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「潜入、魔術都市」


港街ローエンハイツ発アルマティ行きの船
正しくは魔術都市アルマティに最も近づく航路を取る船なのだが
その船の甲板の上、周囲の船乗りや乗客と明らかに気等の違うコンビの姿があった。
一人は、簡素な法衣っぽい旅人姿でありながら何処か気品を漂わせる金髪碧眼の少年。
もう一人は、大太刀持って活発性溢れる軽装の格好に銀髪・・・緋眼の銀狼の獣少女。
一見二人っきりで旅するには余りにも不釣合い 御曹司と山の野生児だが
見るものが見れば分かるこの二人は大凡、歴戦の戦士。それでも子供なのだが。
今は待ち時間でノンビリと舳先に身を預け海を眺める二人に、燻銀の海男な船長が。
「少年、この辺りがアルマティまで最短になる。」
「それは、ありがとうございます。」
少年は船に乗る時に予めアルマティに最も近づいた処を教えてもらうよう頼んでおいた。
しかし、それ以上の事は何も聞いていなかった。 それでも船長は少年の目的は分かる。
否、分からなければおかしい。
このような少年がアルマティに有る用は一つ、アカデミー入学希望。
「もうじき船が止る。後は救命ボートを提供するくらいしかしてやれん。
分かっているとは思うが、後は自力で向かってもらうしか」
「いえ、どちらも結構ですよ。御心使い感謝します。」
「!!?」
二人の会話に、船旅疲れしたか失礼にも大あくびをかます銀狼少女。
そして少年は空間に手を突っ込み 空間に開いた穴「門」に手を入れ
引張り出すのは、先の水晶の如き玉も美しい一本の法杖。
つまり少年は魔導士であるわけなのだが、それでも舟必要無しというのは・・・
「ルナ、行くよ」
へ〜〜い と少年の前に来た銀狼少女は表情変えず片腕で少年の首にしがみつき
少年も慣れか別段照れる様子も無く銀狼少女の腰を抱き、瞬後
「!!?」
経験豊かな船長もビックリ。少年の背から生えるのは四対の燐光翼。
それだけの魔導士が魔術都市アルマティに用とは・・・明らかに都市とタイプが違うのに。
「ありがとうございました。 では、失礼します。」
燐光翼の1振りに空に浮く二人。
バイバイと大太刀を持つ手を振る銀狼少女を合図に、二人は天駆けるのだった。
「あのような少年が・・・あれほどの力を持つ者達がアルマティへとは」
真面目に堅実な船長をしているだけあって、その男は人を見る目がある。
魔術の発展にのみ執着し全てを犠牲としても平然とする負の深い業が、
翼の一薙ぎで揺らぐとはとても思えない。 しかし、期待させるものが少年にはあった。
高慢ちきに伸びきった貴族連中の鼻が無残に圧し折られる様。
それを思い船長の顔に笑みが浮かぶ。
久しぶりに美味い酒が飲めそうだ。

一対の燐光翼を風防に諸共の身体を包み保護し、残り三対の燐光翼から散る光で
二人は鳥以上の速さをもって波面の空を飛翔する。
視界の中、地平線に線だったモノが急速に膨らみを持つそれは、少年の目的地。
「「っ!!?」」
と、相対速度で超高速となって迫る光弾をディプシーロールで回避。
それを初めに次から次へと射撃が襲い来る・・・が、当たろうハズもない。
「まったく・・・話通りに失礼な処ですね。一気に行きますっ!!!」
 「・・・(クアアア」
少年に抱き抱えられ、銀狼少女は勝手にしろと言わんばかりに大欠伸。
種からして地上戦専門の銀狼少女に何が出来よう。
尤も、それでありながらこの余裕は銀狼少女が少年を信頼している証だろう。

島から見たそれは、恰も三対の翼をもつ燐光の鷹。地上スレスレに速度を落とす事無く
警備兵らしき黒マントの男が十数人待ち受ける船着場へ、銀色の毛玉を捨て急上昇。
当然に黒マント達はその毛玉へ注目し、返って来た返事は
 「ワウ? ・・・(クアアア」
服着た白犬 銀狼のマヌケな反応。 そして、上から話しかける声。
「聞いた通り物騒な処ですね」
「っ!!? 貴様、武装解除しろ。さもなくば・・・」
見ると、抜き放たれた大太刀を手に背には四対の燐光翼を生やした件の少年。
「・・・如何します? 問答無用で攻撃するような連中の命令なんか
聞けるはず無いでしょうっ!!!」
瞬間、急降下の高速で人の間を抜けた少年に、持つ得物を折られ地に伏す黒マント数人。
「き、貴様、抵抗を」
「これは抵抗じゃありません。 駆 逐 です。」
魔法弾を射撃しようとする黒マント達。その手の魔導光を少年は正確無比に
燐光翼を転じた魔法の矢で撃ち抜き、更に四肢も撃ち抜いて黒マント達を完全に無力化。
それを見下ろす少年も分かって燐光翼を解除し得物を収める。
そして、拷問時間の始まり
「で・は、取り合えず貴方達が何者か吐いて頂きましょうか」
「だ、誰が賊などに・・・」
「・・・、先生、御願いします」
 「ガウッ!!!」まかせろっ!!!
