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『(un)Liberty』




「・・元の職に戻れたのはいいけど・・今回何の声もかからなかったわね・・?」



情報部にて自分がスカウトしてきた事を忘れられているフレイア隊長さん・・、

元の職に戻れたのはいいのだが忘れ去られているのは何だか悲しい・・

懐かしい隊長室に座り事務をするもどこか孤独感が。


「ま・・まぁまぁ、隊長はがんばりましたよ♪」



そんな中傍らで慰めるアリーさん。フレイアには内緒になっているのだが彼女が留守中のアリーの指揮は実に見事なものであり

世代交代の声まで所々から出だしていたり・・・

「アリー!私の味方は貴方だけよ〜!!」

フレイア、そんな事も知らずにアリーに対し女泣き・・しかし感極まっているが故に気付かなかった・・。

抱きしめているその良き理解者は自分をまるでモノ欲しそうに見つめている事に・・

「だって・・隊長には私がいるじゃないですか・・」

かつて魔物による陵辱によりキョヌー属性を身に着けたアリーさん、ここぞとばかりそれを彼女に押し付ける

「・・ア・・アリー?」

「大丈夫ですよ・・。例えハイデルベルク騎士団全てが貴女の敵になったとしても・・私だけは貴女の味方です・・」

潤んだ瞳で彼女を見つめる、そこに篭るは欲情の炎

「ちょ・・ちょっと待って、アリー・・あの・・私は・・」

「隊長・・いえ・・フレイア様・・」

フレイアの声を聞かずに口付けを交わそうとするアリー、逃げ出さないようにがっちりフレイアを掴んでいる辺り冗談ではない

「えっ!?ちょ・・ちょっと!?」

対し成す術がないフレイアさん、部下の餌食になるかと思えたが・・


コンコン


突如鳴り響くノックの音にアリーは音速で飛びのき服装を整える、

それに呆気を取られるのはフレイア嬢

アリーの違う一面に開いた口が塞がらないのだ


「失礼するぞ・・。ん・・?何を固まっておる?」


そんな事は知らず隊長室に入ってくるは情報部一の古株である自称忍者のハリー。

白髪まみれで飄々としているがやる時はやる曲者じいさん

だが流石の彼も変な格好で固まっているフレイアには疑問符が飛ぶかってしまう


「いえ!何でもないです!!」



信頼しているパートナーの痴態など言えるはずもなくフレイア慌てながらも流す

この問題の解決は先になりそうである・・

「ん・・・?そうか。ならいいんじゃが〜・・」

「それよりも!ハリーさん何のようですか!!?」

「おおっ、この度の一件でお前が苦労した割には得がないとダダこねていた事に王が心を痛めてな。

褒美としてフレイア直属の部下を二名、授けてくれるそうじゃ」

ハリーの言葉にやる気を失いかけてきたフレイアの瞳が輝き出す!!

「ほんと♪あのじじいもいいところあるわね〜!!」

「・・その態度がなければ情報部も安泰なんじゃがなぁ・・」

「しょっちゅう夜中に屋台につき合わされていたら悪態の一つも付きたくなります!それを職務って言ってるんですよ!?」

「はいはい、それじゃもうきているから中に入ってもらおうぞ・・。おい、いいぞぉ」

「ドキドキ〜♪わくわく〜♪」

ハリーの声に応え隊長室の扉がゆっくりと開かれる・・。

一礼して入ってきたのは短黒髪・黒眼のヒョロリと細長い青年と黒髪・黒眼のデカ眼鏡娘

二人ともフレイアには初対面ではない・・。

「シグ君とメリア君だ・・知ってはいるよな?」

「え・・・ええ・・」

この二人の登場にフレイアの目は点になっており・・



「おおお、お久しぶりです、フレイアさんっ!!」

そんな事はおかまいなしに黒髪のメリアさんがドモリながら挨拶をする

緊張しているのが誰が見ても明白、見る限りには民間人となんら変わりはない

「お久しぶり・・って、・・なんで貴方達が此処にっ!!?」

「貴女は自分だけ何もない事に不満だったんだろう?

