×

[PR]この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。

「解放戦線ウィズダム」

ルザリア騎士団屋敷、その廊下をドタバタと騒動が向かう先は団長室に
バタンっ!!!
「た、た、た、タイム、俺は無実だっ!!! 浮気なんてしていないっ!!!」
ドアを蹴破る勢いで血相を変えて跳び込んできたクロムウェルに、後を追ってきた
アンジェリカも含めてその場に居合わせた者の目が点、即シラけた空気が流れる。
「・・・あ、あれぇ?」
 「クロムウェルとアンジェリカお二人に至急の客だったので出頭させたのです(ゴホン」
団長たるタイムの頬が朱に染まっているのは怒りのためか羞恥のためか・・・兎も角
「客?」
「因みに僕じゃありませんよ」
と先手を打つのはコチラを向いているクロムウェルの往年の相棒である風の法王フィート。
と言うことは、コチラに背を向けてソファーに座っている二人がそうなのだろうが
一人は赤い道着にハゲで、もう一人は銀髪のポニテに獣耳で白狐シトゥラの親族を思わせ
「よう、久しいな坊主」
 「わん、くろ、久しぶりっ!!!」
振り向いたそれは、烈火の法王リーに希望都市で銀狼闘姫の字を持つ少女シフォルナ。
「これはまた・・・随分と奇妙な取り合わせだな」
「満更そうでもないんですよ。相方のディ君は今や有名無冠の「光晶の法王」ですから」
 「光晶の法王『ディオール』・・・人と変らぬ意思を持つ魔導機人を作り上げるも
自分一人で作り上げたわけではないと法王の称号を辞退した少年ね。
そして、その相方。このお嬢さんを私に紹介していただけるかしら?」
と、フィートにアンジェリカのアルマティ出身組。
皆、ルナとディに面識があり正体知っているので忘れていたが、
アンジェリカは初対面なのだ。だから赫々云々と説明に
 「二人が他国のエージェントだったなんて・・・法王の辞退も頷けるわね。」
「「「「いや、それは寧ろディ自身の性分で、興味がないだけかと」」」」
 「・・・そうなの?」
 「ん〜〜〜、わん!!」 はい
 「それなら、尚の事もったいない。もらえるものはもらっておけばいいものを・・・」
「それはそうと、お二人がココまで出向かれた態々僕達三人までも呼びつけた訳
これで所望の全員がそろったわけですから話していただけますか、リー先生。
まさか、これだけ手が込んで観光で済まそうとは」
「ああ、まぁ部外者もいるが構いやしねえ。単刀直入に言おう。
アルマティがレイアードに占拠された。
今やアルマティはアルティメットウェポンが跋扈し、不可視不侵の結界に覆われている」
もはやそれだけでクロムウェル,フィート,アンジェリカの三人は語る事無く以心伝心に
目で確認するや否や旅の準備にその場をたとうと立ち上がる。
「まぁ、待て待て。確かに俺達は助人を求めにきたわけだが
結界があるっていっただろ? その対策は光晶の小僧がやってる。
だから、果報は寝て待てってな。 もっとも、俺達は既に先の件で知られている
わけだから、突入出来てもその対処も考えられていることも想定しておくべきだ
とも言われてる。単に寝ているわけにもいかんがな。 隠玉は・・・・・・」
と老師リーの視線の先には、難しい話はワカラナイ〜〜とチビチビとミルクを飲みながら
面々の顔を観察している少女ルナ。集る視線に何デスカ? と怖気る様は凡そ隠玉には
 「・・・それで、この子はどれだけ使えるのかしら?
呪の大太刀と太刀を使うようだけど、魔導士が相手になるレベルなの?」
アンジェリカの疑問は御尤も。本音、得物二つも扱いきれるか言いたい処だろう。
「まぁ、・・・俺の感からしてルナは侍として可也いけると思うぜ」
と、自身は格闘士であっても或る事情より「侍」には拘りあるクロムウェルの評価。
「対魔導戦では俺達の中では最強だろうぜ。その当たりは俺が身を持って保証済みだ」
と、苦笑の老師リー。年甲斐もなく小少女(?)相手にむきになってしまったとは言えない。
その二人の大判に一応は納得したのかアンジェリカは頷きに
 「ま、いいわ。それで私達は何をすればいいのかしら?」
「果報が来るまで戦の準備だな。霊薬をたんまり用意せにゃならんし、
対魔法の切札の一つには確実に慣れてもらわにゃならん。 何より
ルナ嬢ちゃんを休ませてやりたい。ローエンハイツからココまで
ノンストップ速攻で背に乗せてくれたんでな」
 「「・・・え?」」
と硬直の女性二人。二人の脳裏でイメージされるのは・・・

