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最強の夫婦〜魔槍銃ブリューナク〜


周囲に家一つない海岸線・・
切り立った岳の先に家が建っている・・
ここが俺達の家だ・・・

内装は質素だがほとんど本棚と実験器具が占拠している・・
あいつの物だ・・・
俺の物はほとんどない。仕事の服と得物、それだけあれば十分だしな・・・

「ふ〜ん♪ふんふんふんふ〜ん♪」
鼻歌交じりであぐらをかきながら何かをいじる碧髪の女性・・
これが俺の妻、ミュンだ。
優秀な錬金術師で俺の幼馴染というやつだ
「・・嬉しそうに何作っているだ・・?」
こいつが鼻歌まじりで作った物はかなりタチの悪い物だ・・
「あっ、ダーリン♪これはね・・」
「ちょっと待て。何だ?ダーリンって・・・」
「旦那様に言う代名詞」
「・・・名前で言え」
「ちぇ、ノリが悪いんだから〜、セイレーズは」
・・・やれやれ

俺はセイレーズ、自他とも認める一流の盗賊だ。
世間では義賊だの怪盗なんてことも言われるが・・まぁ俺はそんな気はさらさらない・・
そんなもの他人のせいにしなければ何も出来ない奴が作り出したまがい物に過ぎない・・

「それよりもなんだ?水筒か?」
ミュンがいらっていた金属の筒みたいなものを見て言う・・
なんだ・・?見たこともない・・
「失礼な!こんな異常にでかくて長い水筒なんてあるわけないじゃない!」
「・・じゃあ何なんだ?」
「これは大昔の文献にあった「銃」といわれる抜てき砲なの。もち私が改良を加えたから
もっとすんごいのになっているけど」
「抜てき・・・砲?」
「魔力や色んな力を利用して金属弾を飛ばす物よ。まぁ全自動の弓みたいなもんね」
「この筒がな・・・」
見たとこデカイ金属の棒みたいなのにに穴が空いているようにしか見えんのだが・・
「威力は折り紙付きよ♪特製の魔石も装備しているんだから!」
そういうと銃?を軽く持ち上げる・・
「おいっ、お前そんなに力があったのか?」
見たところめちゃくちゃ重そうなのだが・・・
「私が発明した特製合金『ハイパーアロイ』を使って作成してもらったんだからすんごく軽量なの♪
もちろん頑丈さはかなりのモンよ!」
「作成してもらった・・?」
「私の錬金術の師匠さん、鍛治師でもあるの。まぁ作成してもらったといっても
基本的なパーツのみで後は私のお手製♪」
「ふぅん・・でっ?性能は?」
「ブー、感心ないんだから!!見ていて!」
窓の外に照準を合わせて手元の引き金を引く・・・・

ドン!!

先から火が吹き、遥か彼方で爆発が起こった・・・・
「・・・・ね♪」
「まぁ・・、とんでもない代物だということはわかったよ。・・名前はどうするんだ?」
「そうね〜、ブリューナク!『魔槍銃ブリューナク』に決定!」
でかい銃を肩でかつぎ誇らしげに名づけるミュン・・
こいつは・・、戦争でも始める気か・・・・・?


それから2日間、ミュンはブリューナクの最終的な調整をしている・・
俺は俺で今度の仕事の下準備だ・・
俺達は夫婦なのだがこういう時はお互い別行動、
基本的にどちらかに合わせれない職同士だからだ
今回の俺の目当ては、とある教会の女神像が持っているといわれている
「カルサイト」といわれる宝石だ。
この宝石は本来はそれほど価値のあるものではない。大理石などの主成分としての
石なのだがこの女神が持っているのは「黄色い」
カルサイトはまれに太陽光や地脈の影響などで変色し、石その物の性質自体も
変化する。
黄色いカルサイトは太陽光を数万年の期間当てられた物らしい。
そのため、太陽に近い力を秘めているだそうだ・・
そんな珍しいものを盗まない手はない。例え教会だろうと関係ない。
宗教なんてモノは所詮、人を束ねるための綺麗事に過ぎないのだから・・・



・・
・・・・
・・・・・・・
「・・・・・でっ?何でついてきたんだ?」
新月の夜・・、教会より少し離れた民家の屋根が俺が訪ねる、相手はもちろん・・・
「もちろん愛する旦那のお・て・つ・だ・い♪」
「・・・ブリューナクの性能テスト」
「ぎく!!・・・・そ、そんなわけないじゃない!!」
あからさまに動揺する我妻・・・
「ぎくって自分で言うな・・、全く・・、俺の仕事を舐めているのか?」
「そんなことないわよ。半分はテストだけどもう半分はあなたが心配なの。
私より先に死ぬことは許さないんだから!!」
・・やれやれ・・
「どちらにしろ・・、その姿じゃ隠れて動けないな・・」
こいつはいつもの白衣姿・・、おまけにミュンはあまり運動神経はよろしくない・・
俺は黒い貴族服、黒いマント、黒い羽根付き帽の仕事着スタイルだが・・、
俺がこうでもミュンの白衣は目立つな・・
「だ〜いじょうぶ!こうすれば動きやすくなるんだし!」
そういうとおもむろに魔槍銃ブリューナクを構える。
その方向には・・
「おい・・、まさか・・」

バシュッ!!!