後ろから来た吼声に見ると・・・、其処にはヤル気満々の銀狼。
心なし、その顔が笑みに見えるのは・・・気のせいなのかぁっ!!?
最早、問答無用に銀狼はその黒マントを脚裾を噛んでズルズルと物陰へ引張って行き
「うぇdrftgyふじこlp;@:・・・・・・」
響いてきた悲鳴も直ぐに沈黙。 それに少年は何故か黙祷の意を示し
「拷問するまも無く終ってしまったみたいですね。困ったもんだ。さて、」
少年が黒マント達に向ける笑みは正に悪魔。
普段は己が喰らっている折檻も他人が喰らえば、全く痛くないっ!! 人の不幸は蜜の味。
「わ、我々はアルマティの警備員だっ」
「それが何故僕を攻撃するんですか?」
「それは君が念話に応答することなく領海侵犯を」
「へ?」
「・・・・・・」
「えっと・・・、あの変な思念波ってもしかして・・・」
「変な思念波・・・」
「あ〜〜〜、物騒な処と聞いていたものですから何者かが攻撃を仕掛けてきたのかな と
それで精神を侵されないよう障壁を張っていたものですから・・・すみません」
少年が非を認め、例え力量差があっても尊大な態度になってしまう黒マントリーダー。
射抜かれ麻痺した四肢を治療してもらいながらも
「では、君は何者だ? んん〜〜?」
「ディオール=クラウス。アカデミー入学希望者です。
これは『風の法王』フィート=オーキシンさんの紹介状。
本物かはソチラで調べて頂けたらな明白でしょう。」
出された書類は、検知した波紋からして偽造されていない本物の公式証書。
例え偽造されていたとしても、それが分からなければ「本物」なのだが・・・
黒マントリーダーがそれを検証している間に少年ディは他の黒マント達も癒す。
当然、銀狼に拉致られ何されたか分からない黒マントの心の傷も含めて。
「うむっ・・・、君ほどの者が入学?」
「ええ、僕の師匠の命令なもので。」
「師匠、『風の法王』フィート殿か?」
「いいえ。 家族が知合いなものですから紹介状を書いていただいただけです」
圧倒的な力量を持っているにも関らず正直で礼儀を守り、話す事に嘘偽りがない。
ココに来る者、いる者にしては珍しく稀少なまでに・・・・・・
「・・・各種諸々、私が案内しよう。何か困った事があれば話にのろう」
「では改めて・・・ディオール=クラウスです」
「む? ・・・フォン=クロウだ。」
ディ少年の差し出した手に一瞬分からずも即理解し握手する警備員フォン=クロウ。
その間には座ったまま二人を見比べる銀狼が。
「それでコレは気高き銀狼、ルナです。」
「君の使魔か? 何であれ珍しいから狙われるぞ」
「使魔だなんて・・・まぁ狙われても大丈夫ですよ。 僕より強いですから」
と、ディが差し出した大太刀を咥え己の脇に差し直す銀狼。
後は、己は見学者とばかりに我関せずと話が終るのを待つのみ。
「ふむ・・・では行こうか。」
フォン=クロウの指示で黒マント達は解散。
そしてアカデミーへ向かうため警備員フォンに従いディとルナは魔術師の街に入る・・・

街の住民は一見普通の人々だが・・・一様に新顔を見る目が普通ではない。
「・・・何ともいやはや、早速品定めされてますねぇ」
「ああ、今は私がいるから一応大丈夫だが・・・ここは『魔術の発展』こそ正義」
「ならば、貴方も僕を襲いますか?」
「・・・、いや、それは遠慮する。私の実力では君に敵いそうにない。
ならば寧ろ、君は味方にした方が益になるだろうしな」
「周りは敵だなんて・・・殺伐としてますね。
僕の処は端から味方で始るのが当然なんですけど・・・」
「・・・・・・もし普通の暴力沙汰なら犯人は即刻逮捕。
どんな罪でも罰は人体実験と決まっている。 しかし、魔術が関わっているのなら放免だ」
つまり、身包み剥れる処では済まない と。
「それは・・・ありがとうございます。・・・でも、魔術を使って
魔術を使っていない者に負けたなら、その罪は面白そうですね」
「!!?」
ギンッ!! と周りの空気が変わる。多少力を持ってるとはいえ小僧が何を言っていると。
そうなれば、その者はココにいることは出来まい。
魔術至上主義の未練でこの都市にしがみ付いている程度の者など存在を否定されて。
そうこうして辿り着いた先は、天まで届きそうな塔の麓。