「ルナさんや、すまんのぉ〜〜(ヨボヨボ」
 「わん、それ、言わない約束♪」

耄碌ジジイ状態のリーを背負い駆ける少女ルナ。大間違い・・・ともあながち言切れない。
タイムとアンジェリカはルナが人から狼へ変化できる事を知らないし、想像など論外。
「・・・・・・お前等、とんでもなく失礼なこと考えてるだろ。当然」
憤慨に弁解するリー老師を、クロムウェルはチョークに部屋隅へ拉致。
何故かフィートもついてきているが。
「・・・(行き成り何しやがる、坊主)」
「・・・(タイムはルナが化ける事を知らない。出来れば黙っててもらえないか?)」
「・・・(今更、ですけどね)」
「・・・(・・・、いつかはバレることだと思うんだがな)」
部屋隅、暫しゴニョゴニョ話合うも平然と戻って来た男達に女達は???
恐らく後でクロムウェルがタイムに問い詰められるが、毎度の如く如何にかするだろう。
ともかく、数日の時を得て時が来ればクロムウェルとアンジェリカのみが
アルマティへ出張することと相成った。
そしてその間、ルナとリーはルザリアに滞在するわけなのだが・・・
「何でこんな処に子供がいるんだっ!!!」
 「わん?」なに?
訓練場、身体を解す銀狼少女ルナに阻害騎士スクイードが大憤慨。
子供くらいガタガタぬかすんじゃねぇ。可愛いからいーじゃねえか。回りから
ブーイングされるが今更にスクイードは一歩も引かない。
 「あら、ルナじゃない。ひさしぶり〜〜♪」
 「わん〜〜♪」ひさしぶり〜〜♪
気付いたカチュアに二人は手に手を取り合ってタルンタルッタと踊る。
それに尋ねる先は旦那(予定)キース。 シトゥラも何々と側に立つ。
「ぬ・・・知り合いなのか?」
「ああ、前に希望都市へいった事があっただろう。あそこの騎士が一人だ」
「あんな子供なのにか?」
 「あんな子供でも、アレだけの得物を扱う事が出来れば十分戦士なんだろう」
「・・・(あんが」
見れば、ルナが演舞で手にしているのは狂戦鬼の大太刀。その禍々しさも合わせて
一転真剣に揮うその様は恰も神女。 如何見てもスクイードの方がチッこい。
ショックに打ちひしがれる阻害騎士は置いておいて、
「それで、何故ルナ嬢がココにいるんだ?」
と、キースが聞いたところで、再会を喜んだばかりのカチュアが知るはずもなく
初対面のシトゥラやスクイードが分かるはずもない、その他騎士も同様。と、其処に
「おうおう皆の衆、よろしくやっておるか?」
と調子ぶっこきやってくるのはクロムウェル。特別教官という肩書きはあるが
そんなもの、団長の彼氏が善意の協力者な何でも屋では余りにも・・・
と言うのが皆の見解であり、腕があるかから職を与えてやった(一般騎士談)
 「芸風は如何でもいいから、何でルナがここにいるの?」
「・・・・・・、暫しの間ココで時間潰し(orz 。
ケダモノな妹よりも獣でも可愛く優しい妹が欲しかった(ホロリ」
 「私だってお兄さんみたいな変態じゃなくて・・え〜っと・・ライさんみたいに、
大人でも子供心を忘れずモテモテな色男なお兄さんが欲しかったわよっ!!!
ヒモなお兄ちゃんと違って、一国の王様のうえに面倒見が良く優しそうだし・・・」
「ぐはっ!!?」
-------------------------------------------------------
某所、執務室
「へっ、ぶしっ!!? ううぅう、悪性の風邪引いたみたいだ・・・(ブルブルブル」
 「それは・・・御愁傷さまで(汗」
「・・・・・・、移してやるぅ♪ タァップリ、ネェットリ、極・濃・に(ニヤリ」
 「あああ、そんな、御無体な(汗  あ〜〜れぇ〜〜・・・・・・」
-------------------------------------------------------
場所は再び戻り
 「・・・(あの人がお兄ちゃんだったら・・・う〜〜む、いいのか悪いのか。
・・・何気に小姑には恵まれそうだけど・・・凄過ぎて疲れそうね)」
「兄妹喧嘩はもう結構ですから。それで?」
「ルナみたいな特殊なタイプな戦士を知っておくのも悪くないだろうと思ってな。
演習の対戦相手はこの御二方です。どうぞっ!!!」
観客達(騎士達)の間に出来た道を抜けて優々とやって来るのは魔導師たる二人。
フィート&アンジェリカ
「さて、このカード、唯でさえ一対二でルナが不利だというのに対戦相手は魔導師。
これは如何見るべきなのでしょうね、解説の老師リー?」
「まぁ普通じゃ正気の沙汰じゃねーな。しかも二人はアルマティのツートップ。
しかし、だ(ニヤリ」
「しかし、だな (ニヤリ」
クロムウェルとリーは銀狼のルナが月女神の化身といわれ所以たる能力を知っている。
しかし、観客はそれを知らない。それ故に子供虐待だと批難轟々ブーイングの嵐。
「「それでは、レディ〜〜〜、ファイッ!!!!」」
開始の合図が掛るや否や無数の圧縮空気の塊が肩に大太刀担いだルナへと襲い掛かる。
しかしそれは普通では目視適わず、感がいいものですら殺気の塊がありえない軌道を描き
迫るようにしか見えない。 しかし銀狼の銀狼たる目をもってすればそれは
二人へと走る異常な魔素の流れの中に無数の球が流れているのが見える。そして
斬っ!!!
と銀狼の一閃に、周囲で立つのは両断で解放された空気の無数の爆発。
傍目では一瞬で高度な異能力の戦闘が行われたぐらいしかわからない。
ならばと、アンジェリカは空気の鎖で縛ろうとするが端よりそんなものに捕まるもなく
ルナはステップで避け、避けきれないものは刃で弾く。
「魔法が通用しない相手だからな」
「さてお二人さん、魔法攻撃ができないとはいえ己より優位に立つ存在に如何する?」
その解答は、顕著になって現れた。無数の圧縮空気の塊はルナへ到達する前に破裂し
爆風となってルナへダメージを与える。
策が通じなければ新たな策を即講じるのが魔導師の魔導師たる技術である。
だからアンジェリカが足止めをしている間にフィートが紡ぐのは
斬っても高威力で捲き込まれるのが必至な巨大高圧縮空気弾。
「これは、もしかしてルナ嬢初めて魔法戦のピンチなのでは?」
「いやいや、あそこにゃ鬼に幼女な魔女がいんでこの程度のピンチぐらい・・・・(泣」
「・・・坊主、お前も意外にイロイロ経験しているんだな」
傍でショートコントがされている間に策で動きが縛られたルナへ放たれるのは必殺の攻撃。
それは撃たれ緩やかに進むが、両者の中間点に到達した所で
呀っ!!!
の咆哮に自然のあるべき姿へと戻る魔力の流れ。そして解き放たれた爆発。
「解説のリー老師、これは一体何が怒ったのでしょうっ!!?」
「これは所謂アレだ。限られた者のみが使うことが出来る『咆哮』
しかも『破魔咆哮』は魔導技術自体をも覆すといえるのだっ(クワっ」
「へーっへーっへーっへーっ(バンバンバンバン」 計20ヘェ
爆風と共に土煙で対戦場は覆われ視界は一切0。故にある程度視界が確保されるまで
戦闘は一時停止せざるえないのだが、観客の視界が得られたとき、其処に立つ影は二つ。
一つはアンジェリカ。もう一つはフィートがいた所に立つルナ。
そしてその足元には座り込んでいるフィート。どうやら、既に「戦死者」らしい。
 「・・・降参。一人じゃ戦士相手に勝負にならないわ。 私達の完敗ね」
諸手を上げる女魔導師に、観客含め立つ話の輪。
「フィートが女の子に負けるなんざ傑作だな、おい(プゲラ」
「こればっかりは仕方ないでしょう? 相手は大太刀を持っている上に素手では
歯が立たないんですから。居合いに入られた時点で僕の負けですよ。 ・・・今回は」
「おうおう、言ってくれる。ルナ、こいつは女の敵だから両断してもよかったんだぞ」
 「わう?」何それ?
 「ルナ、可愛いのにつよーい!!」
 「きゃんきゃん(嬉」
ともあれ、ルナがルザリアの面々と過すには支障が全く無いようである。

その夜、某所で人知れず会うのは二人の法王。
「態々コッソリ呼び出すたぁ如何いう了見だ?」
「至極簡単な事ですよ。態々あんな真似までして誤魔化そうとしている事について」
「別に誤魔化すつもりはなかったんだがな・・・言えば、碌な準備もせず出向くだろう。
 クロムウェルとアンジェリカは確実に・・・な」
「そんなに悪い状況なんですか?」
「光晶の法王が造りたもうたアルマティの守護者ウィズダムが負け、アニマ共々行方不明。
そして、アンジェリカの親友のヒミカは拉致られ生贄にされるのも時間の問題。否・・・。
アカデミー塔も占拠されアルティメットウェポンが量産されつつある。
無駄とわかっていても、俺でも跳び込もうとするぜ・・・」
「・・・確かに、僕でも知れば捨てて置けませんね。」
「その点、光晶の ディはレジスタンスの存在とウィズダムの復活を確信してるのか
俺を使走りにまでして向こうで戦の準備を進めているがな。だから、俺は乗ってやるぜ」
「ポジティブシンキングに戦慣は流石に流石ですね。まぁ、イイでしょう」
「・・・正直、俺は年甲斐もなく、不謹慎にもワクワクしている。
これだけの面子が揃えば敵はいない。何でも出来る。 そう思わねえか?」
「・・・レイアードに逆襲することも?」
「これだけ調子にのった以上、いつかは〆なけりゃならん連中だ」
先に仕掛けて来たのは向こう。大義名分はコチラにある。

