三周年記念&暑中見舞い小説  「海辺の乙女達」


大国ハイデルベルク内でも屈指の貿易港として知られる都市ローエンハイツ
偉才としてもはや有名人ともなったフロスティ率いるローエンハイツ騎士団の活躍で知られる街でもあるが
この時期となればこの街は違った一面を見せる


それは一面に広がる広大な白い砂浜とそれ以上に彼方まで続く青い海・・
ローエンハイツの近くにあるこの海水浴場はもはや有名スポットに取り上げられるほどで
延々と続く砂浜には数多くの客がきており大いに賑わっている
それに伴い商売目的な者も多く海の家やら公衆トイレまで完備されておりまさに文句なし
こうした店があるのならばゴミなどが出てくるのだが近年ローエンハイツで環境美化の法が施行されて
私服の騎士団が巡回してゴミのポイ捨てした者を取り締まり罰金を科しているのだ
これには行き過ぎと反発する者もいるのだが結局は個人のだらしなさの問題であるために申し立ては却下
・・現に国内にある海水浴場の中で美化運動が進められているここが一番綺麗であり
他は大概シーズン中はゴミで汚れてしまう現状なのだ
そんなわけで客もゴミの始末だけは気に留めているものの後は各々、青と白の楽園を満喫していた
そしてそんな中に借り物のパラソルとシーツを敷きのんびりと休暇を満喫している一組のカップルが・・

「いいねぇ〜、この環境!」

黒いトランクスのみで自慢の肉体を露出する金髪男クロムウェル
サングラス着用でいつも以上に悪人面状態になっているのだが本人は全く気に留めていない
「そうねぇ・・潮風が気持ち良い・・」
その隣で寄り添うように座るは白い三角な紐ブラのビキニ水着に麦藁帽子を被ったタイム
騎士という仕事を忘れ今日は完全プライベート・・
露出が激しい水着で照れながらも二人でのデートが嬉しいようで上機嫌の様子
「タイムの水着姿も最高♪記憶球で撮影しておくか?」
「馬鹿!恥ずかしいじゃないの・・」
慌てて股間と臍を隠すタイム、恥らしい仕草にナンパ目的で徘徊している若者はチラチラ彼女を見ているのだが
「・・・ああっ?(ギロッ)」
本域で殺気を出すクロムウェルに慌てて逃げていく
そのために周りの一般客は彼らはヤクザと愛人みたいな関係と思い込んでいるご様子・・
「もう、暴力沙汰はやめてよ?」
「わ〜ってるって。ここでもめたらフロスさんも筒抜け・・ってか多分俺達がここにきていること知っているだろうなぁ・・」
「こんな娯楽施設の見回りも担当するのも大変よね」
「まぁ、ローエンハイツはルザリアと違って闘技場もあるしな。
難民テント群がない分そこらが大変なんだろうさ」
「そうね・・、そうなると各部署同士の連携をもっと綿密なものにする必要もあるし・・ここから街までの繋ぎも・・」
ぶつぶつと呟き出すタイム、それにクロムウェルは彼女の麦藁帽子を押さえながら・・
「おいおい、仕事の事は忘れなさい」
っと笑ってみせる
「・・もうっ、髪が乱れるじゃない!」
「プライベートに仕事の事を持ち込んだ罰だ♪」
「・・ふふっ、ごめんなさい♪
ああっ、サンドイッチ作ってきたの。一緒に食べましょう?」
二コリと笑うタイム、お互い満足な海の一日が開始されようとしていたのだが・・

”ん・・・?タイムとクロムウェルか?”

ふと視界の先に異様に長い白髪の女性の姿が・・
「お・・え・・?シトゥラじゃないか!」
見れば同じくルザリア騎士団に所属している白狐族の美女シトゥラがいつものドレス姿でそこにいる
ほとんどの客が水着姿の中、この姿はかなり目立っている・・・
「お前達も”かいすいよく”というものに来たのか?」
「え・・ええ、そうだけど・・シトゥラも・・なの?」
「うむ、休暇を貰ったからまた海が見たいとスクイードに言ったんだ。
そしたらここに・・」
本人としては周りが何をしているのか全く不明な様子
浮いているのも仕方ない
そこに

”シトゥラ〜、パラソル借りてきたよ〜”

いつもとは違い能天気な男の声・・そしてシトゥラと合流するとともに硬直する
「・・スクイード、シトゥラを誘ってデートかぁ・・成長したなぁ・・俺は嬉しいぞ!」
「へ・・変態!?それに団長まで!?」
驚く青年スクイード、いつもの仕事の鬼はどこへやら、海パンにアロハシャツを着てレンタルパラソルを背負いながら
間抜け面になっている
「・・あ・・・ああ。スクイード君も海水浴か?」
部下を目の前にしてタイムはなんともいえない表情
知り合いなんて誰もいないと思ったから少し勇気をだして露出の激しい水着を選んだだけに
かなり恥ずかしいらしい
「え・・ええ・・、団長も・・でしたか・・」
「おいおいスクイード。タイムは休暇にプライベートで来ているんだ。団長って無粋な呼び名は止めておきな」
「変態・・し、しかし・・」
オロオロしながらも彼の視線はタイムに釘刺し
「お〜い、彼女連れてきておいて別の女に集中するたぁ良い度胸じゃないか」
「ば・・馬鹿な事を!?僕はシトゥラが海を見たいということで案内しただけで・・・
これは・・その・・デートなどでは・・」
あからさまに照れるスクイードだが当のシトゥラは周りをキョロキョロしたままだ
「まっ、口ではなんとでも言えるわな。ともあれ、お互いプライベートだ。余り気にせず休日を満喫しようじゃないか」
「そうだな・・うん、それがいい」
「・・それはそうとクロムウェル?」
「んっ?どした、シトゥラ」
「何故ここにいる人は全員下着姿なのだ?」