ブリューナクの砲身から光が走る・・・!
そして・・・

ドォォォォォォン・・・・!!

教会が爆発するのが見えた・・・・
「・・・・うん♪上出来上出来〜♪」
「上出来じゃあない!獲物を破壊する気か!?」
「大丈夫よ、手加減しているんだから表の扉が崩壊したぐらい・・」
「・・ふぅ・・。でっ、なんか特別な弾でもこめたのか?」
尋常じゃない攻撃だ・・、しくみをしらないと次の被害者は俺になりかねない・・
「破壊光弾。外気を利用して光の弾を射出するブリューナク特製の性能よ♪
最高で3発撃てる素敵な切り札♪」
「その切り札を俺に向けるなよ・・?」
「浮気しなかったらだいじょ〜ぶ♪、さっ、行きましょう!」
・・・やれやれ・・・・

教会は確かに表の扉が破壊されたのみだった・・
これを誉めるべきかどうか・・
そもあれ、あんな破壊音がしたんだがら当然警備兵が出てくる・・
こうなったら俺の主義もくそもない・・・・
「強攻突破だ!行くぞ、ミュン!」
「援護はまかせて!それ、いっけぇ〜♪」
すぐさまブリューナクをかまえ、発射・・、警備兵のすぐ傍で爆発させ
爆風で気絶さしている・・・器用な奴だ・・
「うちの女房は狂暴だ。道を開けないとただでは済まないぞ?」
邪魔をする兵をなぎ払って先に進む・・・
後ろから破壊音と悲鳴が聞こえる・・・・・
・・・見ないほうがいいだろうな・・



聖堂は思ったよりも静かだ。誰もいない・・
「おじさん・・」
教台から声が聞こえる・・、少年が一人俺のところにくる。
なぜこんなところに・・?
「坊主、ここは危険だ。どこか安全なところに行くんだな」
「ここ以外寝れるところがないんだ、それより・・・」
浮浪児か・・、最後の方が聞き取れない
「それより、なんだ・・?」

ズンッ!

ふぃに脇腹に何か刺さる・・、爪・・・?
「おじさん・・、おいしそうだね・・」
こいつ・・!人間ではない!!
「ちっ!化け物か!?」
腹に刺さった爪を剣で切断する・・、抜いたら多分大出血だ・・
俺とした事が・・!!
「ネェ・・、オジサンタベテイイ・・?」
声が変化していく・・、おまけに普通の子供だったのが団々肌が緑になっていく・・
「セイレーズ!大丈夫!!?」
後ろからミュンが駆け付ける・・どうやら全て倒したようだ・・
「なんとかな・・、それよりとんでもない化け物の登場だ・・」
「・・・・、人間とリザートを融合した・・モノね。」
ミュンの目が鋭く光る・・
「オバサンモオイシソウ・・」
「おばさぁん!?・・・その失言、あの世で後悔しなさい!!」

ドン!!

即座にブリューナクで砲撃、あの光の弾ではなく通常弾のようだ・・

ドォォォン!!

もろに直撃・・、しかし・・
「オモシロイオモチャダネ・・、フフフ・・」
傷一つ付いていない・・、タフな身体だ・・
「ミュン、俺が先にしかける!」
「待って!あなたは怪我しているのよ!ここは私が行くわ!!」
「バカ言うな!ろくに戦闘したことないお前が!」
「いいから黙って言う事を聞く!ぐだぐだ言っていると撃つわよ!」
・・本気だ・・やれやれ・・
「わかった、死ぬなよ・・」
「怪我人に心配かけられないっしょ?
さぁ、来なさいボウヤ、お姉さんが地獄へ案内してあげる♪」
挑発するミュン、無言であの変形リザートが飛びかかる!
シュッ!
鋭い爪がミュンの肩を裂く・・
駄目だ、ろくに反応できてない・・
「オバサン、チャントヨケナイトチガデチャウヨ・・?」
「2度も・・、全く・・・!」
「イタダキマース!!」
大口開けて飛びかかる変形リザート・・!

ゴス!!

その口にブリューナクの砲身が突き刺さる
「待ってたわ、その口開けるの。
・・レディに対しての2度の失言・・許されるものじゃなくってよ?」
「ンンム!!!」
もがいて砲身から逃れようとする変形リザート、しかし・・
「たーまやー・・・(ニヤッ)」
カチッ・・・・

ドォォォォォン!!!