そして克割に数日の時が流れ、果報に五人はローエンハイツへ出発し
・・・省略に、到着した。
「早っ!!?  んで、ディに合流するんだろ?」
「いや、ロスタイムが勿体無い。このまま船を購入して、合図に沖で二人を拾っていく」
 「二人? 光晶の法王だけじゃないの?」
「ウィズダムの武装を造ってくれた名鍛冶士がいる。ディは己だけ参戦のつもりだろうが
・・・一度出来上がった友情を甘く見てるな。まだまだ若いぜ(ニヤリ」
一行が向かった先は港に、員数に必要なサイズと強度を備えた船を相場の倍の額と武力の
飴と鞭で問答無用に買上げ、力仕事はクロムウェルとルナに任せると海へ乗り出した。
波間に漂うこと暫し、突然にアルマティの方向へ蒼天を貫く閃光。
それを目印に海岸線を辿ること暫し、帆舟を目掛けて空飛ぶ燐光の翼を持つ者が。
それは、蒼の法衣のディと弾帯に銃器携えたリュート。
甲板へ着地で面識あるもの同士は目で挨拶を交わし、二人の前に立つのはアンジェリカ。
 「始めまして。私はアンジェリカ=メールキャデラック。ヒミカの友達よ。
ディオール=クラウス、貴方が何故『光晶』の字をもつのか分かった気がするわ・・・」
「それは挨拶の手間が省けて助かります。彼は鍛冶士のリュート=ボーマン。
今は挨拶の時間ももったいないですから早速、次の作業に取り掛かりましょう。
僕が船に『シールド』を張ります。 フィートさんは動力を御願いします。
この猛スピード、丁度到着する頃に目の前で結界が解けるはずっ!!!」
四対の燐光翼を展開に法杖「晶槍」を揮うディに船を鏃状に覆うのは晶な障壁。
そして、船尾で風の法王フィートが放つ竜巻に船は弾丸となってアルマティ目指し
撃ちだされるのだった・・・・・・


ディとリュートによって送られた新武装が魔導機人ウィズダムの元へ届き
護装機将となって宿敵を撃破したのは前作通り。
強力無比な攻撃力を有する故に市街地での戦闘を避ける為に今ウィズダム達は空にいた。
目上には結界越の蒼天。目下に広がるには街並みだが、既に蜂起したレジスタンスの
魔導士達によってアルティメットウェポンとの戦闘が始っている。
普通ならば対魔導士戦が想定されているので刃が立つはずもないのだが、
その点は既に魔導補助鎧(パワードスーツ),銃器系,爆弾系,などの様々な魔導具を
開発してあるので対等以上に張り合える。
しかしそれも、外からの助人が到着しなければ盛り返され駆逐されるのも時間の問題。
だから早急に先に棒状で立って見えるアカデミー塔へ辿り着き、結界源を破壊しなければ。
(空中の姿勢制御は俺に任せろっ!! 思いっきりいけっ!!)
 (出力系は心配ありません。)
 (御願いします。・・・護装機将ウィズダム、行くっ!!!)
展開した翼から放たれる力場は、翼を羽ばつかせる必要もなく莫大な推進力となって
鋼の頑体を前へ押し出す。棒状だったアカデミー塔が見る間に大きくなっていくが、
到達がすんなり許されるはずもなく立塞がるのは空戦型のアルティメットウェポン。
しかしソレもものの数ではなく、揮う刃に斬れ、盾から放たれた爪に振回で同士討ち、
狂暴な爪の足に蹴り裂かれ鷲掴み潰され、駆逐されるのみ。それは正に鋼の破壊神。
その快進撃も、塔の細部が見える所まで近づくと止まってしまった。
何故なら塔には今まで以上のアルティメットウェポンが警護しているから。
そんなの相手に態々戦うのも手間である。
だからホバリングのウィズダムは、腕に装着したブレイカーストームセーバーを差し向け
仮想砲身を最大展開。 そして塔の頂点をかき消す勢いで放たれた烈光砲撃に
アルティメットウェポン達は流石に慌てふためく。 が
バシュ!!?
 (・・・そう易々と落させてはくれないか)
 (手間ですね)
(何、直接薙ぎ払うまでだ)
丸で立板に弾かれる水の如く塔と周辺を避けて彼方を貫くだけ。
それにアルティメットウェポン達は嘲り笑うも、それは直ぐに恐怖へ染まる。
突撃をかける護装機将ウィズダムに。防護結界が行く手を塞ぐも
(((うおおおおおおおおおっ!!!)))
撃ち込まれるブレイカーストームセーバーとブレイカーストームスタンダーの先だけが
防護結界を貫通にウィズダムまで侵入するまでには至らない。
 (予定よりも時間が・・・このままでは間に合いませんっ!!)
 (ならばっ!!!)
ブレイカーストームスタンダーから連射された射撃槍の半分が
身を呈したアルティメットウェポン達を抜けて結界源の装置側に刺さる。
追加弾倉よりブレイカーストームスタンダーへ再装填に連射された射撃槍で漸く装置を包囲。
(((シュー――トっ!!!)))
仮想砲身を展開せずとも放たれた光弾は射撃槍に命中。
射撃槍間を乱反射し、そのものを溶かしながらも光弾の威力を増幅させ・・・・・・

三法王を含めた助人が乗る帆船は、勢い衰える事無く海原を突き進んでいた。しかし
「おい、もうそろそろ島影が見えないとおかしくねえか!!?」
「恐らくは、まだ結界が解けてないんでしょう。このままでは・・・」
「おいおいおい、ここまで来て如何するんだっ!!?」
「僕達が今出来る事は信じて待つのみ。 大丈夫」
「それが出来る装備を造りました」
 「今更、オタオタするなんて情け無い。腰をすえなさいっ!!!」
おたおたする約二名をおいて、それでも船は突き進み
不意に揺らぐ船先の風景。そして次の瞬間
「「「「「成功したっ!!!」」」」」
砕け散る空と共に現れた新たな空と海原の間にはしっかりと島影が確認できる。
「・・・というか、島がスゲ〜〜勢いで大きくなっていっているんですが」
「当然でしょう。殆ど抵抗ゼロで進んでいるわけですしね」
「手間を省くためにこのまま陸に乗り上げて、行けるところまでいくつもりですから」
「なんですとぉっ!!?」
「あああ、そんなのイヤぁ!!! 誰か、たぁ〜〜すけぇてぇ〜〜〜」
 「ふぅ、全く情けない。アルティメットウェポンの方が以上に危険でしょうに」
 「わんっ!!!」全く!!!
そしてシールドに護られた船は男達の悲鳴を残して陸へ乗り上げ、
土塊・瓦礫撒き散らしつつドンドン突進み・・・


