「竜娘陵辱」


ユトレヒト隊の館の近くには小屋が二つ建てられている
一つは食料保存用の物
そしてもう一つは最初に建てられた食料保存用倉庫になるはずだった物
建築途中に色々あって今は別目的で使用されている
・・それはセシルのオシオキ部屋・・
館ではとても行えないハードなオシオキを行う場所でありそのためにセシルはここに連れて行かれる事を何よりも怖がっている
ただ、どういう目的であれ使用するとなれば掃除をする事は必要
そしてそうした家事は当然の事ながらセシルが行うわけがなかった

・・・・・・・・

「・・なんだか・・甘い匂いですね・・」

薄暗い小屋の中に入りながらポツリと呟くは肩にかかるほどの紫髪と澄んだ碧眼を持つ美女アミル
胸元を解放させている黒い質素なドレスを着ており、それに見劣りしない豊満な胸が大人の女性を演出している
・・まぁ、本人は非常に純朴なのだが・・
そして手には箒と塵取・・この小屋の掃除をするためだ
今日はユトレヒト隊は一同お仕事やら遊びやらで出払っておりアミル一人が留守番となっている
彼女一人故に街に行ってもやることはないので日頃掃除をしないところを徹底的にやろうとして
朝からテキパキ働いているのだ
普段から早々立ち寄らないオシオキ小屋、日頃はキルケが進んで行うので一度整理しておこうとして
館の掃除が一通り終わった後にこっちに来たのだ
「いつもキルケさんが喜んでやっていますけど・・何を喜んでいるでしょう・・?」
頭に「?」マークが乱舞する
十分な広さの小屋の中は小さな窓が一つあるぐらい・・元々食料庫として作られた物だけに外からの虫の侵入などは
極力抑えなくてはならない故の構造でこれだけで内部の光料が足りるとは言いがたい。
丈夫に造られている建物ゆえに他の部分から光が漏れることはなく内部はかなり暗い
・・まぁ、オシオキをするのには適した環境なのかもしれないが・・
掃除となれば少しやりにくい・・
まぁ光を放つ魔法などもあるためにその気になれば十分作業はできるのだが、それを使用するには大げさだ
そんなわけでアミルは小さな窓と入り口を全開にしつつ空気の入れ替えをすることにした
「・・えっと・・これは・・なんでしょう・・?」
小屋の置くに置かれている首のない木馬・・変わりに背に妙な突起があり何に使うのかは彼女には到底理解できない
その隣には大きめの物置が置かれておりそれを開いてみてさらにびっくり

「・・ナ・・ナンデスカ・・コレ・・」

大きく左右に分かれる棚、右側には瓶詰めされた気持ちの悪い生物がうじゃうじゃしており、左側にはさらに細かく分かれており
上半分は瓶詰めされた塗り薬のような物がたくさん・・、下半分は引き出しになっており中には男性器の形にそっくりでグニグニ濡れた
不思議な物とかがたくさん・・
性知識があまりないアミルに取ってそれはどれも未知の代物
半分固まりながらもメルフィに対して行ってきたお仕置きとは明らかに違う行為であることは間違いないと直感する
「・・ロカルノさん・・変な物を集めていらっしゃるのですね・・
と・・とりあえず、ここは余り触らないほうがいいですね・・」
顔を引きつらせながら見なかったことにするアミルさん・・・
気を取り直して床掃きからはじめることにした

・・・・・・・・・

しばらくして・・
床には魔方陣などを描いた跡があり細かい砂の粒子がそのままであったので綺麗に掃き取った
その他にも床には何やら不気味な染みがいくつかありその内の何個かは木が腐りかけていた
「・・・危ないですね・・、クラークさんに報告しておきましょう」
踏む毎にグニグニ沈む床を見ながらアミルが唸る・・、空気の入れ替えをしているのに甘い匂いは一向に治まらず
アミルも何やらフラフラしてきている。
たぶん床の染みとかに薬が染み付いているのだろうと思って周囲を見渡す
「・・空気が悪いです。ロカルノさんももう少し換気に気をつけていただかないと・・」
慣れない香りに頭がふらついているのだろうと納得しながらも少し休憩しようと外に向けて歩くアミル
そのために彼女は気付かなかった・・
腐りかけた床の隙間から現れる物体に・・
「ふぅ・・やはり外の空気が一番ですね」
入り口で大きく息を吸うアミル、一息ついてお茶でもしようとした瞬間

シュルシュルシュル・・

何かが這う音が・・
「え・・何・・?・・きゃ!?」
振り向いた瞬間、異変は現れる。スカートの中に何かベトついてモノが入り込んで股間に張り付いたのだ
「な・・何が・・」
混乱するアミル・・、股間に強く張り付いたものを剥がそうとスカートを捲った瞬間・・

チク・・!