・・・シーン・・

素朴なシトゥラの疑問に一同沈黙・・
「・・そうかぁ、氷山育ちにゃ海水浴なんて知らないし水着も知らないものな・・」
「うむ、海を見る割にはそこまで薄着をする必要が・・」
「ああっ、スクイードは見るだけじゃなくてお前と海で泳ぎたいんだよ。
タイムが着ているこのエッチな下着っぽいのは・・(メキャ!)
げふ・・、下着のようなのは・・水着って言って泳ぐ時に着る物なんだ」
説明中に綺麗に裏拳が入るのだがそれでも説明を続けるクロムウェル
その態度は賞賛に値する・・
「なるほど・・泳ぐと服が濡れて重いからな・・納得した。大きい風呂みたいなもんだな」
二コリと笑うシトゥラ
「まぁ・・そんなもんか。そんじゃスクイードと泳いでこいよ?気持ちいいぞ♪」
「ちょっと待て・・シトゥラに水着なんて・・」「うむ・・わかった」
スクイードが言いかけた瞬間にシトゥラが口を挟む
そして

バサッ!・・プルン♪

軽く服を脱いだと思いきや瞬間全裸になるシトゥラさん
元々下着などは着用していないし着ている普段着も上下つながっておりいとも簡単にパージ可能・・
故にいきなり豊満な胸やくびれた美しい腰、そして普段外で働いている者とは思えない純白の素肌がそこに出現する
だが次の瞬間に・・
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
スクイードがパラソルを投げ急いでシトゥラの胸に腕を回し股間に手を当てて隠す
「ん・・あぁ・・スクイード・・今日は、積極的だな・・」
対しシトゥラ嬢、艶のある声を出しながら何か勘違いしている様子
「い・・いきなり脱いだらダメだよ!シトゥラ!」
「ん・・?私は水着なんて物もっていないし要は風呂と変わらないんだろう?ならばこのほうが・・」
「と、とにかくだめなんだ!水着ならそこの店でも売っているからそこで選ぼう!ねっ!?」
「・・ふむ、スクイードがそういうならばそれでいい」
全裸のまま全く動じないシトゥラ、この態度がスッポンポンな姿を淫靡ではなく美しく見えさせる
対し相方は不可抗力に伝わってくる胸の感覚に反応しないように無心になりながら服を着せてあげる
独特な代物なのに何故か手馴れたものですぐに美味しそうな身体は衣を纏った
「そ・・それじゃ僕達は行かせてもうう。」
「お〜、ハバナイスデ〜♪」
顔を真っ赤にしながらタイムに一礼してスクイードとシトゥラは去っていく
今のシトゥラの行動でもはや今日のビーチの話題は彼女が独り占めな様子で道行く人たちがもう一回脱がないか
ピンク色な視線を送っていた
「・・ふっ、スクイード君もシトゥラに服を着せるのがうまくなったものよ・・」
「でも・・シトゥラの胸、すごくおっきい」
何気に自分のものと見比べていたタイムさん、目の前で堂々とさらけだしたそれに静かな対抗心が・・
「羨ましい?」
「そんなこと・・ないけど・・」
「巨乳は女の憧れって言うんだけどな〜」
「私は・・クロが好きな大きさならそれでいい♪」
デレデレに甘えるタイム、持参のバスケットからサンドイッチを取り出してクロムウェルに食べさせてあげる
何の変哲もないハムと卵のサンドイッチ
しかし、そこには彼女にしか出せない愛情が込められている
「クロ・・美味しい?」
「言う事なしだ♪仕事一筋な割には料理がうまいんだからな〜、良い嫁になるぜ♪」
「ば・・馬鹿ぁ!・・・あ・・」
顔を真っ赤にして照れるタイムだがふと遠くを見て硬直する
「どした・・?・・・う・・」
クロムウェルもそれにつられ後ろを向いて愕然とする
そこには・・見知った人物らしき人影がいたのだ

そこにいるは砂浜には全く相応しくない赤い特攻服を着た金髪女性
背には刺繍で「視姦上等!筋肉最高!」とあり
首からは海賊が使用するような高性能な望遠鏡をぶら下げて気合十分の様子
「いるわいるわ!!!これこそ筋肉祭りじゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
狂喜の咆哮をする女性・・カチューシャ=ラクレイン
それを遠方から早くも確認したクロムウェルとタイムは彼女に見つからないようにパラソルの位置をそうそうに変えて
死角を作っている
「カチュア・・、妙な格好をするな」
その隣であきれ果てているはブーメランパンツ姿の相方キース
オーソドックスで、ある種エロチックな水着は彼の鍛えられた肉体をあますことなく披露しており
正しく頼りがいがあるライフセーバー
この正反対な二人が恋人同士であるとは周りで呆然としている一般客からは想像できないだろう
「気合よ!キース!やっぱ海はいいわぁ・・おおっ♪筋肉ぅ〜ん♪」
「・・やれやれ、泳ぎに行きたいと言いだしたから何かと思えば・・」
「ほらっ、キースも!あの人の大胸筋すごいわよ!」
今にも鼻血が噴出しそうなほど興奮しているカチュアにキースは頭を掻きながら何ともいえない顔になっている
「・・男の身体を見る趣味はない。泳ぐ気がないなら俺は訓練に行ってくるぞ?」
「え・・ええっ!?キース冷たい〜!」
「・・俺にどうしろと言うんだ・・」
本人的には一緒に筋肉鑑賞してほしい様子だがそれに首を縦に振る男は普通いない
よっていつもながら無視して訓練に行こうとした時

”そこの貴方・・、周りのお客が怖がっています”