ヒミカ救出のためにアカデミー塔へ突入したウィズダム達は戦術装甲を解除に
ウィズダムwith兜アニマと『ストームブレイカー』フィアラルに分離せざるえなかった。
それは一重に護装機将のままでは最低出力の攻撃ですら室内で用いるには高出力過ぎで
建物の崩壊を招きかねないからである。尤も、地上部にいたのはレイアード側に裏切った
三下魔導師(以下省略)なのでウィズダムの格闘術のみでも十分沈黙化可能であった。
それも突入した最上階から地上一階まで。 地下に入ってからは導くように立塞がる
人間には脅威なキメラウェポンをほぼ一撃の元に撃破し、辿り着いたのは
地下通路の節目にある巨大空間が一つ。
立塞がるのは、先の対ウィズダムのようなキメラウェポンが一体。
もっともバージョン違いか、よりマッシブルで装甲厚く拠点防衛用なのだろうが。
ここもその為の場所ならば何も問題もなく、飛掛るキメラウェポンに戦術装甲を瞬着装。
キメラウェポンの豪腕な尖拳がウィズダムの頭を粉砕しようと迫るが
がしっ!!!
と受け止めるのは以上に剛腕な掌。
室内であるため側の床に剣と盾が刺さり立ち、その上に大翼のフィアラルが待っているが
この状態で戦術装甲を纏ったウィズダムでも十分に強力・・・否、以上に狂暴で
 (その程度でっ!!!)
ウィズダムの空いた手の爪指が避けさせる間もなくキメラウェポンの目に刺さり
音無き悲鳴を兵器たる存在に上げさせる。そして苦痛に空いた口、其処に突込まれるのは
 (私達の)
先に防御で使ったもう片方の手の爪指で、キメラウェポンの眼窩と口腔に力が掛る事一瞬
 ((邪魔をするなああああああっ!!!))
両断に近い形でキメラウェポンの顎ごとその胸甲,胸肉まで引き剥がす。
飛び散る血肉、崩れ堕ちる躯。それを見下ろすのは敵には無慈悲なまでの守護神。
そしてウィズダムはそれに一瞥もくれる事無くフィアラルを肩に載せ武具を拾うと
次のステージへ歩みを進めるため入ってきたのと別のもう一つの通路に向かう
ぴくっ
と反応するキメラウェポンにウィズダム達は気付かない。それは指のみの動きで
ウィズダム達の方へ気付かれる事なく方向を定める。そして拳を突き破り生まれる刃。
キメラウェポンの肉の全てを犠牲にして撃ち出されたソレはウィズダムを貫こうと迫るっ!!!
「うるぁっ!!!!」
(((っ!!?)))
も、瞬間、入り口から勢いまして飛び込んできた者の一蹴に、刃とそれに付随した塊が
大きく狙いがそれる。それでも諦める事無く壁にぶつかった勢いを利用して反射に
強襲をかけるも
 「がうっ!!!」
銀色の影は揮う刃にそれは細切れ。さらに飛来した炎弾が塵一つことなく焼滅させる。
場に乱入してきた者達。それはウィズダム達が良く知る面々。
(((皆っ!!!)))
言わずもかな、結界の外から来た強力な仲間達。
 「市街地の制圧も殆ど終った事だし、後はレジスタンスに任せて来たわ」
「しかし、中々の戦いぶりだったね」
「それでも、まだまだ甘いですよ。 だって・・・」
瞬間、風の法王と光晶の法王が明後日の方向へ向けて繰出す魔法攻撃に
物陰に隠れていた小さな羽虫のような何かが撃破される。
 「・・・まさか、監視されてるとも思わないわよね」
(((・・・・・・)))
「まっ、いいじゃないか。残るのはこの事件の御大ぐらいなんだろ?
それがいるのもこの先だけだろうし・・・さっさと片付けようぜ」
急かすクロムウェルをそうとは知らずも何処か引っ掛かるウィズダム。
それを今は引出しの中に放り込んで、今は先を急ぐのであった。
まだ、ヒミカは救出できていないのだから・・・・・・
その先にも同じような空間が存在し、それ毎に各種異状特化されたキメラウェポンも
このメンバーの前では速攻で欠片一つ残さず駆逐されるのは仕方が無い。
唯でさえウィズダムが対アルティメットウェポンといえる存在なのに
三法王と一騎当千までも揃っていれば、寧ろキメラウェポンの方が哀れといえる。
それもより深く深く最終地点までで、地下にしては広い一本道の通路を抜けた先には
途轍もなく広い空間。それがどれくらい広いかというと、
壁が淡く発光しているにも関らず暗くてどれだけの広さがあるのか分からない。
それでも空間への入口から導くように中央へ燈っていく明り。
「御招待、ですか?」
「ならば望み通り、お招きに乗ってやるぜ」
進む一同に見えてきたのは何かの塊。それは肉で作られた巨大な玉座のようであり・・・
それに人が座っている様は滑稽である。 その者が尊大に見下ろすような微笑であっても。
それは妙に若々しい青年でありながらアルマティ出身のものには見覚えがある。
「ようこそ、諸君。 リー,フィート,アンジェリカ,クロムウェル、
その節では世話になったな。 そしてディオール君、始めまして。
君が造った人形は随分と私を楽しませてくれたよ・・・」
「・・・誰だ?」
「・・・前学長、貴様・・・」
っ!!?
唸る老師リーに、見覚えある者たちが目を見開く。 たしかに面影があるが・・・
「貴様たちに倒されてから復活するまで苦労したよ。久しく、ね。
しかし、御陰で私は完璧な存在へと進化することが出来たっ!!!」
「手前の自己満足な妄想なんぞ如何でもいいっ!!! ・・・ヒミカは如何した」
「「っ!!?」」
味方でも、その情報を知らなかったクロムウェルとアンジェリカに走る動揺。
「ふっふっふっ、ここまで成れても哀しかな、まだ完全とは言いがたくてね。
彼女は神たる私の母となる存在として相応しい。 それは光栄な事なのだよ」
意気揚々と話す復活の前学長に皆から立ち昇る怒気は素人をショック死させる勢い。
「しかし、下準備がやっと終った時点で諸君等が着てしまってね。
生憎、本準備はこれから。しかし、諸君等を倒し目でそれを行うのも一興」
「手前の事なんざ如何でもいいと言っただろう。 ヒ・ミ・カ・は・何・処・だ」
「んん〜〜?、諸君達の目の前にいるではないか」
言われ気付いた。 肉の玉座から生える女体の上半身像、それこそが・・・
「・・・生命の制限を外す為の自我崩壊に貴様、何しやがった?」
「ふふん、遺憾ではあるが下等アルティメットウェポンの慰みものだよ。
損傷し弱った肉体を回復させる手間が必要だが、コレが効率的なのでね」
ヒミカが陵辱された。その事実を理解した瞬間、ウィズダムの中で何かが弾けた。
そして、思考される事なく実に滑らかな自然の動きでブレイカーストームセーバーを
前学長へ向け仮想砲身最大展開でフルバーストを撃つ体勢に
トンッ!!
と、軽く叩くディにウィズダムはシャットダウン。そして再起動。
(わ、私は何を・・・なんてことを・・・)
「落ち着け、ウィズダム。それは憎悪。僕達も皆、今爆発しそうなほど持っている。
でも違うのは、僕達はそれを爆発させて被害を広めるんじゃなく、細く鋭く噴出させ
刃と成す。悪を断つ、ね」
微笑で諭すディと頷くフィート,リュートに、ウィズダムは悟った。
そして、より一層内で燃え上がるのは怒りの蒼炎。
一方、前学長はまさか魔導機人がキれるとは思っていなかったのか、砲口に焦るも
一応狙い通りに人質の効果を確信し、満面の笑み
「ふっふっふっ、今生別れの挨拶を済ませているのかね?
安心したまえ、ドチラにしろ最後は一人残らず食い殺し我が一部となるのだから」
「「「・・・(ニヤリ」」」
「なっ!!?」
それも、
ウィズダムが向けるブレイカーストームセーバー仮想砲身最大展開の砲口,
リュートが向ける魔槍銃から相位昇化した神槍銃ブリューナクの砲口,
ディの四対の燐光翼全分解で翳した法杖の前に展開される仮想砲型魔方陣
に曝され凍りつく。否、凍り付いて当然。最大最強級の攻撃×三に狙われているのだから。
そして
「「(ファイヤッ!!!!!!)」」
「ひいっ!!?」
三者から放たれた光の本流は途中で絡み合い螺旋となって玉座に掠ることなく
天井の一部を穿ち、抵抗許さず地盤をも穿ち・・・
地上では、地の亀裂から零れ出した光が次第に太く成長していき、遂には天を貫くほどに。
その光が止んだ時、出来た穴から差し込むのは陽の光。 流れ込む涼やかな疾風。
「・・・僕等が気付かないとでも思ったんですか?
フィートさんの切札が使えない風届かぬ地の底に誘われている事に。
自分達が何処へ誘込まれているか位、端から計算済みですよ。何処を穿てば安全かも、ね。
監視されてる事に気付かないと思ったんですか? 御陰で温存して進むのに苦労しました。
僕達が素直に大人しく貴方如きの手で踊らされるわけないでしょうっ!!!!!」
「・・・・・・(にやにや」
「・・・・・・(にやにや」
「・・・・・・(にやにや」
 「・・・・・・(にやにや」
「お、おのれ・・・おのれ、おのれ、おのれ、おのれえええええええっ!!!!!!
人間の分際で究極の存在である我をっ、神を謀るとはあああああっ!!!!!!!!
・・・・よかろう。一撃の元に、タ・タ・キ・ツ・ブ・シ・テ・ク・レ・ル」
前学長が肉の玉座に沈みこむと共に、それは超極戦生物というべき存在へ姿を変えた。
強固な大鱗の暴君竜(Tレックス)の顎と身体に、腕は猿類でありながら剣爪を備える。
前の、高度に洗練された放出系高攻撃力,高敏捷性での敗北を踏まえた故の
この、高敏捷性を犠牲としても以上の高防御力、圧倒な巨躯。
その巨躯すか霞む程存分に暴れられるよう、風を封じるよう仕組まれていたジオフロント
その決闘場で、究極を超えるといえる存在に立向かうのは前衛に
(((命を弄び人を止めた貴様がこの世に住まう居場所なし!))))
 (命を軽んじる貴様は蟲にすら劣るっ!!)
(俺達が完全に消滅させてやるぜっ!!)
 (ヒミカは私の大事な人・・・返してもらうっ!!)
賢の蟲と鋼の鷹を身とした人造の完全たる守護騎士  護装機将ウィズダム
「外道、ココに極まり・・・もう容赦はしないっ!! 尤も、とうに気もないがなっ!!!」
四肢に雷の甲を纏いし爆走の格闘士クロムウェル
「・・・・・・・、銀狼闘姫シフォルナ、参る」
狂戦鬼の大太刀と禍断の逆刃刀を構えし月女神の化身と謳われる銀狼 剣闘士ルナ。
中衛に
「何の因果か関る事になりましたが・・・貴方はやりすぎました。
貴方のような禍となる存在は最早、見逃せませんっ!!!」
蒼の法衣を纏い背に四対の燐光翼を生やし「晶槍」構える光晶の法王ディオール
「エネとラブラブしたり、ラブラブしたり・・・普通にする事が沢山あるのに、
いつまでもクダラナイ茶番に付合ってられませんよ!!
『暴挙の風 滅亡と再生の嵐とならん外法に司りし王の元に具現せよ、疾風の皇女!!』」
透蒼の乙女をその身に宿し、風を統べし暴風の法王フィート
「今度は蜥蜴の大将か。随分と落魄れきったものだぜ。今度こそ引導渡してやるっ!!!」
置いてなお己が信念に基づき戦い続ける烈火の法王リー 老師
そして後衛に
「己の身体ならいざしらず、人の身体まで弄ぶだなんて下劣極まりないわね・・・」
静かに激情で身を震わせる風の魔女 アンジェリカ
「貴方が何かは知りませんが、僕の目から見ても非道ッ!! 許されるわけ無いでしょう!!」
先の魔槍銃を背に、手に携えるのはこの戦いの為に新生法皇と真女教皇を
己が手で合体に完成させた突撃銃「武皇」の銃犬鍛冶士リュート。
「ナラバ我ヲ倒シテミロ、人風情ガアアアアアアアアッ!!!!!」
三法王とリュート,アンジェリカが放つ無数の光撃弾,爆炎弾,超真空弾,徹甲弾,圧空弾の弾幕の中
ウィズダムが、クロムウェルが、ルナが突撃をかけるっ!!!
各種弾撃は超極戦生物に的中するものの、その甲鱗を歪ませ、焼き、削るも
ダメージを刻むまでには至らないが防御力を落し、其処へ撃ち込まれた雷拳撃,斬撃は
回復できないように甲鱗を粉砕し、肉を焼斬る。
が、超極戦生物はそれが痛みとならないのか意もせず悠然と身震いに
直接攻撃を仕掛ける三人を丸で羽虫のように剛手で払おうとする。
それと共に飛散る超極戦生物の血肉鱗は変型に、人殺の狂暴な顎牙,爪,針を備える大魔蜂へ
しかも一匹や二匹ではなく無数に。
「ヤツめ、端からコレが狙いかっ!!!」
「無駄に強固な身体で圧倒するだけでなく、数でも攻める、と」
「フハハハハハっ、コノ為二美味クモナイ不味イ究極生物ヲ喰ッタノダ。
ソレダケノ働キヲシテモラワネバナッ!!」
「・・・同族喰いの大罪を成してまでの、その身体かよ。
その執念には全く頭が下がるぜ。後で墓に酒ぐらいかけてやる。
そこまで堕ちた御前を嘆いて、な・・・」
それが横や背後へ回り込み、防衛の為に皆の攻撃を分散させる。
しかも、見た目だけあって生物なみの知能をもって回避をこなし・・・狙えば一撃だが。
それだけの知能をもっていれば、当然それなりの作戦をもって攻めてくる。それは当然
 「・・・、随分と見くびられたものね。この中で私が最弱だなんて」
風の弾幕の前に大魔蜂達の攻撃はアンジェリカに直ぐ達することはないが
それも時間の問題。ある意味すでに嬲り初めている。しかし
「このことも既に想定内だったりするんだなぁ・・・」
「それだけの場数は踏んでるそうですからね」
後衛にまわるのは烈火の法王リー老師に銃犬鍛冶士リュート。
リュートが突撃銃「武皇」で放つ弾丸で穿った穴へ、リー老師が爆裂弾を撃込み炸裂で
薙ぎ払うが、それが更に大魔蜂達を呼び寄せる事に。それで前衛分は減るのだが
「んなクソっ!! 数だけは多いぜっ!!!!」
 「ホント、悪い想定ばっかり当たるだなんて癪ね」
「そんなこと言ってられませんよっ!!! でもコレだけの数ならっ」
リュートは両手持ち故に新生法皇並の高威力弾を真女教皇並の連射を「武皇」で放てるが
それ故に手数は半分になることは否めない。威力ゆえに魔槍銃も併用できない。ならばと
「武皇」はリュートの手の中で折 否 分解に、砲身に強制冷却甲を備え本来の回転弾倉
の変わりに弾帯が通った新生法皇(改)と増幅弾倉を備えた真女教皇となって火を噴くっ!!!
「狙わずとも」
 「何処かを撃てば」
「当たるということですよっ!!!」