それで此処の王からウチの大将 否、元大将へ即戦力でいいのはないかと話が来、

最終選抜から洩れた俺達二人が貴女の部下になる為に態々来たというわけだ。

もうトップでまとまった話だ。今更クーリングオフは無理だぞ(くっくっくっ」

メリアの隣で顎をさすりながら嫌に笑うシグ・・

嫌味ったらしい言い方よりも『クーリングオフは無理』という言葉の槍が彼女に突き刺さる!!



「ぬおおおあああっっっ、あのオヤジはあああああああっっっ」

「ひっ、ひいいぃぃぃ〜〜」


結局は嫌がらせかぁぁぁっとフレイア、魂の咆哮・・。

地下にその叫びは轟き至近距離でそれを聞いたメリアは怯えに怯えるのであった。

・・っというか、そこまでフレイアに怯えるのならば何故オファーを断らなかったのか・・


・・・・・・


クーリングオフは無理、それが前提であるが故にフレイアに残された事は消費者センターに相談する事ぐらいなのだが

それでは二人がかわいそうと言う事なので結局は情報部員として採用決定。

しかし機密に関わる以上、失敗は許されない職故にその能力を確かめるために訓練場に赴いた



「それで、俺の実力を見極める・・訳か」



ハイデルベルク騎士団所有の野外円形訓練場、中央に立つは短刀を持ち戦闘服にクナイが収納されたベルトを着込んでいるシグ

対しフレイアとアリー、ハリーは制服姿のままで得物は持っていない

「ええっ、まぁ本気で出してもいいわよ・・。相手さん、手加減の仕方知らないんだし・・」



「・・相手・・?貴女達ではないのか?」



「まっ、そういう事じゃ。いいぞ」

ハリーのその言葉と共に風が一つ走り、次の瞬間シグの目の前に女性が立っていた・・

長い黒髪、鷲のように鋭い眼光を持ち口は黒いマスクで隠し着ているものは戦闘用のレオタード調軽装戦闘服のみ

そして両腕に持つは刺突特化の短剣カタール・・

感情を感じさせないその気配からして手加減をしてくれるはずもなくシグは軽く押し黙る

「・・・・・・」

「わしの懐刀・・ヒサメじゃ。ではっ、軽く実力を見せてもらおうかの」

「・・貴方も人が悪い・・」

「それだけ君に期待している・・っと取っておいてくれ、では始め」

あっ軽くも非情に訓練開始の合図を言うハリー、それと同時にヒサメの体は音もなく消え残像すら残さずシグに肉薄する

目つきからして殺す気満々・・

ソレに対しシグは瞬時に身体強化の術を施しながらバックステップをし彼女の攻撃を向かえうつ

鋭いカタールの突きを短刀で払う、その間にさらに距離を空ける・・。

ギリギリのラインを守りつつ短刀とクナイを駆使してヒサメの怒涛の攻撃を何とか堪えるシグ


「・・ほぉ・・、一撃を狙う防御戦術型か・・。ヒサメが攻めあぐねる姿を見るのは久方ぶりじゃ」

その様子を見ていた外野一同・・、ハリーはニヤニヤ笑いながら軽く言ってすらいる

「にしても・・ほんと手加減ないわね、ヒサメ・・」

「まっ、そういう事ができるようには育てておらんかったからの・・安心しろ。

手加減はできぬが殺しはしない・・急いで救急員が処置すれば助かる程度には学習してきた」

「あ〜、いや・・それ、笑えないですよ・・ハリーさん」

とことん軽いハリーに同じく元暗殺者のアリーさんも苦笑い・・



そんな事はさておきヒサメの攻撃は尚も続く、表情は変えないが彼が防御戦術の使い手で相手のリズムを狂わそうとしている事には気付いている

だがそれでも戦術を変える事はなく攻めを繰り返す・・

これには流石のシグも顔色を少し変えだす。

「・・くっ・・、しつこい・・な」

相手の間合いを外し隙を探して闘っているのだが外してもすぐに攻められ隙を見つける暇を与えぬヒサメに舌打ちを打つ

このままでは自分が先に息が上がる・・そう踏んだシグは賭けに出る

「・・ここだ・・!」

ヒサメの突きを払った瞬間に動作を連携させてベルトからクナイを投げつける!