口に突き刺したまま引き金を引き、顔面を内部から爆破・・・
こいつを怒らせた奴はブリューナクなしでもこういう運命を辿る・・・
頭を吹っ飛ばされてはいくらリザートといえでもどうしようもない。
そのまま地面に倒れ、血を流す肉塊と化した・・
・・・・
「くっ」
血を出し過ぎか・・、くらくらする・・
「大丈夫?セイレーズ」
爪を抜き取りすばやく止血する。包帯ぐらいは誰でももっているからな・・
それでも無理はできんか・・
「こんくらいでくたばるタマじゃない。それよりもさっさと獲物を頂こう」
血を流しながらも聖堂の中心にある女神像が持つカルサイトを取る。
っといっても女神の腕ごと切り払って地面に落としたのだが・・
化け物飼っている教会に遠慮は要らない・・
「これが獲物・・?・・黄ばんだ石ね・・」
酷評だ・・・、やれやれ・・
「でも、すごい魔力。おそらくこの石使ってあの化け物合成したんでしょうね」

「その通り・・」

聖堂に男の声が響く・・
「貴様が化け物の製造元か?」
「化け物?ちがいますね。あれは人間が進化したもの。理想の人種です」
神父姿の男・・だが目には狂気の火が灯っている
「そんなことは関係ない。狙った獲物は貰って行くぜ?」
「それは困りますね(パチッ)」
指を鳴らすと入り口からメタルゴーレムが・・。
難儀なモノを・・!
「やれ!」
命令とともに襲いかかる。スピードが並みじゃない!
なにか合成したな・・
「うわっ、早っ!!」
ミュンも狙いがつけられないようだ・・
「でぇぇい!!」
俺も手負いなのであまり動かずその場で立ち向かう
・・が・・

パキィィィィン・・・

俺の放った剣はメタルゴーレムを斬ることなく折れてしまった・・
業物だが・・、こいつはそれ以上か!
「剣の達人、セイレーズも剣がなければただの鼠・・ですね」
いまだ2階で見物する神父・・
「セイレーズ、使って!」
ふぃにブリューナクを俺に投げる・・
「せっかくの銃だが、鈍器として使うぞ!」
「おまかせ!」
なるほど・・、でかい外見とは裏腹に俺の剣並みな軽さだ・・
「いくぞっ!」
ゴーレムの頭目掛けて振る!

ガァァァァン!!

金属同士がぶつかる音が聖堂に響く・・が
メタルゴーレムの頭は完全にひしゃげていた・・
・・とんでもない強度・・だな
「獲物は頂いた。とっとと帰るぞ!」
「まってました♪」
魔石で牽制しつつ俺に背中に飛びかかるミュン・・
少しは怪我人をいたわれ。
「弾はこめてあるわ。それを撃ちこんで突破口を!」
「・・射的は苦手なんだがな・・、四の五の言っていられんか!」
引き金を引き、天上めがけ弾を撃つ!
ドン!ドンドン!!!
爆発と煙で周囲が見えなくなる。
俺の動体視力ならメタルゴーレムに命中もできたのだが
余計な戦闘は遠慮願いたい。頭がくらくらするのでな・・
「ふむっ、今回は致し方ないですね。また会うこともあるでしょう。怪盗セイレーズ」
煙の向こうで神父が余裕たっぷりにそんなことを呟いた・・



・・・・・・・・・・・・
「やれやれ・・・、俺が動けないのに呑気なものだな・・」
カルサイトの件から数日
俺の傷は思ったよりも深かったので安静・・、ミュンの方は大したことはないのだが
黄色いカルサイトに夢中になっている・・
「だってすごいのよ!持ち手の魔力に共鳴している!すごいすごい♪」
・・・・やれやれ・・・・
それよりも情報屋の話ではあの教会の神父は俺達が盗みに入る一月も前に
殺害されていたらしい。
あの余裕面の神父は「本物ではなかった」ようだ・・
・・・・・、まっ、わからんことを考えても仕方ないか・・
「ねぇ、セイレーズ。この石どうするの?」
「まぁ・・、まだ使い道は決まってないが・・」
「じゃあこのカルサイトで剣を造りましょうよ!あなたの折れちゃったんだし!
良いものできそう♪」
・・・黄ばんだ石扱いしていたくせに・・
「・・わかった。お前にまかせるよ」
「ありがと♪セイレーズ大好き〜♪」
「バカッ!怪我人にのしかかるな!傷が広がる・・・!!!」
そんなことおかまいなしに動けない俺に襲いかかる・・
海岸線に俺の悲鳴が轟いた・・・・・・・
・・・や、やれ・・やれ・・・


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