一方、前衛には法杖「晶槍」に魔法の刃を生んで大破壊剣と成したディと
精霊風術『エクスカリバー』で成した魔法大剣を揮うフィート参戦に
ジワジワとであっても確実に超極戦生物を追い詰めはじめる。
その血肉鱗が大魔蜂達となっても後衛が即駆除。
加速度的に溜まる疲労は、後衛のアンジェリカが風に乗せた霊薬で除去してくれる。
その為に最初から考えられたこの配置。端から敵地で戦う−補正など知恵で補い余りある。
故に、遂には二若法王が揮う魔法剣,ルナの大太刀,クロムウェルの雷撃拳に
超極戦生物は脚を砕かれて地響きを立てて横転した。
その上、剣身展開に遥かに長く長く伸びた光剣を振被りウィズダムが空を斬って迫る。
 (これでっ!!)
 (とどめっ!!)
(だァっ!!)
も一瞬に、振り下ろした光剣は超極戦生物に触れる前に停止。
「クックックッ、斬レマイ、人形ニハ、主ヲ」
 (((くっ!!!)))
その胸に胸像の如く裸体の上半身を生やした虚ろのヒミカを見せられては止ろうというもの。
だから身体を起こした超極戦生物に、ほぼ無抵抗に近い形で
バクンッ!!?
一飲み。その光景に硬直しているかのような無音の中、唯一音を立てて
サクッっと地に突き刺さるブレイカーストームセーバーは皆の衝撃を語っているかのよう。
「フッ、クハはハはハハはハハッ、コノ莫大ナえねるぎー源ヲ取込ンダ今
我二敵ハイナイッ!! 我ハ正シク神トナッタノダッ!!! ・・・最後ノ情ケダ。
我二服従スレバ女ハ妾トシテ、男ハ僕トシテ使ッテヤロウ。」
「「「「ぷっ、ははははははははっ!!!」」」」
「・・・何ガ可笑シイ」
「俺達の最大のネックは何だったか分かるか? それは人質がいることのみ」
「貴様の性質からして奪い返される心配のない手の内に置くのは必須」
 「しかも先程の「私の母」の台詞からして吸収はしていない。 すれば
「私の母」にならなくなってしまうから・・・だからそれでも大事に保護するのね」
「つまり手前は自ら勝機を削っていったわけよ。 全く、成長ねぇなぁ・・・」
「『ストームブレイカー』を纏っている以上、吸収はできませんよ。
元々吸収出来るとも思えませんがね」
「・・・だから、これでチェックメイト」
「グッ!!?」
超極戦生物を内より破って撃ち出されるのはブレイカーストームスタンダーの鋏爪
それは鎖を率いて天井に突き刺さるとピンと張り、それと共に
超極戦生物の胸が一部だけ盛上がり、遂には限界に
「グボァッ!!?」
飛び出す銀翼の守護騎士。そして右手に大事に抱えているのは女体 喪失のヒミカ。
それを後衛に預け、ウィズダムは再び前衛に立つ。
「そして、僕達の狙い貴方はヒミカさんの居場所を教えてくれました」
「死中に活ありって言葉しってるか?」
「後は誰なりとが飲み込まれ脱出がてらに救出してくれば万事OKだったと。
その役、僕はゴメンですけどね」
 「・・・・・・」ルナもイヤ
「・・・ダガ、貴様達ハ自ラ我ヲ枷カラ解キ放ッテシマッタ。
折角ノ「私の母」ヲ失ッテシマウノハ残念ダガ、我二最早後ハナイノダ」
超極戦生物が無防備にもカパッと開けた大口、その奥に灯る明りにその攻撃を想像するのは
易いだろう。しかし、それを生身で防ぐ手立ては法王であっても困難。
故に、超極戦生物が必勝の苦笑で放った破壊光の咆哮はジオフロントを隅々まで照らし
ウィズダム達は光に包まれ・・・
「・・・色気ヲ出サネバ、コンナニモ呆気ナイモノダッタトハ・・・」
「勝手に殺さないで下さい」
「ナ、何ぃっ!!?」
後の水蒸気煙が止んだ時、其処にあったのは巨大な光の膜。
その光の膜が消え、発生源であった菱形結晶状物が戻る先は悠然と構えるウィズダム。
その背後には、全くの無傷で健在の一同。
「僕たちは魔導士ですよ? そのくらい想定内です」
「俺とルナは違うがな、それだけの場数は踏んでるぜ」
リー,アンジェリカ,の後衛はヒミカの保護と治療のため攻撃に回らないが
高い攻撃力を有する前衛は再展開に再び猛襲をかけてくる。
一人一人は超極戦生物に適わずとも皆が集れば優に勝っているのだ。
それもあってか、超極戦生物を追い詰めている前衛にアンジェリカは体力全回復を行うと
後衛はヒミカの本治療のために撤収する。 否、最早戦闘に参加しなければ邪魔なだけ。
「ヌオオオオオオッ!! 貴様等ッ、貴様等ッッ、貴様等ァァァァ!!!!
『汝ノ友コソ真ノ敵ナリテ、命ヲトシテ殺シ合エッ!!!  狂・乱・殺』」
 「呀ッ!!!」
超極戦生物が死期回生に放った魔法は、名の通り対象者達の精神に作用し味方を敵として
同士討ちをさせるものであった。 ルナの破魔咆哮に遮られることな効果を発揮すれば。
「バ、バカナ、破魔咆哮ダト? ナラバ何故、貴様達二効果ガナイイイイイっ!!?」
「貴方も仮にも魔導士でしょう。そのくらい自分で考えてください」
破魔咆哮とは戦叫の音により魔の乱れを清める。そのため敵味方区別なく準備・作用魔法を
解除してしまうのだが・・・超極戦生物が見た二法王は平然とその身に魔法を纏う。
破魔咆哮は音で伝播し作用する故に音を遮断する真空の壁で防げるという単純な理屈だが。
それも、タイミングがあっての代物であることを考えれば正に敵には脅威。
・・・流石にクロムウェルは解除されてしまっているが、元が単純な魔法なので
苦もなく再び雷を纏っている。速さと数でこなすのもまた一策。
すなわち、超極戦生物は戦う前から既にその手数で詰まれていたのだ。
超極戦生物がその事に気付いた時には既に遅し。サイズはまだ巨大とはいえ元の半分以下に。
超極戦生物を中心に六方を包囲する
ウィズダム,風のフィート,光のディ,雷のクロムウェル,破魔のルナ,撃弾のリュート。
(我等が身体は刃となる)
 (我等が血肉は鋼で、心に勇気)
 (ならば、この身でもって邪を滅する)
「幾たびの戦場を越えて邪が蘇ろうと」
「我等は正しい憎悪をもって立向かい」
「何度でも邪を滅しよう」
 「汝に、この世に、住まう場所無し」
「乾かず、飢えず、無に還れ!!!」
一斉に放たれたウィズダムのブレイカーストームセーバー・フルバーストアタックが、
フィートの真アルティメットノヴァが、ディの光の滅砲(セイヴァー・レイ)が、
クロムウェルのライトニングボルト・ザ・セイバークラッシュが、
地踏みしめた銀狼ルナの真・破魔咆哮が、リュートの神槍銃ノンリミッターフルバーストが、
超極戦生物を六方より包み込む。その光の本流の中、端から光の粒子へと崩れ昇る躯。
「バカナ・・・二度モ・・・コレダケノ策デ・・・敗レルトハ・・・・・・」
集った光は嵐となり、ジオフロントに中に散った超極戦生物の破片を
一つ残らず吸い集め燃やすだけではなく、その広い天井を安々と削り穿ち・・・
アルマティの民は島端で天を突く光の巨大柱に勝負の決着を知るのだった。