「いたっ・・!」
自分の大切な部分にある肉の芽に何かが刺さる・・
その瞬間に体が痺れ彼女の意識は暗闇に沈んでいった・・


・・・・・・・
・・・・・・・


グチュ・・グチュ・・

「ん・・あ・・く・・」
ゆっくりと目を醒ますアミル・・、粘液がこすりつくような音が耳にまとわりつき不快感が体を襲う
「わ・・たし・・・、えっ!?」
意識が覚醒するとともに異常に気付く・・。
何時の間にか小屋の扉はしっかりと閉じられており窓も閉められているのだ。
かすかに差し込む日の明かりが気絶してからそう時間が経っていない事を物語っている
そしてそれよりも驚くべき事が・・
何時の間にか自分の体が寝かされておりそして両手首にはまるで手錠のように動きを封じる粘膜質の生物が・・
大の字のように腕を広げられておりそれはぴったりと彼女の細い腕を覆い床にくっついている
「くっ!この・・!!」
何とか手の自由を取り戻そうと力を込めるがそれはビクともしない
さらには股間には直にヌルヌルした感覚が伝わり・・
「ひゃ・・!」
秘部にイボイボした何かが擦れる・・
しかしロングスカートが邪魔して張り付いた何かの正体がわからない
「や・・やめなさい!」
強い口調で言うがそんなことなど通じるわけもない・・
起き上がろうにも股間から伝わる刺激に力が入らないのだ
そして視界に新たな怪奇が姿を見せる

ズズ・・ズズ・・

ゆっくりとアミルの服の上に這って来る不気味な生物・・
「これは・・確か・・ヒト・・デ?」
かつて海に行った時に見かけた星型の生物に良く似ている、だがそれとは大きさが違い何より全身から粘液を噴出している
それが2匹腰から昇っておりまっすぐ彼女の胸を目指している
「き・・もち・・悪い・・。こうなったら!」
咄嗟に竜に変身しようと決意する・・サイズ的に小屋が粉々になってしまうがこのままなすがままになるよりかはマシだ
だが・・
「え・・なんで・・変身できない・・、それに魔法が・・使えない?」
驚くアミル・・いつもは使用できる術が全く発動しない・・それにかなり焦りだす
「や・・やめ・・て!ひぅ!!」
股間に張り付いたものはまるでアミルの体を楽しむように秘部にイボイボを擦り続ける・・
スカートから盛り上がっているそれが何かの生物には違いないが彼女にわかるはずもない
そしてそれは放つ刺激は気持ち悪くも徐々に別の感覚が頭を襲う

おまけに腹の上に這いずってきたヒトデはついにアミルの二つの頂に辿り着く
「・・え・・!!」
ヒトデの姿を詳しく見るアミル・・その姿に瞬時に凍りつく、ヒトデの内側はイボイボした物体があるのだが
中央に人の口のようなモノがはっきりとある
それは正しくクリーチャー・・そして、口は真っ直ぐにアミルの胸にへばり付く

「ひぃ!・・くぅ!!」

ベチャ・・と胸に張り付く二つのヒトデ・・それとともに内側にある口は寸分の狂いもなくその頂にある突起を軽く噛み出す
「いや・・いやです!そこは・・ロカルノさんだけの・・くぁ・・きゃ・・・」
アミルの叫びを遮るようにヒトデの愛撫は続く・・、甘い刺激が頭を伝い何もできない自分が情けなく感じてくる
「い・・けない・・皆・・今夜・・あぅ・・帰ってこないの・・に・・」
助けは期待できない、そんな状態で陵辱を受け始めているのだ・・
いかに長寿な彼女でも恐怖で頭が一杯になる
そんな中、機械的にイボイボを秘部にこすり付けていた股間の物体が突如動きを止め何やら震えだしている
「な・・にを・・?」
これ以上何をされるのか・・恐怖に頭が一杯になった瞬間

ズボ!

グリュグリュグリュグリュ!!