「どうだ、凄いだろう」
「丸で、神の怒りに触れて朽ちた塔のようですね。神に挑戦するのは同意しますが
・・・無駄に高い。 それに、色々と率が悪そう」
「・・・君の処は見栄よりも実質を取る性質か。 各種受付を手伝おう」
「ありがとうございます」
そして二人は塔に入り・・・ディオール=クラウスはアカデミーの学生となった。
それも極めて稀にどの教授魔導師にも付かず、稀少な銀狼をつれた魔導士として。
それは登録直後早々に都市へと広がっていったのだった・・・


当分ディ達の居城となるのは、都市外れにある寂れていても小奇麗な宿。
其処には生活に必要なものが一通り揃っているが全く人気はなく、前にも広場も。
アカデミーの寮もあるのだが、恐らく確実にやってくる招かざる客を考えれば
ここの方が迎撃し易いだろうと紹介したフォンの心使い。
「何が目的か知らないが・・・君にはここの方が都合がいいだろう。
既にここにいることは都市に知れ渡っているから今晩から気をつけろ」
「何から何までありがとうございます。フォンさんも御気をつけて」
「・・・・・・」
「どうしたんですか?」
「この都市で他人に気遣ってもらえるとは、な・・・(苦笑」
「友のことを心配するのは当然だと思いますけどね。僕から一方的にですけど・・・」
「ありがとう。・・・きっと、皆が利害無く人に親切になれるなら皆友達になれるだろう」
「・・・そうですね」
しみじみと友情育む少年と青年に
銀狼はヤッテラレンワと言わんばかりに後脚で耳を掻くのだった。

夜、彼の者の予告通りにディ達のいる宿を包囲するのは、一様に魔導士マントを纏う者達。
普通、これだけ者が集れば確実にイザコザが起こるのだが・・・目的が同じとなれば
敵とはいえ一時的に手を組むのは当然の理。 その後、成果を奪い合うのも当然の理だが。
それでも今は珍しく統率が取れた動きで、建物の入り口から内へ侵入しようと
「っ!!?」
後に続く者巻き込み吹っ飛ばされるのは最初の侵入者。
それに緩やかな動き続くで続き出てくるのは甲冑の者。それが一人ではなく四人、五人と。
否、間接がない 各部が中空のものは人間とは言わない。それは、魔導騎兵(レギオン)。
「こいつ、人形ふzッ!!?」
魔法攻撃をしようとした魔導士が一人、一撃必殺に殴られ吹っ飛ばされる。
間、何人もいた魔導士を無視して駆け抜けたレギオンの一体。
そして、明らかに分かるゼスチャー
 プッ、弱ァ(笑
 オ前ラ程度ノ相手、俺タチニャ役不足。
 帰ッテ、ママンノ御乳吸ッテ寝ナ。
 朝スープデ顔ヲ洗ッテ出直シテ来イ。
 コノ、未熟モノガァ!!!
 イヤ、ソレ、コノ場合ニ使ウ セリフジャナイシ ×4
つまり奇襲をかけてきた魔導士の方々皆自動人形如きにバカにされていると。
そして彼等は、新参者の用意した人形如きにバカにされてなるものかと頭に血を昇らせ
挑発に乗り無謀な戦いを挑むのだった。彼等が魔導士らしく対処したなら分かっただろう。
それが自動人形呼ばわりするには余りにも高度な思考判断力を有し、
歴戦のモノノフの技を持って敵を無力化程度に手加減していた事に。
それが高汎用性魔石を贅沢に処理制御核として用い戦いの中で培われた魔導騎兵。
温室育ちで世間知らずが、何も無しで如何転んでも敵うはずが無い事を。

翌朝、フォンが見た街並みには目に付く所々に身体を各種負傷した者が眼に付く。
早速やらかしたかと思いつつ件の宿に着くと、予想外に全く荒れておらず
「ああ、いらっしゃい。ちょうど朝食が出来た処なので御一緒に如何ですか?」
「あ、ああ、構わないなら喜んで・・・」
腹減ッタ、飯〜飯〜とディの脚にじゃれ付く銀狼ルナをあえて無視に二人は部屋の食卓へ。
二人の前の食卓にはちゃんと焼きたてのパンやらスープやらが並び、その足元には
ちゃんと盛られた皿の前に座る銀狼ルナが。いただきますの合図で早々にがっつき食らう。
「・・・これは、君が?」
「??? ええ、僕が居た所じゃ当番制でやってましたからね」
「・・・君はイイお嫁さんになれるよ」
 「ガウッ!!!」激しく同意っ!!!
「いえっ、お嫁さんにはなりたくないですからっ!!!」
「失言だ。・・・婿、だな」
 「ワウ?」お嫁さんで正解じゃないの?