アルマティの街外れ、うち捨てられ嘗てディが根城とした宿。
それもディが修繕しフォンが管理していたので新築同様の屋敷の様相を見せる其処は
今や数多の人々で賑わっていた。 皆、大なり小なり傷を負っているとはいえ
誰一人死者を出す事無くアルマティ解放戦に勝利を収められたことを祝う。
そう、今ココに集っているのはディ達に賛同し戦っていたレジスタンスの闘士達。
端からこの出来事を傍観していた連中は、この場に参加することなど出来ず
瓦礫の中で過すしかないだろう。誤った保身に走った連中を誘う気など毛頭ない。
それはさて置き、その建物で最も綺麗で僅かながらしか外の喧騒が聞こえない一室
そこのベットに無垢で穏やかに寝るのは一人の女性。
コンコンコンとノックに彼女に付き添っていた女性が来訪者を向え
 「貴女は・・・ああ、貴女なの?」
 「はい、元の身体は流石に疲労が激しいので一時的にですがこの身体に」
 「ふぅ〜ん、でも日常ではコッチの方が人当たりが良くていいかもしれないわね」
 「・・・恐縮です。処で彼女は?」
 「元々対した傷も無かったし、霊薬を使ったから今は処女みたいに綺麗なものよ。
でも、心までは・・・明日目覚めるか、一年後目覚めるか、悠久に眠り続けるか・・・
それは神のみぞ知る事。私達が出来るのはもう見守ることだけ・・・ね」
 「そう・・・ですか。」
 「私達も行きましょう? 主役が現れなければ始るものも始らないわ」
 「しかし・・・」
 「こういうのはね、一人にしておくことが大事な時もあるのよ」
 「はい・・・」
既にいた彼女に引張られ、来訪の彼女は眠る彼女にひかれつつも連立って行くのだった。

