲『ストームブレイカー』フィアラルの
視線が合い、語る。

 今、皆を護る為の力を私に

与えよう、その為に来た。

パーツごとへ分解した戦術装甲を残し、核だったフィアラルは急上昇。
其処へウィズダムが突込み、各パーツが装着されていく。
脚には巨大な鷲爪足を供えさせ、胴体には追加ジェネレーターや冷却装置,スラスター
内臓の頑丈で強固な鎧を、腕は両肩に『ゴーストクリスタル』を初めとした装甲で
より太く腕力を伺わせ狂暴な爪指の甲手に、背には舞い降りたフィアラルの上に
装甲が装着されてより大きな鋼翼を。戦術装甲装着のため空へ手放された武装にも
ストームセーバーには被刃でより雄大な破壊剣に。
ストームスタンダーには追加装甲で一回り大きく。
それらを手に空舞う護装機将 魔導機人ウィズダム降臨。
莫大なエネルギーを内に秘め、各種スラスターより破棄される蒸気に
キメラはビクッと反応するも圧され動けない。サイズはそう変わらないのに。

 引け、もはや勝負にならない。

・・・、戦いこそ我が存在意義っ!!!

その返事にウィズダムの肩装甲が展開。覗かせた星配置のレンズより放たれるは
破壊烈光(デスト・レイ)。 それは、キメラ を避けて周辺の地を砕く。

 ・・・この差では、ただの駆逐。私には成すべき事がある。

ならば、私を駆逐していくがいいっ!! それこそ貴様の役目っ!!

 ・・・これも定めなのか。

空浮くウィズダムへキメラが空駆けて襲い掛かる が
斬っ!!!
と、すれ違い一撃で腹の上と下が泣き別れ。

・・・それでいい。所詮俺は一時の力。我屍を超えていけっ!!!

 ・・・・・・。

最早必要ないにも関らず、ブレイカーストームセーバーの仮想砲身を展開。
最大出力発射された烈光砲撃の中、表情が分からないにも関らずキメラは満足気に散った。
 (・・・行きましょう。ヒミカ先生を助けなければ)
 (・・・その前に結界源を破壊しないと)
 (・・・ orz)
(どうせ目的地が上か下かの違いだ)
 ((誰っ!!?))
(この状況で声かけれるのは一つだろーが。フィアラルだっつーの)
 ((確かに))
(ほらほら、もたもたしてないで行くぜっ!!!)
 ((おうっ!!!))
二人(?)の脳裏に響いた若々しく小生意気な少年の感の声、正体が判明した処で気を取直し
三位一体、天舞うウィズダムの前に立塞がるのはキメラ アルティメットウェポン。



そして、真に反撃の狼煙が上がる。


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