「ルナ、僕は男ですからっ!!!」
「・・・・・・(汗」
「あ〜〜、フォンさんは朝食を取らずにここへ来られたようですが、独身なんですか?」
「まぁ・・・な。ここの女とは所帯を持つ気にはなれない。
 もっぱら、職務の合い間に屋台で取るのが常だ」
「へぇ〜〜」
アットホームな処で生活しているディにとって独身男の生活は中々に興味深い。
「・・・処で、昨夜は良く眠れたのか?」
「ええ、勿論」
 「ワン♪」ぐっすり♪
「・・・昨夜は何もなかったのか(驚」
「いえ、結構派手に遊んでたようですよ。僕達は静穏の結界の中にしましたけどね」
「・・・まったく、君には驚かされてばかりだな。どうやって撃退したんだ?」
「コレですよ」
ディが躊躇なく見せるのは、水晶の如き様々な魔石。
フォンは仮にも魔導士だが・・・系統が違うので結局、理解出来ない。
それが分かり、ディが起動させるのは手のひらサイズの甲冑人形。ミニレギオン。
「・・・こんなもので・・・か?」
「デモのためにこのサイズですが、実際は人等身サイズです。
戦闘能力に関しては、並の戦士を寄付けない自負があります」
ミニレギオンは床の上でルナに勝負を挑み、その犬パンチを華麗なステップで避ける。
「ということは、コレは君が。あの翼にコレなら・・・
アルマティへ来る必要などないだろうに」
「まぁ、修行の一環ですから」
「そうか・・・それで如何する?」
「当分は研究室巡って冷やかしでしょう。」
「君なら何処でも引き手数多だろうに勿体無い事だ」
「今は特に学びたい事もないですしね」
食後の珈琲を会話を交えて楽しみ、彼等はすべき事をしに行くのだった。

 実際、ディオール=クラウスは燐光翼に戦闘人形や連れる銀狼の噂から
どの研究室でも引き手数多であり、同反応で研究室に入らないのならせめて
戦闘人形(レギオン)や連れている銀狼を置いていってくれとまで言われる始末。
もっとも、レギオンを置いていた処で解析が出来ても劣化複製程度がいい処、
銀狼ルナを置いていくなど端から論外なのだが・・・だから、本当に冷やかしそのもの。
と、ディはルナ共々に塔内の各フロアを物見で彷徨っていること暫し。
「あっ、君」
「はい? 何でしょう。」
呼び止めるのは学生らしき魔導士。パッと見でもマトモな気等だと分かる。
「君、ディオール=クラウス君だね?
『烈火の法王』バラットバード=リー先生が呼ばれているよ」
「・・・、面識が無いので御断りしてもいいでしょうか?」
「それは、ここでは変人の方だから一応顔を出して置いた方がいい。」
つまり、常識を持ちえている人である と。
「分かりました。それで、ドチラへ?」
「ああ、案内するよ。」
その学生魔導士に連れられフロアを移動し連れられた一室の前、ドアのノックに
「リー先生、彼をお連れしました」
「おう、手間取らせて悪かったな」
その学生魔導士はディに入るよう促し言ってしまった。しかたなく
「ディオール=クラウス、入ります」
入った其処に待っていたのは、武道家風の老人。凡そ魔導師には見えないが
魔導と武道を両立させたのだろう。 すなわち、室内の居合いなら・・・
以上に、銀狼ルナが危なければ教えてくれるだろう。
「噂話は聞いてるぜ。早々に中々の活躍をしてくれたそうだな」
「飛び掛る火の粉を払っただけです。最初は自分から飛び込んだものですけど」
「・・・それで、お前何者だ? そこのワンコ諸々なかなかイイ気をもってるが・・・
俺は『風の法王』フィートとは顔見知りでな。正体含めて洗い浚い話してもらおうか」
つまり、、『烈火の法王』リーはディを疑っている と。
だからと言って、ディも物怖じする性分ではない。
ツワモノの面々に鍛えられているのは伊達じゃないっ!!
「洗い浚いと言われましても・・・何から話したらいいのやら」
「なら、『風の法王』フィートの紹介状、如何やって手にいれた?」
「うちの大将がフィートさんと顔見知りですから頼んで一筆書いてもらいました」
「・・・って事はフィートの相棒とも顔見知りか? お前さんから見て奴の印象は?」
「変t じゃなくって、バk・・・猪突猛進」
「フィートの相棒が男なわきゃないだろう」
「・・・僕には、アレが女には見えませんけどね。 引掛けはやめましょう」
老人と少年の間に漂うのは緊迫した空気。その下では銀狼がクアアアと我関せず。
「フィートとの関係は良しとしよう。で、お前さんの大将ってのと、真の目的は」
「それを話して、僕の身の安全が保証される可能性は?」
「ないな。ただ少なくとも俺は、お前さんの味方になってやれるかもしれん」
「・・・大将はシウォングの『真龍騎公』」
「・・・て〜〜っと、お前さんは『聖士魔将』か!!?」
「ご存知なら話は早いですね。」
「尚の事、解せんな。『聖士魔将』あろう者が何故アルマティに来る?」
「ここが可也物騒な所だと話を聞いたものですから、
トラブルを持ち込まれても対処できるように視察です。
後は・・・僕の修行も狙ってでしょうね」
睨み合う『烈火の法王』バラットバード=リーと『聖士魔将』ディオール=クラウス
御互い眼を逸らさないのは男の維持か?