とりあえずアルティメットウエポン達を倒す事ができたとはいえまだ何処に潜んでいるか
分らない。そのため装備のメンテナンスも兼ねてレジスタンス一同を含めてココに集った
わけなのだが、御大を倒した今この件は解決したも当然に済崩し的に宴会へ突入していた。
酒のつまみは魔導士の集いだけあって己の得物,魔法等自慢が殆どに、それでも
輪の中心にいるのは当然に若き二法王を始めとした助人チーム。
「・・・、いやはや皆若いな。 全く、ロートルには堪えるぜ」
「何を・・・リー先生も今回の立役者ではありませんか」
「それは如何だろうな。今回は俺がモノ言う前に手筈が整って、あっと言う間に
解決しちまったよ。まぁ、若い連中の頑張りを見るものそれはそれで楽しくはあるんだが」
「御二方はアルマティに居座らないとおっしゃってます。今回活躍されたのに。
・・・リー先生、学長になられませんか? 他の講師は傍観に徹し役立たずも当然。
リー先生が立つとおっしゃられるのなら、我々は全面的に支援します」
「・・・・・・、さ〜〜て、如何したものなんだろうな」
今後の事を話合う年寄り達の一方で、若者達は酒も入り和気藹々でより賑やかに
三人の美女が建物が出て来たことでよりヒートアップ。 正しくは、一人と二体。
それは当然アンジェリカが筆頭に、アンジェリカ似で豊満な肢体で虫のような物々しい兜から
オレンジ色ウエーブ髪を溢し碧眼美女と、ヒミカ似でありながらスマートスレンダーに肌白で
騎士のように真面目で凛々しい顔付きの美女。
アンジェリカ以外の二体というのはいわずもかなダッチワイフの義体使用の
アニマとウィズダムであり、元から身に纏うのは服がないのことから適当な布を
イブニングドレス状にしているので、まるで淑女。
それがディに向うので人の間に出来た道を辿り来る。
「え〜〜っと、ウィズダム?」
 「はい、改めましてお久しぶりです」
「え〜〜っと、身体の調子は如何だい」
 「あれだけの後なので本体は休息最適化中で、今の処は順調に調整中です。
この身体も、メインフレームの構造が似ているので差障りはないですね。
戦闘用の本体と違い汎用性なので出力は低いですが、自由度は高いかと」
「へぇ、やはり戦闘前提に身体を造ってしまうと日常には不向きなのか。
最初から汎用素体に戦闘用装甲を纏わせるタイプの方が良かったかな・・・」
「それだと素体そのものが戦闘に耐切れず、直ぐボロボロになってしまうんじゃ・・・」
流石、魔導師というな・・・最初はその容姿に戸惑い気味だったディも
一度技術系の話が始るとリュートを始めとした同じ系統の者達が集り、話に没頭。
 「・・・見向きもされないのは、それはそれでムカツクわね」
 「こんなモノを己の性欲を満たす為に造ったかと思えば・・・」
 「あはははは・・・(汗」
 「・・・・・・(クアアアア」ルナ、知らない。
それはそれでアンジェリカとした女達(?)が集い、それはそれで華が咲く。
 「見られても構わない男に限って見向きもしてくれないし」
 「そのくせ、見て欲しくない男は欲望な目で見る?」
 「自分からは何とも・・・(汗」
 「・・・・・・」へぇ〜〜

 「そう言えばその身体って・・・」
 「はい、ダッチワイフ用に私のコレはモデルと寸分の狂いなく造られてます。
しかも、イロイロなエロデータまで・・・データは全て消去して義体は押収しましたが」
 「あ、あの、それでも結果オーライと言う事で・・・(汗」
 「黙らっしゃい。これは当然・・・オシオキしないと(ニヤリ」
 「はい。それは事実が判明した時点で下しましたが、
やはりアンジェリカ当人も満足されるまでどうぞ(ニヤリ」
 「あわわわわ・・・(汗」
 「オシオキ〜♪ オシオキ〜♪ (やいのやいの」
アンジェリカ(&アニマ)の険呑な気配に気付いた義体の作成者達が遁走を図るが
それが最大の間違いだった。
 「・・・・・・『グランプレス』スペシャル」
「「「「「「へぶらっ!!?」」」」」」
一瞬で大気に圧され半伸イカ状態となる男達。それに近づくのは四肢に雷纏わせたアニマ。
 「・・・さて、どうしましょう?」
 「やっておしまいなさいっ!!! ブタのように悲鳴を上げるといいわ(オーホホホホホ」
「「「「「「ぴぎゃ〜〜〜!!?」」」」」」
再びオシオキされている連中だが、それでも女王様×2に恍惚の表情が漏れるのは男の性か。
それに皆はただ黙祷の意を示すか敬礼するのだった・・・

 「それはそうと、この方は何方ですか? 凄く親近感があるのですが・・・」
とウィズダムがディ達に何者か尋ねるのは、野性味ある男クロムウェル。
「こんな美女に親近感をもたれるだなんて、俺様ってモテモテ!!?」
「・・・、これはヒミカ先生をモデルにした造りものですよ、先輩」
「・・・(orz」
「クロムウェル!!? この男が・・・」
「そうだけど、それが何?」
 「貴様のせいで自分は・・・自分はぁっ!!!」
ウィズダム、暴・走
「なっ、なぬぅ、俺の技だとぉ!!?  ふげっ!!?」
 「しにっ! さらっ!! せっ!!!」
例え一般女性並に柔な身体から繰出されたものであっても暴走たる自身の体術を喰らい
クロムウェルは成す術もなく、ウィズダムのも知らずに知に沈むのだった・・・

アルマティの警備士であるフォンは地味であるが間違いなく影の功労者である。
しかし、その活動と共に負った傷は生半かではなく、片目を覆う包帯は痛々しい。
「・・・大丈夫ですか、フォンさん」
「ふっ、君達の苦労に比べればこの位・・・元々は自分のミスでなったものだ。
潰れて空洞になってしまったからこうしてあるだけ。 もう痛みはないさ」
と、その部分をトントンと叩いてアピールするが、
人の痛みを知る事が出来るディにとってその苦痛,視界の弊害は想像に易い。
「どの道、暫くココが落ち着くまで滞在するつもりですからその間に義眼を造りますよ!!
飛び切り高性能なヤツを。魔石を元にすればそれも容易ですからねっ!!!」
「あ、いや、普通ので結構だ」
「いやぁ、遠慮なさらず」
何処となくディに人体実験で使われる気分のフォンであった。
後に普段は眼帯で隠す魔導義眼で全ての動きを見切り神がかり的な動きを見せる戦士が
現れ活躍するのだが、それはまた別の話である・・・