不意に紺のスクールな水着な女性が寄ってくる
褐色肌で黒い流髪の若い女性、だが幼い見た目をパーカーで包んで精一杯大人に見せているように見える
そして不意に取り出したのは騎士団を表す腕章・・
「ローエンハイツ騎士団の者です。詰め所までご同行を・・」
隙がない落ち着いた口調で話す水着女性騎士・・
しかし
「ああん?私はただ視姦しているだけ・・ってイグニスじゃない!」
「え・・あ・・カチュアさん?」
驚く女性騎士イグニス、かつてローエンハイツ騎士団に所属していたカチュアなだけに
この二人は必然的に顔見知り、当然もう一人も・・
「イグニスか・・」
「キースも・・二人ともどうして・・」
「ああっ、カチュアの強引な誘いでな。泳ぎたいと言っていたのだがこれが本当の目的だったらしい」
「後で泳ぐわよ!・・にしても、ずいぶんと可愛らしい格好じゃない?イグニス?」
「こ・・・これは・・グレン副隊長の命令で・・」
「あんの不良騎士、何命令しているのかしら・・」
「いえっ、訓練で負けた罰なので仕方ありません。
ですがカチュアさん、勤務地は違うとは言え一般人が怯えるような行為は謹んでください」
「これのどこが?」
「服装と大声だしている態度が・・だ」
「・・・わかったよ・・。本部に連絡されたら傷物集団にもみくちゃにされるしねぇ」
前科持ちなカチュアなだけにその対処は主にローエンハイツ騎士団の『影』の皆皆さんのお仕事だったり
故に意外にも素直に特攻服を脱ぎ捨て赤いパレオな水着を披露する
・・それでも望遠鏡を外さないのは意地なのか・・
「それにしても・・また腕を上げたようだな・・」
「キースさんも・・手合わせ願いたいところですが・・・」
「わかっている。仕事中だろう?また別の機会で刃を交えるとしよう」
「承知です。ですが・・負けませんよ?」
「俺もだ」
ニヤリと笑う剣士二人・・
そこに嫉妬深い彼女が口を挟む
「それはそうと、グレンとの関係はどうなったの?」
「・・えっ?副団長との・・?」
「だから、もうエッチしちゃったの?」
「な・・な・・何を馬鹿な!私と副団長は仕事上のパートナーで・・あっ、たまにプライベートでも訓練に付き合ってくれますが
決してそのようなふしだらな関係では・・」
「でも普通、部下にスクール水着強要しないっしょ?あのあんちゃんのことだから後で仕事抜け出してイグニスと合流しつつ
岩陰に連れ込んであれよあれよと♪」
「副団長はそんな人ではありません!・・と、とにかく!周りに迷惑かけないようにしてください!
失礼します!」
顔を真っ赤にしてその場を立ち去るイグニス
いつもの大人しく真面目な彼女と違い思春期の乙女な態度にカチュアの瞳がキラリと光る
「・・どうやら、あながちでもないみたいね」
「・・何がだ?」
「イグニスとグレンの関係よ!」
「ああっ、良くコンビを組んでいたな。戦闘能力に長け、迅速な作戦展開ができるからいつも切り込みを担当していたしな」
腕を組み懐かしきローエンハイツ時代を思い出すキース
「そ・う・じ・ゃ・な・く・て!恋愛よ!恋愛!!」
「・・はぁ?」
「生死を共にしてきた仲、おまけにイグニスは訓練の相手としていつもグレンを指名しているわけよ?
その裏では、『副団長、私がここまで力をつけれたのは副団長のおかげです。
ですから私の愛を受け取って私に夜の訓練をしてください!
貴方のロングソードを私の鞘に・・』みたいな展開に・・、ってキィィィィス!!!」
一人盛り上がるカチュアを余所にキースはアホらしいとさっさと去っていったのであった
「もう!いつまでも乙女心を解せぬ朴念仁めが!
・・まぁいいわ♪筋肉筋肉〜♪」
キースの回収(?)は後にして本域で筋肉鑑賞に取り掛かるカチュア
目立つ特攻服をさっと砂浜に敷いてそこにうつぶせになりながらブローイングポジション、
極力目立たないように身をかがめて望遠鏡を覗き込む
「・・お・・おお〜♪今年の筋肉は豊作ねぇ〜♪」
望遠鏡の先には逞しく動き回る筋肉、筋肉、筋肉!
小麦色に焼けたそれはカチュアの心を酔わせる
「うう〜ん、いいわねぇ〜・・・おっ!あのマッチョさん筋肉指数80ね!」
ふと大好物であるマッチョマンが海辺でポージングしているのを発見し、早速サーチしているカチュア
そこに

”いんにゃ、そりゃ過大評価だねぇ〜、ありゃ指数78だ!”

気の抜けた声がすぐ後ろに響きカチュアは飛び起きながら警戒しだす!
「何奴!!?」
「なにやつって・・見ての通りの売店商人さ」
そこにいるはボサボサな蒼髪に腹巻ステテコなおっちゃんスタイルの女性
この場に似合わないグルグル眼鏡をつけておりその素顔が良くわからなく
屋台なリアカーにもたれながら団扇を扇いでいる
「見ての通り・・って寧ろラーメン屋台じゃない」
「普通に店構えるよりかは雰囲気あるだろう?まぁ売っているものは雑貨なんだけどねん♪」
意外としっかりとした屋台には日焼け止めクリームやらゴザやら飲み物やらが置かれており
確かに商売をするために来ているようなのだが・・どこか違和感を覚える
「ふぅん・・、まぁいいわ。でも商売しなくていいの?」
「まぁ〜、採算取れる程度でいいしねぇ。それよりもあんた、良い趣味もってんじゃないかぁ♪」
「っ!?ってか貴方!何故『オトコスキー式筋肉指数計算方式』を知っているの!?」
「知っているのも何も私も同じ趣味を持っているからさ♪」
ニヤリと口元を上げる屋台のねーちゃん
「・・同業者・・ってわけね」
「まっ、あたしは他にも色々と趣味があるんだけどねぇ・・」
ニヤリと笑うねーちゃん、その笑みには酷く卑猥なものが込められているのだがカチュアはまったくおかまいなし
「なるほどねぇ〜、まぁいいわ♪仲良く鑑賞ってわけにもいかなさそうだしね」
「わかっているねぇ。こちとら仕事でね・・。代わりに良い情報を教えてあげよう!
西の方にさっき訓練中の傭兵さん達がいたよん♪ダイアモンド級の綺麗な筋肉だった!」
「なぬ!!!?それを聞いちゃだまっていられねぇ!そんじゃありがとね〜!!!!」
いてもたってもいられずに起き上がり、特攻服を握り締めながらカチュアは一目散に走り出す
「あいよ〜♪・・ふぅん・・ここいらは変わり者がいるもんだねぇ〜
まぁいいや、今日も欲求不満の乙女にあたしの悩殺アイテムをご提供しましょう〜♪」
そういい女性はリアカーをひきながら砂浜で楽しんでいる乙女達を物色しはじめるのだった