 「ワンっ!!」 腹減った!!
「「・・・・・・・・・」」
 「ワンワンっ!!」 腹減ったぞ、ゴルァ!!
「「・・・・・・・・・」」
 「ガゥ〜〜」 飯〜〜
カプッ、ガジガジガジガジ
「・・・・・・、一つ聞いていいか?」
「・・・・・・、聞かないで下さい(泣  ・・・あの、食事取らせて下さい」
雰囲気ぶち壊しに頭から齧られ何に応える事が出来よう。
ディを見た目通りと判断したのか『烈火の法王』リーから取れる険。
「確かに、飯時だな。 ・・・食いに行くか?」
「いえ、弁当を持ってきているので・・・たくさんあるので御一緒にどうですか」
「・・・なら、茶、入れるとするか」
飯〜〜と唸るルナを嗜め、接客卓の上に広げられるのは各種サンドイッチ盛合わせ。
大凡、二人前ところか四人前を超える量。 と言うより、ディの鞄は弁当だったり。
 「・・・・・・(ハグハグ」 うまうま
「量だけはありますよ。良く食べるのがいるので・・・」
「んや、味も中々のものだぜ。 何だ、コレ付きか?」
「食べ専で僕に作らせてばっかりですよ・・・(泣」
「・・・若いのに苦労しているんだな、お前さんも」
ピカッ
と、不意に部屋を照らす閃光。
それが何か知っているディがギギギと軋むような動きで顔を向けた先
それをリーは瞬間反応出来ず、ディの向けた視線の先には
 「・・・・・・(ハグハグ」 うまうま
両手でサンドイッチを掴み貪る少女。犬では食べにくいと人に変わったか。
「・・・犬が化けた?」
 「がうっ、ルナ、狼。銀狼」
「と、言う事です(ルルルル〜〜」
「・・・まだまだ、お前さん達には秘密がありそうだなぁ」
「もう、打ち止めですよ」
「これが食べ専のコレが・・・。 なるほど」
老師リー、一体何に納得してるのやら。
と、扉に立つ気配にノックもなく無いって来る者。後ろで見えないディが振り返り見ると
其処には目の前の光景に呆然と立ち尽くす、頭にターバンを巻き巨乳黒法衣の若い女性。
「おう、使わせてもらってるぜ」
 「・・・リー先生、勝手に部屋を使わないで下さい。しかも食事に(シクシク」
っと言う事は、この女性がこの部屋の主であり、リー先生が我が物顔で無断借用?
「・・・そんな顔で見るな。一度ココを出た俺にゃ勝手に使える部屋がここしかないんだよ。
紹介するぜ。こいつが噂の新人(ホープ) シウォング『聖士魔将』のディオール=クラウス。
この姉ちゃんは、俺の門下 現 炎術講師ヒミカ=ウェスティン。この部屋の真の主よ」
「ディオール=クラウスです。昨日こらココの学生をやっています。
 で、これが、僕の相棒で銀狼のルナです。」
 「わん♪」よろしく
「よろしくね、ディオール君。ルナちゃん」
気が紛れさっきの泣きべそは何処へやら、にこやかな笑みのウェスティン先生。
ここの人では珍しく温厚天然な性分のよう。故に、ここに平然といられるのか・・・
「あ〜〜、折角なのでウェスティン先生も御一緒にどうぞ」
 「あら、美味しそう では、いただきますね♪」
「・・・(ナイスだ、ディオール)」
「???」
ルナがごねた時対策に大量に作ってきたサンドイッチが幸いに
烈火の法王リーの小さいガッツポーズの訳など分かるはずもなく、穏やかな時間は流れた。
サンドイッチに舌鼓を打ちつつ、火口を切ったのは烈火の法王リー。
「ディオールよぅ、目的は何であれココで何かを学んでいく気はないのか?」
「ああ、僕の事はディで結構ですよ。ここで何を学ぶかは・・・生体学科は分野違いですし
霊薬精製科,魔導医療科は少々わかりますが、本格的に学ぶにはちょっと・・・・・・
錬金工学科には興味ありますが、既に僕が確立したような系統はなさそうですしね。
・・・惹かれるのは、ココで使われている空間転移系ですか? 僕の処にはないので」
「ほぅ・・・んで、元の専攻は?」
「元々、僕は戦魔導師ですから。 一応一通り万遍なく、光と氷を得意としてます」
「それで、噂のゴーレムやら光の翼ってのは?」
「自分より強い者と戦う為の策です。
数をかせぐために魔石を核として人型と成し一時的な兵力とする魔導騎兵(レギオン)。
己自身の魔力を補うための魔力蓄体である燐光翼。これで空が飛べるのは副産物ですね」
「なら、これを機に炎系も習得して全属性マスターってーのはどうよ?」
「師匠が炎と重力系を好んでますから・・・それに、自分にそれだけの才があるとも」
「若いのはもっと挑戦せんといかんぞ。ディなら法王も確実だと思うんだがなぁ」
「そのためには長期滞在が必要そうですしね。