至近距離から放たれたクナイはヒサメの喉元を確実に捉えていたのだが・・



フッ・・



目の前のヒサメの姿が霧が霞むかのように消え去り、そのクナイは空しく空に向けて飛び立った・・

そして次の瞬間、土を払い上げるかのような鋭い蹴りがシグの足を捉えた!

「・・!?」

足を取られ地に背をつくシグ、何が起こったのか理解できないがすかさずその視界にヒサメが現れ彼女が足を払った事に気付く

「・・・・・・」

そのまま無言にカタールの切っ先を彼に向ける・・、美しき暗殺者の見事な腕に一瞬シグは目を奪われていた

「・・く・・くく・・見事、だがこれで終わったら俺はお役御免になってしまうからな・・切り札を使わせてもらおう・・」

「・・・・」

彼の話を聞いているのか・・、問答無用にヒサメはカタールの刃を彼に向けて突き出す!

だがそれは空振りに終わり彼が座っていた場所には戦闘服などが脱ぎ捨てられていた



「U・・OOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!」



そして突如響き渡るは獣の咆哮、表情一つ変えぬ彼女の目の前に一匹の漆黒のワーウルフが降り立ったのだ



「・・何なの・・?あれ・・?」

「シグさん・・でしょうね」

勧誘しておきながらもシグの切り札については知らなかったフレイアさん、彼の性格からして手の内を全て伝えるとは思えなかったのだが

それでも「良い性格しているわ・・」っと軽く愚痴るのであった・・

「面白い逸材ではないか・・これはヒサメも圧されるかの」



「・・・・・・・」

外野が見守る中ヒサメは相手が誰であろうと構わない・・っとカタールを構える

「GAAAAAAAAAAAAA!!」

そんな事はお構いなし、ワーウルフはバケモノ染みた踏み込みでヒサメに接近し一撃を放つヒサメの刃を受けながらも豪快に薙ぎ払う!


バキィ!

「・・・!」

凄まじい打撃音とともに吹き飛ばされるヒサメ、防具をつけていない彼女にとっては相当な威力なのだが顔色は変えていない

そして飛ばされるヒサメにワーウルフは瞬時に距離を殺し彼女に馬乗りになる

だが、それだけで彼女に止めをさそうとはせずゆっくりと起き上がりその変身を解いた・・

見る見る内に髪の毛は抜け落ちヒョロリとした全裸のシグに戻る

「悪い、少々血が騒ぎすぎた・・」

フルチィンなのもなんのその、紳士的な態度で倒れるヒサメに手をさし述べる

「・・・・・、すまない」

シグの手を借り起き上がるヒサメ、ボソっと静かに言う

「・・貴女ほどやりにくい女は初めてだ・・」

「・・・、何故、止めを刺さなかった?」

「訓練だ・・、狼の血が騒ごうが自我はあるしな・・それに・・」

「・・・・?」

「・・くくく・・なんでもない(お前の事が気になった・・っとも言えんな)」

自嘲的に笑うシグにヒサメは何を考えているのか無表情のまま

結果、それなりに収穫のある手合わせになったようだ・・。



因みに外野では・・



「・・フルチンね」



「・・フルティンですね」


「・・流石は狼男になれるだけあって・・でかいのぉ・・」


関係のない事に目が釘付けとなったのだった・・。



シグの事は合格と言う事で残るはメリア、非戦闘員である事はフレイアも知っているのでその能力を確かめるために

隊長室にて軽く検証を開始・・

「予知能力・・ですかぁ・・。的中率は高いのですか?」

「は・・はい!特殊な人間の未来は見えにくいのですが・・それが以外でしたら・・」

「・・まぁ、物は試し・・、それが事実ならかなり使えるわ。」

ハリーはヒサメの元へ向ったためにフレイアとアリーのみで彼女の相手を・・

目の前の眼鏡娘の能力には今のところ眉唾物ではあるのだが・・

「では、いきます・・次に貴女は・・『そんなの予測じゃないじゃない』・・っと言う」

ドキューン!っと妙な効果音とともにメリアはフレイアを指差す!