・・・・・・

一方
「・・・・向こう行った?クロ?」
カチュアに見つからないようにパラソルの位置を変えながらスッと様子見していたクロとタイム
「・・ああっ、何か急に向こうに走っていった・・なんだあいつ?」
「よかった・・」
ほっと胸を撫で下ろすタイム、カチュアとばったり遭遇するとなれば茶化させるに決まっている
今日は二人だけっと張り切っているタイムさんだけに第三者介入は極力ご遠慮願いたいのだ
「ってかキース、無視してどっか行ったし・・ありゃ歯止めが利かないぜ?」
「放っておきましょう?私やクロが注意して聞く子じゃないもの」
「ははは・・流石のタイムもカチュアにはお手上げか・・」
「仕事はきちんとするけど要所要所で・・ね」
とほほとため息をつくタイム、それが恋人の妹であることがさらに複雑にさせていた
「あいつが真面目に仕事するとも思えないけどなぁ・・でもなんというか、結構知り合い多いよな・・」
「うん・・だったら・・この水着も恥ずかしいかも・・」
「着替えるのは認めません♪」
そう言うとタイムの肩に手を回し自分の元に引き寄せるクロムウェル
「へっ・・クロ・・まさか・・だめ・・」
それに思わず頬を染めて慌てるタイムだが・・
「んっ?なんだ?もうシたいの?」
「ばっ!馬鹿!急に抱き寄せるからびっくりしただけよ!」
「ふぅん・・それだけぇ?肩を抱くだけで満足ぅ?」
「・・それは・・今日の夜に・・」
「ふふふ・・そう言うと思ったぜ♪」
「・・馬鹿・・」
プイっとそっぽを向くタイム、その仕草さえ愛らしい
だがこれまたそっぽ向いた先には・・
「・・あらっ?タイムさんじゃない」
隣でパラソルを立ててゆったりと寝転ぶウェーブなオレンジ髪の女性
局部の部分を隠しているだけの黒く殆ど紐な過激な水着着用でサングラス装備
清純なタイムの姿と違い周りの男を魅了する姿なのは同じ職場のアンジェリカさん
「うおっ、アンジェリカ・・すごいなぁ・・」
「あらっ、クロムウェルも・・ふふっ、これはお邪魔だったかしら?」
ニヤリと挑発的に笑うアンジェリカさん
「まぁプライベートだけどな。にしても、タイムも張り切ってこれだけどアンジェリカには敵わないか・・」
「うふふ、魔女は男を誘惑するものよ?どう、クロムウェル・・私の誘惑にのってみる?」
そう言うとクロムウェルの方を向き身体を開脚、意外に体が柔らかく180度ぴっちりと股が広がり
ほとんど丸出しなそこを見せ付ける
「うおおおおおお!!!桃源郷はっけ(プス)のおお〜!!!」
「・・それじゃ露出狂じゃないの・・」
身を乗り出して鑑賞しようとするクロムウェルの目を潰しながらタイムがアンジェリカを非難する
「あらっ?砂浜で全裸になって水着を着ようとしていたシトゥラに比べたら可愛いものよ?」
「・・・・また脱いでいたのね・・」
「あらあら、二回目?まぁあの肉体ならばさらけ出しても問題ないかしらね・・」
「・・どちらにしてもシトゥラも貴方も過激よ?」
「そう?まぁタイムさんにこんな格好は無理かしらねぇ・・うふふ・・」
わざと自分の胸を揉みあげ豊乳アピール
それにタイムは少し歯を噛みながらイラつく
・・本人も立派な体型なのだが・・
「私はクロが気に入ってくれたらそんなに大きくなくてもいいの。無駄に大きいと仕事に支障がでるしね」
「そう言ってクロムウェルの好みの変えようって魂胆かしら?うふふ・・」
「むっ・・」
美女一触即発、そこにようやく目の傷が治まってきたクロムウェルが仲裁に入る
「待て待て待て待て!皆海を満喫しているなかに険悪な空気を出すなっての!」
「・・そうね、ごめんなさい・・クロ・・」
「わかればよろしい・・」
「でも・・クロ、巨乳が好みなの?(ギロ)」
「あ〜いや〜、俺はタイムの胸が好きだ♪」
「クロ・・もう!やだぁ♪」
「あぁら、ごちそうさま」
「んなことよりもアンジェリカ、一人でそんな危ない水着着て海水浴かよ?それはそれで寂しいぞ?」
「それに私達の間には入ってこないでよ(ジー)」
「まさか、隣だったのは偶然だし一人で来ていないわよ?」
「うん・・?アンジェリカが誰かと一緒ってのも珍しいな
・・フィートか?」
「そんなわけないじゃないの、まぁそこらは私もプライベートだから秘密・・ってことね」
二コリと笑うアンジェリカだがどこか相手については焦っているようにも見える
「まっ、スクイードにも言った事だけど各々の休暇だからなぁ・・」
クロムウェルも余りアンジェリカには気にしないつもりだったのだが・・

”お待たせしました。飲み物ですよ”