むこうでもやることがありますし・・・僕がいなくとも大丈夫とは思いますが」
「やること?」
「ええ、まぁ学院の講師とか・・・」
「なぬっ!!? なら、ここに残って誰なりとについて助講師も出来るじゃねえか」
・・・ん〜〜、尚の事勿体ねぇな。 やっぱり、ここに残る気はねぇのか?」
「全くないですね。少しいる分には適度な刺激ですが、余りにも殺伐として・・・」
「ちがいねぇ。 ・・・俺としては少しでも味方が欲しいんだけどなぁ」
「何でまた、僕みたいな怪しい者を欲しがるんですか?」
苦笑のリー老師から語られるのは正しく身内の恥部に不祥事。
唯でさえ血で血を洗うような処なのに学長がトチ狂い・・・
その後始末も見た目のみ済んだようなもので、現在再び不穏な動きが。
「・・・それなら、リー先生が派閥を立ち上げアルマティの一大改革に
乗り出せばいいんじゃないんですか? 一層、学長になってでも」
「「っ!!?」」
銀狼に戻っていたルナを弄びつつ話を聞いていたヒミカも含め二人とも驚愕。
「・・・、でしゃばった事を言ってしまったみたいですね」
「・・・、俺も年なんでね。 仮にそうすると言ったら、ディは手伝うか?」
「態々僕みたいな若輩ものを使わずともヒミカ先生達がいらっしゃるでしょう。
ここで真面目に魔術の研究に励みたい方だって動かざる得ないようにすれば・・・」
話を振られ呆気にとられ己を指差す当人。
「その辺りは十八番そうだなぁ、おい」
「まぁ、仮でも正義の味方もやっているので。」
「やっぱ、お前さん、俺の門下に欲しいぜ。」
「・・・、頼れる子分は一から育てて下さい」
男二人、向かい合って茶を嗜みつつ顔に浮かべるのは何を企んでいるのか含み笑み。
その間では、ヒミカはいつの間にか変身した銀狼のルナの前脚を持って踊らせつつ
 「男って生物はねー」
 「ワン♪」ねー
と遊んで意気投合してたり。

そして、変わらず夜に襲撃等があったりしながらも無事に数日が流れ
ディが居を構えている宿、ココに来て歓迎される客は早朝にも関らず立ち入り
向かう先は、居間代わりの部屋。 入り開口一番に
「おはよう」
「おはようございます」
朝の挨拶もソコソコ主差し置き座るのはフォン。もはや遠慮なく朝食の相伴に与る。
ディも席に着き、静かに朝食を頂く・・・ と
「・・・、今日は静かだと思えば、銀のワンコがいないんだな」
「ええ、研究室が徹夜なので弁当持って行きました」
街間を駆け抜ける服来た銀狼には背渡しに大鞄を持って捕らえようと襲い来る連中を
一切無視に塔へ向かう。無論、塔から件の研究室までは顔パス。
と言うか、魔導士の誰が天敵たる天然の「魔導士殺し」に逆らうことが出来ようか・・・
「そうか・・・処で、君は研究室に属さないと言っていたと思うが・・・」
「正式に所属はしていませんね。気があった人達だったのでちょくちょく顔を
出してるだけです。 そこの分野自体が僕の求めるものと違いますからね」
「ほぅ・・・」
「最近は巡る研究室も尽きたので、講義なんかしちゃったりしてますよ」
「・・・思うのだが、君は学生じゃなく講師として来るべきだったのじゃないのか」
「・・・、ど〜〜なんでしょうねぇ〜〜。外からの客員は排除されてるっぽいですから」
「・・・違いない」
当初の目論みと違って、まったり朝の一時を過ごし二人は宿を出る。
フォンは警備員な黒マント姿で、ディは相変わらず簡素な法衣系の姿に大太刀を携え
・・・ディが携えているのは魔杖ではなく大太刀である。見方によればこう取れる。
銀狼を連れず、目に付き使いこなせないような大太刀を携えているのは・・・嚇しっ!!!
すなわち、噂の新人ディオール=クラウスは何の準備も出来ていなければ弱いっ!!!
瞬間、警備員の目前、天下の通りにも関らずディを取り囲むのは魔術士達。
「「「「「「「ディオール=クラウス、貴様に決闘を申し込むっ!!!」」」」」」」
「・・・・・・、これって、いいんですか?」
「・・・ああ。」
ディに尋ねられた法の番人たるフォン、最早投槍である。
何故なら魔術都市アルマティは魔術の発展こそ正義なのだから。
そうこうして連れ去られた先は・・・大凡、闘技場のような場所。
ディに向かい合うのは黒装束の如何にも魔導士な魔導士。 この決闘劇、連戦は当然で
最初の挑戦者が万が一勝ちを収めれば名誉と共に狙われる事になる。故に実力の程は・・・
審判役となったフォンの
「始めっ!!!」
の合図と共に二人丸々決闘場を覆い尽すのは半透明のドーム。
「ふはははははっ、これで貴様は魔法が使えないっ!