夜が深けて宴会は今までの鬱憤を、戦いの殺伐とした気分を祓うかのように
より一層コワれ気味に盛上がっていく・・・が、ウィズダムやアニマは酔える構造ではない。
それでもアニマはアンジェリカに付き合って女王様姉妹と化としているが。
しかし、ウィズダムにとって愛姉と言えるべき存在であるヒミカは先の今で要安静である。
だからその光景は何処か苦痛を伴うものであり・・・ウィズダムは喧騒から一人離れ
人気無い公園へ向う。 途中、ディが念の為に放った魔導機兵に敬礼で見送られて。
・・・ベンチに座って星空を仰いでみた処で何の感慨も沸かない。
そもそも、ウィズダムにとってコノ義体はデバイスで本体から操作し、情報がフィードバック
されているに過ぎない。 通信を切ればコノ擬態は動かぬ人形となり、本体が起動する。
・・・ならば魂の在りかは本体であり、本体で見れば星空に感ずることが出来るのか?
など、ウィズダムがとりとめの無い考えを巡らしていると、背後から近づいて来る気配。
良く知るそれに、ウィズダムは特に反応することなく相手の対応を待つ。
「・・・・・・、ウィズダムよう、これから如何するんだ?」
 「ヒミカが目覚めるまで私が護ります。目覚めたら、私が護っていきます。
私が戦いに敗れなければヒミカはあのような目に合わなかったのだから・・・」
「・・・、気にするなと言っても気にするんだろうが、アレは仕方無かった事だ。
御前さんが敗れたのは必然、寧ろ復活出来た事こそ幸運なんだぜ?
それにヒミカも御前が敗れたのを見て呆然として、逃げなかったというしな・・・」
 「やはり私が敗れなければ・・・」
「それを言ったら、そもそも小僧が御前さんを造らにゃヒミカも御前さんに
依存する事がなかったわけだな。 ・・・これも運命だ。取返せただけ良しとしろ」
 「・・・・・・」
「ふむ。 ならレイアードに戦争しかけるか? ここまでされた以上、叩にゃならねえ。
当然、御前さんにも共に出陣し、破壊の限りを尽してもらってな」
 「・・・・・・」
「殴られたら、相手がワビ入れるまで殴り返す。それが政治ってもんよ、なぁ?」
とリー老師が声をかけるのは横にいるウィズダムではなく、遥か後方。
それに闇から姿を現すのは礼儀正しく正装の金髪碧眼の優男でありながら嫌悪を抱かせる。
「おやおや、気付かれていましたか」
「それだけ禍々しい気を放ってりゃイヤでも気付くぜ」
「これでも気配を消していたのですが・・・流石、烈火の法王リー老師(チパチパ」
「手前・・・レイアードか。 何に化けてくれるんだ?」
「私は何も化けませんよ。アレは彼とその一派ですから」
「ほほぅ。それで、俺達に何用だ? ワビ入れに来た・・・わけじゃなさそうだが・・・」
「ははは、冗談。 私の今回の役処は単なる監査であって
それ以上でもそれ以下でもありません」
「ワビを入れる気は無い と」
「当然。アルマティ占領は彼の暴走ですからね」
「レイアードは全く関与していない、と?」
「いいえ、援助はしましたが。それが何か?」
「それならやっぱりワビ入れてもらわねえとな」
「何処までも話が通じない人ですね」
「手前が、な」
「烈火の法王を殺せとの話はありませんでしたが・・・片付けておいた方が良さそうですね」
「やれるものなら、やってみろや」
リーの周囲に浮く火球。会話中に既に必要な詠唱は終えてあるので後は解き放つのみ。
ウィズダムも戦闘用の本体ではないが、人間相手ならこの義体でも戦闘可能。
放たれる火球に混じり、ウィズダムもドレスから美脚を曝して突撃をかける。
そして、爆炎に包まれたレイアードの男に近接を仕掛ける が
 「っ!!?」
一瞬後ろに跳退いた其処に炎弾が通過し、外れた処で命中したモノを瞬間に溶かす。
そして、リーの火球が命中し爆炎が晴れた其処から現れたのは防御結界。
「・・・紹介しましょう。『マリオネットヴァルキリー』、コードネームMV(ムーヴァ)
戦闘用のみに調整されたホムンクルスで、三体一ユニットの便利で強力な兵器です」
「兵器・・・だと」
男に従い闇から姿を現すのは、紅・蒼・碧の髪の三人の少女・・・だが、
瞳に生気なく虚ろで、意志の片鱗ですら見せない。
ウィズダムの本体ですら人の顔をもたずとも意志が豊かに読み取れるというのに。
今の人に似せた義体なら、尚の事にムーヴァに対して嫌悪を表す。
「おい、ウィズダム、手加減するんじゃねーぞ。
心無きアレは悪用されないよう壊してやるのが情けだ」
 「・・・了解」
構え新たに打ち出るウィズダムが攻撃を仕掛けるのは防御を行っていた碧。
させぬよう紅がウィズダムへ攻撃しようとするがリーが炎球で相殺し、蒼も牽制。
であるから、碧が防御壁を張る前にウィズダムはその懐に飛び込むと一撃に
 「破っ!!!」
 「っ!!?」
胸への掌抵で、碧は軽々と吹飛ばされ吐血に地を転がる。先ずは一体と
次にウィズダムが迫撃するのは紅に、放った炎弾が掠り髪を焼くが気にせず
ウィズダムの顎への蹴上げに浮く小さな肢体。次ぐ踵落しに肩が粉砕され、
側転蹴りに彼方へ吹っ飛ぶ。
そして最後に蒼とウィズダム達が目で追った先には蒼に癒され復活の碧。
「・・・中々厄介じゃねえか」
 「一撃でやったつもりでしたが・・・」
「ふふふ、コレに痛覚はないですから気を失うこともないんですよ」
「と言う事は・・・」
「そう言う事です(ニヤリ」
 「っ!!?」
気付いた時には既に時遅し。ウィズダムの腰を後ろより抱擁するのは紅のムーヴァ。
折れた骨が肌ところか吹くまでも突き破っているが意もしない様は正に兵器であり
「では、さようなら」
一言残し闇へ消えたレイアードの男に、一帯は爆発で包まれた・・・

離れていても分るその爆発に流石の酔いも覚め(元々酒を飲んでいない者もいるが)
拠点防衛との分担に爆発現場に向ったのはディとルナ,アニマ。
嘗て公園だった地は爆発に見舞われたせいが乱れに乱れ、一帯を充満するのは
 「くぅん・・・」焦げ臭いの・・・
「これは仕方ないでしょう」
それでも爆発が起こった以上何らかが起こったのは確実であり、
リーとウィズダムの姿が拠点に見られない事からコノ件に関っているのは想像に易い。
勿論、最悪の事態も。それでも
「お〜〜い、ウィズダムぅ〜〜、リー先生〜〜」
 「わおぉおぉん」お〜〜い
 「何処ですか〜〜」
・・・・・・・・・
「お〜〜い」
 「わおぉおぉん」お〜〜い
 「何〜処〜」
「・・・・・・・・・・・・叫ばなくても聞こえてるぜ」
微かに聞こえる声に向ってみれば、爆心地に近い其処にある穴。覗き込んでみれば、居たのは
煤塗れでも健在そうなリーに、それに抱かれたウィズダム の上半身 しかも片手失い。
「っ!!? 何があったんですか」
 「くぅ〜〜ん・・・」痛そうなの・・・
 「酷い・・・」
「何、レイアードのがいてな、自爆されちまっただけよ」
「自爆って・・・」
 「・・・コレは義体なので、壊れても、大丈夫、だったのですが・・・」
「ばーろ、だからって見捨てられるかい」
 「あの・・・これは本体から操っているだけで、まだ義体のスベアもあるんですが」
「・・・・・・、それでも見捨てちまったら奴等と一緒になっちまうぜ」
「ドチラにしろ、これではもう修理するより使える部品回収だけですよ」
 「・・・御迷惑、かけます」
 「仕方ないですね」
ウィズダムの様相にルナはオロオロと見比べるものの大丈夫と理解したのか
 「わん、宿帰る。リーろーし、私乗るっ!!」
リーはウィズダムをディに預けピカーと銀狼変化したルナの背に乗ると、宿に帰るのだった。

レイアードから解放されたアルマティ。
しかし、これで終りではなく新たな動乱の幕開けを、皆は予感するのであった。


top