颯爽とアンジェリカの前にジュースを二つ持って現れるはヒョロリとした冴えない青年
水着が余り似合わないのだがそれ以上にクロムウェルとタイムは驚く
加えてアンジェリカもこんなに早く帰ってきたのか・・っと内心動揺し気味・・
「「クライブ!?」」
「えっ・・?ああっ、クロムウェルさんにタイムさん。お二人も海水浴ですか?」
「え・・ええ・・そうだけど、あの・・お二人は・・?」
見ればアンジェリカの表情が少しこわばっている、それとは対象的にクライブは爽やかな笑顔で
少し照れくさそうにしており・・
「ああっ、うちで働いてくれている看護婦がたまには休めって言ってきましてここの海水浴場の招待チケットを二枚くれたんです」
「ふぅん・・それで一人だと面白みがないから製薬の協力してもらっているアンジェリカを誘ったってか」
「!!ク、クロムウェル!何でその事を知っているの!?」
何気ないクロムウェルの言葉にアンジェリカさん、らしくなく慌てる・・
「えっ、あっ、いやぁ・・まぁ色々と情報網があるんだよ・・あは・・あはははは・・」
よもや以前妊娠疑惑で尾行したとは口が裂けてもいえない
もし言ったらタイムに串刺しにされてアンジェリカに大気圏突入まで打ち上げられること間違いなし・・
「流石は元なんでも屋ですねぇ・・、まぁそういう間柄・・ですね。
アンジェリカさんも無理言ってすみません」
「い・・いいのよ・・クライブさん」
クライブをなだめるアンジェリカ、実はこの二人交際中
おまけに今クライブが言ったことは嘘八百で本当はアンジェリカの提案であったり・・
らしくなくクライブに一目惚れなアンジェリカさん、
過激すぎる水着も彼を興奮させるための演出というのが本当の目的であったりもする
「ふぅん・・、だからと言ってアンジェリカがそんなに簡単に誘いにのるとはねぇ・・」
「・・冴えない男に華を添えてあげただけよ。日頃協力をお願いしているわけだしね」
ふんっと鼻で笑うアンジェリカ
対しクライブも頭を掻いて苦笑い
「なるほどね・・、まぁ忙しい二人なんだしこうした息抜きも必要ね」
「そっ、だから・・まぁお互い干渉なしにしましょう?」
「それはこちらも同じ、さっきから知り合いばっかりで困っているの」
せっかくの二人っきりなのに・・っと眉をしかめるタイム
「それもそうね・・私も気をつけないと・・」
っと軽くため息をつく
その時

「大変だぁぁぁぁ!子供が毒くらげに刺されちまったぁぁぁ!!!」

海辺から叫び声が・・・、何やら家族連れが慌てているようで何事かと野次馬が集まり出している
「・・急患ですね、行きますか」
そう言うとクライブはアンジェリカの反応も待たずに走り出す
「・・やれやれ、あの人もどこまで行っても『医者』ね」
アンジェリカも苦笑いしながら貴重品を取り出し彼の後に続いて行くのだった
「・・・・・・、なんというか・・・恋人じゃ・・ないよな?」
「・・ううん、でも何か仲良さそうだったね」
「ふむ、そうか!謎は全て解けた!」
「えっ?わかったの?あの二人の関係・・」
「ああ・・たぶん・・・アンジェリカが女王様でクライブが奴隷だ」
自慢げにそう言うクロムウェルだがタイムは目が点になっている
「・・はぁ・・?」
「つまりはSとMの関係なのだ!!」
「・・・馬鹿、飲み物買って来るわね」
呆れるタイム、色々と雰囲気が潰れてしまったのでここらで買出しに行こうと席を立つのだった
残されたクロムウェルはと言うと
「・・むっ、ならば他に何の関係が・・、実は・・姉弟・・とか・・」
馬鹿な推理に熱がかかっていったようである

流石に国内で一番な人気を誇る海水浴場なだけに店の数も多い
ただそれに比例するように客も多いが故にどの店は結構混雑気味
「ううん・・、まぁこんな時期だしね」
混雑して列に並ぶこと事態は別にいいのだが、一人にさせているクロムウェルの動きが気になっているタイムさん
こんな開放的な場となればクロムウェルも何をしでかすかわからないために少し不安になっている
・・とはいえ、彼もタイムがすぐそこにいる状態でナンパをはじめるわけもないのだが・・
「あっ・・」
そんな中、きちっとした海の家ではなく空いているお粗末な屋台店を見つけそこで飲み物を買おうと歩みよる
「いら〜さ〜い♪」
団扇を扇ぎながら適度にだらしがないグルグル眼鏡の店主、これでは余り客がこないのも無理はなさそう
「すみません、飲み物ありますか?」
「あいよ〜♪良く冷えたレイコがあるよん♪」
「レ・・レイコ?」
「ああっ、アイス珈琲さ♪」
「・・か・・変わった呼び名ね。じゃあそれ二つ・・」
「あいよ〜♪」
そう言うと氷が入った防水ボックスから良く冷えた瓶を取り出し紙コップに注ぐ店主、
蒼いボサボサ髪とその独特なグルグル眼鏡を見てタイムはふと目を細める
「・・あの・・」
「あい?ああっ、あたしの珈琲は少々薄めだから別に後で余計に喉が渇くとかはないよん♪」
「あっ、そうじゃなくて・・どこかでお会いしませんでしたか?」
「んん〜?あたしと・・」
ジーとグルグル眼鏡越しにタイムを見つめる店主
「私も・・余り思い出せないのですが・・以前どこかであったような・・」
「あ〜!・・知らないね♪」
あっさりと言う店主に思わずガクっとなるタイムさん
「・・そうですか・・、すみません。変な事聞いて・・」
「いあいあ♪そんな事よく言われるからねぇ・・それよりもお嬢さん♪こんな暑いのにまるで雪のような白肌だねぇ
・・日焼け止めは万全かい?」
「え・・あ・・別に何もしてないですけど・・」
「そりゃいけない!サービスでこの日焼け止めクリームを彼氏に塗ってもらいなさい♪」
キラーンと白い歯を見せながら取り出すは回復薬(ポーション)用瓶に入った白い液体
「えっ!?あ・・いや・・でも・・」
「まぁまぁ、袖擦りあうも他生の縁ってね。健康的に小麦色の肌になるのも悪かぁないけどお嬢さんみたいな可愛い乙女はやはり
白い肌じゃないとねぇ」
「は・・はぁ・・ありがとうございます。いくらですか?」
「んっ?ああっ日焼け止めは無料でいいよん♪」
「いいんですか?」
「ふふふ、美肌美人が焼けるのを見るのが忍びなかっただけさ♪まぁ気にしなさんな♪」
「それでは・・・遠慮なく、ありがとうございます」
「いいってことよ♪良い夏を〜♪」
アイス珈琲の金を渡してクロムウェルの元に向かうタイム
それを静かに見つめる店主なのだが・・
「ルザリアで会ったあのおねーちゃんかぁ。こんなところで会うなんて意外だねぇ・・
まぁその日焼け止めを彼氏に万遍なく塗ってもらって・・・しっかり楽しんでくださいな♪」
彼女の後ろ姿を眺めながら店主はひどく卑猥な笑みを浮かべるのであった