備えて魔力蓄体を大量に持ってる私と違ってなっ!!!」
「・・・・・・、これって認められるんですか?」
「・・・、認め・・・られる。済まない。」
定められた公正な判断を下すフォンには苦渋の色。人情的にはこれは反則だから。
「ああ、いいですよ。この程度ハンデにもなりませんから」
「はっ、ぬかせぇっ!!!」
魔導士から放たれるのはマシンガンな魔法弾、それは狙い誤らずディに迫り・・・
「・・・、所詮この程度ですか」
「なっ、なにぃいいいいいいっ!!?」
それの抜き間を縫うように最小限の動きで避けるディのそれは正に武人の動き。
「こちらも魔導士ですよ? 撃つのが分かっていれば避けるなど容易なことです」
普通の魔導士なら、魔導が使えなければ普通の人も当然。
騎士,戦士としての訓練も積んでいなければとても出来ない芸当である。
だから魔導士が手数を増やした処で・・・ようやく大太刀を使わせる程度に
ダメージを負わせるには及ばない。
「僕が小細工に頼ってばかりだと思いましたか〜〜」
「うおっ、うわああああああっ!!?」
「そもそも、この程度の結界・・・
以前に魔導封じの策を僕が考えていないとお思いなのが(笑」
猛る勢いそのままに迫る魔法弾を片手で揮う大太刀で捌き、片手で懐から取出すのは魔石。
「???」
それを握った拳を前に出し、握りつぶした拳から毀れる燐光がディの身体に吸い込まれ
バサァ!!
その背から生えるのは、正に一対の燐光翼。
それと共に許容量オーバーで耐え切れず砕け散る魔導封じの結界。
対戦の魔導士のみならず観客(?)含め皆呆然に行動を忘れる始末。
「・・・まぁ、これじゃつまらないので僕は魔導を使わずお相手しましょう。
精々、知恵と策の限りを尽して下さい。仮にも魔導士と名乗っているんですから」
ディの総戦術は元々己より強者,怪物,対多数が前提である。ならば最悪の事態も想定内。
温室育ちの魔導士が若くともツワモノ達に揉まれ鍛えられた歴戦の戦魔導士に勝てる
わけもなく、優々と居合いに入り込まれるや一閃、大太刀の峰撃ちでクリティカル。
「・・・、手間ですねぇ。一層の事、皆まとめて掛ってきたら如何ですか?
もしかしたら傷の一つぐらい負わせる事ができる か・も しれませんよ?」
それが挑発すら分からず乗るのが身の程知らず。
彼等総出掛りでディを本気にさせたか、本当の装備を使わせたかは・・・
態々記すことでもない。蛇足に、死者は0は当然である。
それが、某歴戦の英雄直伝に「コワ」されて再起可能かは別として。
だから、ディが今傷負わずとも肩で息をし大太刀を支えに立つのは否めない。
腐っても相手は魔導士。それをディ自身も魔法を使ったとはいえ「不殺」制限付きだから。
故に、ディは背後に立った凄まじいまでの殺気に
「っ!!?」
斬っ!! と正真正銘必殺の勢いで揮われた狂戦鬼の大太刀は
「おうおう、老人に対し行き成り斬撃で挨拶たぁ御機嫌じゃねぇか」
「・・・そういうセリフはイタイケな少年をからかう事をしなくなってから言ってください」
老師リーの指摘みの真剣白刃取りで停止。 流石、老いても「烈火の法王」か。
もはや周囲で立っているものは老師リーとフォンのみに健在な気配も感じないので
罰の悪さも手伝ってスラリ収まる刃。
「しかし、戦魔導士たぁ名乗るだけあって見事な太刀捌きだな。
警備員さんよう、因みにディは余り魔法を使ってなかったわけだが・・・如何なる?」
「豪勢に魔法を使ったにも関らず勝てなかった以上、恥さらしも良い所で
アルマティに居る事は出来ないでしょう。・・・復帰出来ればの話ですが。
既に救護員に連絡が入れてあるので、コレの後処理は彼等に」
「もう、何でもいいですよ・・・それで何でリー先生はココにいるんですか?」
「おう、中々来ねえと思ってたら決闘してる話聞いたから見に来た」
「・・・なら、ゴミ掃除ぐらい手伝ってくださいよ」
「最近の若い者は忍耐無くっていけねえよなぁ?」
「それは・・・どうなんでしょう(汗」
仮師弟の争いにフォンが巻き込まれるのは迷惑も良い所だが、彼等よりの者と見られた以上
逃れる事は出来ないだろう。 そのことがデメリットになることはないのだが。
「・・・とりあえず、研究室へ行きませんか?」
「お前の研究室じゃねぇ」
「リー先生の研究室でもないですけどね、ヒミカ先生のであって」
「弟子のモノは俺のモノ〜〜♪」
「・・・何でもいいですよ。ルナはヒミカ先生の処にいるんでしょう?」
「何、あの胸で休まりたいだと?」
「何でっ!!!  コレをルナに返したいんですよっ!!!」
・・・二人の漫才(?)は見てて飽きないな と思うフォンであった。