「そんなの予測じゃないじゃない!!・・あっ・・」

「当たりました〜♪」

これを予知というのかはさておき本人は当たった事にうれしそう・・

「あの・・もう少し先の事を予測してもらえますか・・?」


「す・・すみません!では・・早速!」

そう言うと目を閉じ眼鏡を光らせ精神を集中しだす・・

「「・・・(ゴクッ)」」

雰囲気を変えるメリアにフレイアとアリーは唾を飲み動向を見守る

だが・・



「ぽこぺんぽこぺんだ〜れがつついた・・ぽこぺんぽこぺんだ〜れがつついた・・」


途端に変な呪文を口ずさむメリア・・

「ちょっ、ちょっと待ちなさい!何なのそれ!?」

「・・え・・?あ・・・あの・・精神を集中させて精度を高めているのですが・・」

「そんな何処かの初代緑ナメクジ大魔王みたいな呪文・・止めなさい・・」

「すす・・すみません!では・・より集中出来る方にします」

「・・ええ、そうして・・」


呆れ顔のフレイアに申し訳なさそうに頭を下げメリアは再び目を閉じる・・





「ふんぐるい むぐるうなふ くするふ るるいえ
 うがふなぐる ふぐたん!

 ふんぐるい むぐるうなふ くするふ るるいえ
 うがふなぐる ふぐたん!

 ふんぐるい むぐるうなふ くするふ るるいえ
 うがふなぐる ふぐたん!」




今度はさらに奇怪な呪文・・、この人ヤベーよっと白い眼差しを・・

「・・いあ、あんたはどこかのインスマウスかい・・」

「あう・・ダメですか・・?」

「っというよりかは・・呪文を唱えずに予測はできないのですか?」

「できますよ?」


「「だったら最初から黙ってやりなさい!!」」


「ひえぇぇぇ・・・ん・・」



メリア、張り切りすぎて空回りする・・。

「じゃあ、軽いことでもいいから能力を見せてよ?」

「はい・・、えっと、数秒後に騎士さんがここに来て逃亡していた幼女強姦魔が逮捕されたっと報告に来ます」

真剣な顔つきのメリア、彼女が言った後間髪入れず・・


コンコン!

「フレイア様!ラーグには連続幼女強姦を働いていた男が逮捕されました!」

男性騎士が慌てて入ってきた・・。予測、的中・・

「あ・・ああ、そう・・。こちらは今手が離せないから〜、容疑者の男の尋問はジャスティンの方に頼んで?」

「はっ!」

そのまま慌てて立ち去る騎士・・メリアはやったと喜び、フレイア達は信じられないと目を見合わせる

「相当精度はあるみたいですね・・」

「はい!情報があればさらに精度を上げられる事ができます・・例外はあるんですけど・・」

「・・まっ、それは目を瞑れるだけの能力はありそうね。

とりあえず非戦闘員として任務につき重要な場合に予測をしてもらう方向でがんばって」

「は・・はい!ありがとうございます!」

深々と頭を下げるメリア、何とか自分の力を伝えられたようですごく満足そうだ

ともあれ、表で『リバティ』が結成される中、情報部ではやや自由ではない二人の人材が任務につくのであった


・・・因みに・・

「じゃ、メリア。私の未来を予測してよ、結婚相手とか〜♪」

「ははははは・・はい!では・・」

「うふふ〜、お兄さん〜♪」

「・・・・・」

「ど、どう?」

「・・ひっ!?あ・・・ああああああああああ!!?」

「!?何、何なの!!?」

「ごめんなさい!ごめんなさいごめんなさぁぁぁぁい!!!」

「ちょっと!何で逃げるの!?私の未来どうなっているのよぉぉぉぉぉ!!!?」



・・彼女に安息の未来はあるのか・・・?(否、ない)


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