「お待たせ、良い子にしていた?」
一直線にクロムウェルの元へと戻ったタイムだが意外(?)にもクロムウェルは大人しく海を見ていた
「んっ?なんだよ・・良い子にって」
「いや・・ナンパとかしていたら嫌だったから・・ね」
大人しくしていたクロムウェルにタイムも嬉しそうだが・・
「ああっ、そんなことよりも面白い事があったんだよ」
「???」
「ほらっ、あそこ見てみろよ」
クロムウェルが沖の方を指差しているのだが常人では到底何があるのか理解できる距離ではなく・・
「・・何?私じゃわからないわ」
「だめだなぁ・・スクイードがシトゥラに泳ぎを教えていたんだよ。
・・まぁ全然わからんらしいからずっと犬掻きだけどな♪」
凛々しき女戦士が浮き輪に捕まりながらパタパタと足をこぐ姿は滑稽でそれを思い出しクロムウェルはにやけ出す
「もう、干渉はなしって事じゃなかったの?」
「はははっ、目に付いた以上は放っておけなかったんだよ。それよりも何だ?その瓶」
「・・ええっ、アイス珈琲買ったついでにもらったの。日焼け止めだって」
恐らくは自家製な日焼け止め、市販とは違いラベルもくそもないのでちょっと怪しい
「・・ってか日焼け止めつけていなかったんだな」
「うん、余りそういうの気にしていなかったから・・つけたほうがいい?」
「もちろん♪さぁ横になりなさい・・塗ってしんぜよう♪」
「うん・・でも、変な事しないでよ(ジー)」
「善処します」
そう言うとニヤニヤしながらタイムをうつぶせにさせる
男なら憧れるシチュエーション、うつぶせになった途端に上の紐を解きだす
「ええっ!?ちょ・・ちょっとぉ!!!」
それに大慌てなタイム、殴ろうにも起き上がることもできない・・
「何って、邪魔だからほどいただけだよ。紐の後が変につくのも嫌だろう?」
「う・・そうね・・」
「まぁそういうことだ。じゃあ塗るぜ〜♪」
至極満足そうに日焼け止め瓶のコルクを抜き白い液体を手につけタイムの背中にいやらしい手つきで塗りだす
「ん・・くっ・・はぅ・・」
「何艶っぽい声出しているんだよ?」
「ち・・ちが・・くすぐったいの・・」
ヌルヌルした感覚が背中を伝わるのだがそれが以前彼の悪戯により経験したローションなプレイを思い出して
ちょっとだけ気持ち良く感じているタイムさん
「ふぅん・・別にいやらしく塗っていないんだけどなぁ・・(ニヤニヤ)」
嫌な笑みを浮かべながらマッサージをするが如くシッカリと塗っていく
「ひゃ・・ク・・クロォ!指の隙間までそんなにしっかりしなくても・・」
「タイムの白い肌が焼けるのが忍びないだけなんだよぉ(ヘラヘラ)」
「う・・嘘っぽい・・事を・・んんっ!」
両腕と背中を塗り終えたクロ、次は豊満なお尻へと向かいやわらかいそこを下心をぶつけながら触り出す
「ん・・ク・・クロ!いやらしいこと考えているでしょう!?」
「おいおいおい、人の善意を疑うもんじゃないですよ♪」
「馬鹿・・ふぅん!・・も・・もう手が届かないところがないからいい!(バコ!)」
「んがっ!・・もう照れちゃって・・」
うつぶせに寝転がりながらも死角なクロムウェルの頬を正確に叩くタイム
それほど深手でもないのだがこれ以上しつこくするとそれが数乗になって返ってくるので
意外にもあっさりと引き水着の紐をつけてあげる
「んもう・・くすぐったいじゃない・・」
起き上がりながら残った日焼け止め液をパパッと塗りはじめるタイム
だがどこか顔が赤く染まっているご様子で先ほどのプレイ(?)もまんざらでもないらしい
「そんなもんだよ、にしても・・結構上等な液だな。全然ベトつかないや」
「そうねぇ。自家製の割にはしっかりしているみたい・・」
「白いからもっとベトベトでヌルヌルなほうが・・(ゴス!)・・冗談だよ・・」
「馬鹿、でも日焼け止め塗ったから・・海に入れないわね」
「どの道、今知り合いだらけだぜ?」
海を見ながらクロムウェルが軽く息をつく
「・・そうなの?」
この場所では常人では到底見えないが彼には隅から隅までわかるらしい
「まず砂浜でクライブ達がさっきの治療の後始末しているだろ?
沖じゃスクイードがシトゥラに泳ぎ教えているし、ちょっと人が少ないところじゃキースが半身浸かりながらスクワットしているし
何気にカチュアが海に潜りながら望遠鏡で視姦中だ。
・・・誰かしら接触するだろうな」
「・・・・・・・、良く見えるわね・・」
「まぁ、身体能力の高さは自慢だからな♪」
「でもそれじゃ・・泳げないわね・・もっと遠くの海にしておいたほうがよかったかしら・・」
「う〜ん、でもこの時期じゃここ以外の海水浴場はゴミだらけだぜ?
そういうのは我慢できないだろう?」
「うん・・それは・・そうだけど・・」
「まっ、泳ぐだけが海水浴じゃない♪のんびり潮風を堪能しようぜ?」
「そうね・・それじゃゆっくりしましょう♪」
そう言いゆっくりとクロムウェルにもたれかかりいつも通りのまったりな時間に突入する二人なのであった