暇潰しで始めたディオール=クラウスの高度で高性能な汎用魔石の講義は
日が追うに連れて人が増え、モグリながら口コミで広がり人気講義級となっていた。
それは、それだけ真面目に魔導の研究をしている者がいる事でもあるのだが
魔術都市アルマティからみれば、それは些細な数。されど侮れない数。
そんなある日、教授室に集うのはリー老師にヒミカ、そしてディ(+ルナ)。
「何だ? 態々時間を作らせてまで呼び出して」
「そろそろ帰らなければならないので、置き土産の説明を」
「「???」」
ディの合図に礼儀正しく入室するのは、人あらざる人型 魔導騎兵。
外見はサイズ成人女性程度の細身で「人間」も偽装出来る凹凸のない甲冑な感。
「これが?」
「生体学科,錬金工学科,魔導医療科の人達が人間を模して造られた鋼の身体に
血液として流れるのは霊薬精製科の人達の協力で作った霊液『輝ける霊血』。
ココまでなら上等なゴーレムでしかありませんが、自立思考,身体制御,姿勢制御に
各々専用に生成した魔石を用いているだけではなくブランクの魔石で自己進化も可能。
最早これは一個の生命体?的な機能を備えているだけではなく、その戦闘能力は
僕が持ってきた魔石の持つ歴戦の方々の御技を丸々知っているので超戦士クラスに、
耐魔法コートで魔法は受け付けないので、固定武装無く魔法が使えずとも問題無し。
これはもう魔導騎兵などではなく、魔導機人(マキナス)?
まぁ、ぶっちゃけ・・・友人と開発した魔導機の鷹が元ネタではありますが。」
「それで、これを俺に預けて如何しようってこった?」
「これは、そこいらの『バカ』よりも善悪の区別がつき柔軟性がある上に
戦士としても超一流ですから、きっと守護者になってくれるでしょう。
まぁ、僕の自己満足なんですけどね。」
「・・・目的は如何であれ、てーしたモノだ。でも、それだけ高性能なら稼働時間は?」
「心・配・御・無・用っ。 何かあった時の起動必要エネルギーは桁外れですが
表皮装甲が基本的に光をエネルギーとして取り込む上に半永久機関も完備で、
連日連夜トライアル戦闘活動をしない限りバッテリー切れの心配は無しです」
「完璧じゃぁねえかっ!!」
「でも、喋れないんですけどね。進化と言っても、このサイズ人型から
変わるわけではありませんから。武装は追々造っていくしかないです。
自己修復は出来ますが、生物みたく自己増殖は論外ですし・・・」
「ば〜〜ろっ、それは神の領域だっ」
「その神に挑戦するのが我等魔導士の努め・業かと思いますが?」
「へっ、コワッパのくせに言ってくれるぜ」
オモチャを前にして子供大人に関らずはしゃいでしまうのは男のサガだろうか。
魔導機人と共に銀狼ルナを弄んでいたヒミカさん、思い出したかのように
 「この方のお名前は何ですか?」
「それは、決めかねているんですよ。
『ウィズダム(知恵)』か『シゲルーン(命)』か、ドチラがいいですか?」
と、ディが尋ねるのは当人である魔導機人。返事は、自分には決めかねるとゼスチャー。
「名は体を表すといいますから早急に決めず、じっくり検討して下さい。
後、これは『彼』に関する情報を全て記憶させた魔石です。『彼』と同様の存在を
造る事が出来る人ならコード無くとも見る事が出来ますがお知らせします。内密に」
宝石のような魔石と共に渡された紙切れを二人は見頷き、それは空で燃え風と散る。
彼の存在を機に、この都市が生まれ変わったかは後世の人が判断することだろう・・・
ただ確実に記されているのは、アルマティで法王の実力を持ちながら短期滞在故に
無冠の『光晶の法王』の存在。それ故にその年度は法王が決しなかった事実。

別れの日、塔内の転送部屋に集うのは送られるディに銀狼ルナに
送る者『烈火の法王』リーに炎術講師ヒミカ,警備員フォン。それに魔導機人。
これだけが今日、ディ達が帰る事を知る者
「ん〜〜、やっぱり勿体ね〜なぁ」
「・・・・・・(頷」×3
「まだおっしゃりますか。無駄ですよ、ココの構造は解析済みですからもう自力でも」
「・・・・・・チッ」×3 +1
「・・・全く」
「はっ、安心しろ。選別代わりにキッカリ送ってやらぁ。サッサと帰れ」
「では・・・、お世話になりました」
 「わん」またね
 「ディ君、ルナちゃん、さようなら・・・(シクシク」
「君と友人になれて俺は幸運だ・・・」
そして瞬後、描き消えるディとルナの姿。
「・・・俺達にゃ湿っぽいのは似合わねえっ!!」
決意新たに、彼等もまた己の戦場へ向かう。その戦場の名は魔術都市アルマティ。


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