・・・・・

一時間後
十分に青い海を堪能し帰る者もいればこれから堪能するために到着する者もおり
結局は混み合い具合に変化はない模様
ルザリア騎士団の面々はそのまま余り変わらずカチュアは潜水しながら海中筋肉鑑賞に突入し
キースは筋トレから持久力をつけるために素もぐりを開始しだす
泳ぎを教えていたスクイードとシトゥラは休憩に砂浜に上がっておりパラソルの元で仲良くお昼寝に突入
ややサイズが小さい青色の水着を着ているシトゥラ、結局は自分には泳ぎは向かないと悟ったらしい
それでも海を満喫して珍しく深く寝入っている
極めつけはクライブとアンジェリカ、先のくらげにやられた患者の治療を周りに見られた故に
それ以降は休暇どころじゃなく子供の擦り傷やら熱中症やらを訴える図々しい人達の相手をしている
そして
「静かな海もいいんだけど・・やっぱ俺は騒がしいところ向きかな」
しばらくイチャイチャしていたのだがやがてタイムが自分に持たれかかったまま眠ってしまったので
現状維持しつつ色々と鑑賞しているようだ
「っても、おねーちゃんを見ていたら速攻で起きそうなんだけどなぁ・・」
どこまでに嫉妬深い騎士団長に苦笑いのクロムウェル
当のタイムは気持ちよさそうに睡眠中なのだが・・
「う・・ううん・・(モゾモゾ・・)」
先ほどからしきりに太股をもぞもぞと擦り合わせている
「ん・・?」
「クロォ・・」
ゆっくりと目を醒ますタイムだが顔がやけに赤い
「どした?もよおしちゃった?」
「そ・・そうじゃなくて・・その・・」
「んんっ?」
「体が・・熱いの・・」
恥ずかしそうに呟くタイム、しきりに周りを気にしている
「暑い?こんなところで寝たからちと寝苦しかったかな?」
「そうじゃなくて・・アソコが・疼くの」
消えそうなぐらいの小さな声で呟くタイム、しかし流石にクロムウェルにはしっかりと聞こえていたり
「うええ・・こんなところで・・どうしたんだよ?」
「わからないわよ、なんか突然・・切なくなって・・どうしよう・・」
見た感じからして我慢できなさそうなタイム
もはや自分の意志とは関係なく太股を擦って堪えている
「わ、わかった。そんじゃあ・・向こうの岩場なら人もいないだろう。
荷物持って移動するぞ?それまで持つか?」
「うん・・わかった」
艶っぽい息を吐きながら頷くタイム、それにクロムウェルもドキっとしながら大急ぎで荷物をまとめていくのだった

・・・・・

この海水浴場の終点地である岩場
延々と続くリゾート地とは違いここらになると剥き出しの岩がゴロゴロと並んでいるので
人気はまったくない
まぁそれ以前に岩場の前に「危険、立ち入り禁止」の看板が立てられているので普通の客はまず入らないし
岩が結構脆く確かに危険な状態なのだ
「クロォ・・はぅ・・」
手ごろな岩の上にタイムを座らせ、そこら中に荷物を放り投げるクロムウェル
「大丈夫か?ったく、変なところで欲情しだすんだから・・」
「ご・・ごめん・・でも・・・我慢できないの」
「わかっているって。まぁ一度青姦ってやってみたかったしなぁ♪」
「ば・・馬鹿ぁ・・んんっ!?・・んむ・・んん〜」
変態的な発想なクロムウェルに一喝しようにも途中で口を塞がれ口内を激しく愛されるタイム
行為が始まってしまっては火照った身体を抑えることができないためになすがまま
しまいには本人も乗り気になりクロムウェルの舌に自分の舌を絡め激しく交わらす
「・・ん・・はぁ・・クロ・・」
「キスしただけでそんな蕩けた表情するなんて・・いやらしいなぁ・・タイムは」
「うう・・苛めないで・・」
「はははっ、まぁ誘ったのタイムだからいやらしいに違いない・・そんじゃ、いただきます♪」
嫌な笑みを浮かべながらタイムの豊かな胸を揉みだすクロムウェル
「ひゃあ!ああっ・・あん・・はぁ・・くぅん!」
手の動きに合わせて派手に喘ぐタイム、水着に手を突っ込んでの愛撫はかなり卑猥でタイムもかなり興奮している
「ああん!だめぇ!胸で・・イッちゃう!!」
「遠慮せずにイッちまいな♪しっかりと見てやる♪」
そう言い豊満な胸の根元から絞るように揉み出す
「ひゃあああ!ダメぇ!見ちゃ嫌!あ・・あああっ!くぅぅ・・・・ん!」
ビクッと体が痙攣したと思いきやヘナヘナと力なく彼にもたれるタイム
「はぁ・・はぁ・・」
「すごいな・・ほんとに胸だけでイッたなんて・・」
「うう・・言わないで・・」
「わかったわかった♪
だが、そんな可愛らしい姿を見て俺がこのまま納まるとは当然思っていないよなぁ・・?」
「え・・?あっ・・すごい・・」
不意に視界に入るクロムウェルの下半身、そこにはすでに水着越しにビンビンビンと主張しているモノが・・
「さぁ本番だぁ!」
「ええっ!?わ・・私まだイッたばかり・・きゃあ!」
たじろぐタイムを余所に下の紐を高速で解き淫らな股体をあらわにさせる
「俺も我慢しているんだからなぁ・・それに・・すでに準備万端じゃないかぁ♪」
「ひぃっ!くぅぅ・・はぅ・・」
蜜がとめどなく溢れているソコに触れるだけで身体を震わすタイム
もはや前戯の必要性はまったくなさげで男が欲しいとひくついている
「そんじゃ・・入れるぜ?」
「う・・うん・・」
恥ずかしいのかクロムウェルの首に腕を回すタイム、甘い息が耳元にかかる中
彼は性格に怒涛な息子をソコに添え

ズ・・ズズズ・・

「んん・・・んぅぅぅぅぅぅ〜!!」
一気に挿入、躊躇なく侵入するそれにタイムは身体を震わせながら受け入れる
上の水着だけで男を迎え入れる彼女は卑猥にして美しい
「すご・・いつもより締め付けるな・・って・・タイム・・?」
自分が腰を動かす前にすでにタイムが腰を振り出し、驚くクロムウェル
「わ・・わからないけど・・私すごく・・興奮している・・あん!」
「そ・・そうか、じゃあ激しくいくぜ?」
「うん・・ひゃあ!一杯・・一杯突いてぇ!」
もはや歯止めが利かず獣のように喘ぎ出すタイム、クロムウェルもそれに応えるように激しく腰をふる!

パンパンパン!

「ひゃあ!ああっ!あん!あん!奥に・・奥に届いて・・いるぅ!」

パンパンパンパン!

「うあぁ…ああん…あっ!ひぃ!クロのが・・膣を・・えぐっているのぉ!はぁん!」
必死にクロムウェルにしがみつきながら喘ぐタイム
いつもよりも感じているらしく涎を垂らしながら乱れている
「気持ち良いか?」
「気持ち良い・・くぅん!ああん!あっ・・も・・もう!もうダメ・・!!
私・・・またイキそう・・!!」
「俺もだ・・今日はいつもよりすごく締め付けるな・・」
「いやぁ・・そんな事言わないで・・恥ずかし・・ひっ!ひゃああ!」
「うし、そんじゃスパートだ!」

パンパンパン!

タイムを抱き起こし本腰で突き上げるクロムウェル、
愛液の水音と肉と肉がぶつかりあう音がさらに大きくなり二人の高まりに比例していく
「あぅぅぅ!!深い!ひゃあ!あん!だ・・だめぇ!イクぅ!!!」
絶頂の瞬間、タイムのソコはクロムウェルの息子を引き千切らんばかりに締め付ける
「う・・おおおっ!!」

ドピュ!!!ドピュドピュ!!

「あああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・ん!!」

たまらず彼も絶頂を向かえタイムの膣に存分に射精・・
膣で出されている感覚にたまらず彼女も絶頂を迎えるのであった
「はぁ〜!はぁ〜!!」
荒い息をし胎内での精液を暖かさを感じながら余韻に浸るタイム、顔は赤く染まりきっており目は恍惚としている
「すごいな・・外でスるとそんなにいいのか?」
「はぁはぁ・・クロ・・わ、わかんない・・わよ・・」
「ははっ、まぁ趣味だからな。まぁ続きは夜に・・おっ・・」
息子を引き抜こうとするとタイムは力を入れてそれを阻止する
「ダメ・・もっと・・シて・・・」
「タイム・・」
「まだ・・満足できないのぉ・・クロぉ・・」
「お・・・わ・・わかった・・」
「一杯・・一杯愛して♪」
淫らに笑うタイム、それにクロムウェルはとまどいながらも再び交わり出す
・・結局無我夢中に行為を行った結果気がついたら水平線に夕日が沈みかけていたのであった

・・・・・・・・・・

その夜
「む〜・・腰・・痛い・・」
ローエンハイツ内の宿の一室にて腰をさするタイム
結局は泳がず終いになったのだがそれどころじゃない様子
「いやぁ・・張り切ったな・・」
「うう・・お腹タプンタプン・・」
ぜ〜んぶ膣でぶちまいたクロムウェルさん、恋人同士でのこの行為は勇者とも言える所業である
「あはは・・俺の家でやるわけじゃないんだ。下手に身体にかけたら動きにくいだろう?」
「そりゃ・・ね。でも・・すごかった・・」
水平線に夕日が沈む絶景に気づき見惚れるまでは我を忘れて交わっていた
それを思い出し再び顔を赤くするタイム
「ほんとだ。タイムがあそこまで乱れるなんてなぁ・・」
「それだけど・・突然欲情したのって・・やっぱり変よ・・
今は何ともないんだけど・・」
「んっ?じゃあ何だってんだ?」
「ううん・・あの日焼け止め、何か怪しくなかった?」
「あれ・・か?」
「あれを塗った後に疼き出したんだもの・・、
それにあの店主、どこかで見たことあるような気がするし・・
第一、胸であれだけ感じるなんて・・普通じゃ考えられない」
「ふぅん・・日焼け止めと偽って媚薬でも配ったってか?
・・まぁ男にとってはありがたいサービスのような・・」
「・・クロォ(ギロォ)」
「冗談だよ!ともあれいいじゃないか。もう何ともないんだろう?」
「う・・でも・・泳げなかった・・」
「また明日行けばいいさ。午前中泳いで帰ればいけるだろう」
「・・それもそうね、でも・・泳げるかしら・・・
腰が・・」
散々交わっただけに一時的な腰痛状態・・
「まぁ明日になれば大丈夫だって♪そんじゃ飯にしようぜ?」
「そうね・・宿の食堂のご飯って久しぶりかも・」
「ははっ、普段は手料理か外の屋台だものなぁ・・そんじゃ行くか♪」
「うん♪」
質素な服装に着替え二人の空気を放ちながら食堂へ向かう二人
しかしそこには

「カチュア、残さず食べるんだ」
「え〜!ニンジン要らない〜!!」

「ふむ、魚介類というのは独特な旨みがあるな、スクイード」
「山育ちには珍しいかもねぇ。ちょっと食べにくいだろうけど」

「昼間の患者、毒素を抜く方法に聖水を使うとは意外でしたね」
「まぁ医者には思いつかない発想ね。普通の物とはちょっと違うんだけどね」

そこには見知った方々が・・
「お前らぁぁぁ!!!何でここにいるんじゃぁぁぁぁぁ!!!」
「・・あら?クロムウェル、遅かったわね」
「遅かったわね!じゃなくて!!」
「・・どうやら、皆同じ宿だったみたいね。他に客いないから・・私達だけの貸切らしいわよ?」
「・・・ぐっ・・うかつだった・・」
「まぁ、全員目的地は同じだったって事だし、仲良く食事にしましょう?」
二コリと笑うアンジェリカさん、それにクロムウェルとタイムも笑うしかなく
「しょうがない。せっかくだから全員で夏を満喫しますか」
「そうね・・皆で楽しく過ごしましょう」
っと席につくのだった

・・結果、一同お色気もないドンチャン騒ぎ。
クライブがいたから死者は出ないもののかなり激しく
楽しい夏の思い出となったとさ・・

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