「ひゃ!!・・いやあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
何か管のような物が大切な部分を一気に貫き侵入してくる、
細くヌルヌルしたそれは不本意ながらの愛撫により濡れ出した膣内を擦りながら一気に最奥まで到達する・・
「ひゃ・!やめ・・て・・そこは・・あの人しか・・だめ・・です・・」
必死に懇願するアミル・・目には涙を浮かべ頬は赤く染まりきっている・・
しかし陵辱は止まる事はなく・・

ズ・・ブ・・

「んん〜!!!!」
ついには子宮内に侵入しだす・・
本来侵入されることなどあってはならぬ聖域・・、伸びた突起は柔軟性を持ち子宮口などものともせずにそこに辿り着いたのだ
「いやぁ・・いや・・・!!んっ!!きゃ・・!!」
子宮に入った突起はそのまま枝のようにわかれ両端目掛け侵攻を進める・・
「あ・・あああ・・卵巣・・入っちゃう・・!!そんなのだめ・・」
何とか体を捻ってそれを防ごうとするが体が上手く動かずオマケに突起を出している生物がしっかりと股間にへばりついているので
どうしようもない
そして・・枝分かれした突起がそこにたどりつき・・

ドピュ!ピュッピュ!ブピュルルル!!!
ブピュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!

「ひゃあああああああ!!!!!」

卵巣に直接噴射される液体・・胎内に生暖かい不気味な感覚が充満する・・
「だめ・・だめ・・だめぇぇぇ!!」
涙を流し顔を必死に振るアミル・・だがそんな事お構いなしに液体の注入は延々と続いた・・

・・・・

「・・う・・うう・・ひどい・・」
泣きじゃくるアミル、終わる事を知らない液体注入は彼女の腹を徐々に膨らませ今では臨月の妊婦のようになっている
おまけにへばりついている生物が栓となり一滴もこぼれ出てくれない
このまま腹部が破裂してしまうのではないかと思った瞬間にようやく出し続ける液体は終焉を迎えた
「こんな姿・・ロカルノさんに見せられない・・」
まるで少女のような竜娘、だが陵辱は終わりを告げたわけではなかった
胸をずっと貪っていたヒトデが動きを止めたのだ
「・・・え・・何・・?」
ドレスの胸元はすでに千切られておりそこを直で弄ばれている・・・
そして・・

チク・・

「ひぐぅ!!」
鋭い何かが乳首に突き刺さり思わず悲鳴を上げる
「ひぃ・・っ!!だめぇ!入ってこないでぇ!」
胸の中を細い管が侵入しだす乳道に入り込むそれにアミルは思わず狼狽をする・・
「ロカルノさん・・・助けて・・ください・・!ひぃ!!!」
愛する人に助けを求めるアミル、だが非常にも胸の奥深くに侵入した管からはゲル状の物体を注入し始める
「いや!やめて!入れないでぇぇぇ!!」
子宮内に出されたモノとはちがいドロドロしたもの・・その中に何か丸っこいものを感じそれが卵だということが
壊れかけのアミルの頭には不幸にも把握できた・・
だがそれがわかっても防ぐ手立てはなく産み付けられる卵に次第に膨れる胸をただ見つめる事しかできず
待ち受ける最悪の結末にただ涙を流すしかなかった

・・・・・・
・・・・・・・

子宮に液体、胸に卵を注入されてから陵辱はピタリととまりその後静かに時間は流れた
何度か逃げようとアミルはもがくが臨月近い妊婦のような腹に西瓜のように触れ上がった胸のせいでうまく動けず
さらには時がたつに連れて体に力が入らなくなってきた・・
まるで体の中にいるモノに力を吸い取られる感覚だ
「はぁ・・はぁ・・ロカルノ・・さん・・」
扉から差す光はすでにない、夜が訪れて天上にこびりついている光コケがかすかに光を放っており小屋の中を照らしている
だがアミルにとっては自分の惨めな姿を闇に隠す事ができない事になり逆効果となっている

「いや・・です・・こんなの・・」

泣き疲れてもまだ目尻に涙が浮かぶ・・陵辱がはじまってだいぶ経ったのだがこの放置された時間は特に長く感じられる
だがこれから自分の身に起こる事はさらに悪い方向に向かう事は間違い。
助けを呼ぶにも館や教会は誰もおらずさらにそこから少しはなれた森の近くの小屋だ。
場所からして偶然人が通りかかることもなく成す術はない・・
「んぁ!!・・や・・胸が・・ムズムズする・・」
そんな中、突如訪れる強い違和感・・見れば胸が勝手に震えだしている・・
それは中に詰まった卵の胎動・・、アミルの体温で発育を急激に促成されているのだ
「きもち・・わるい・・」
こみ上げてくる嫌悪感、本来感じるはずもない感覚・・
そして

プチ!

「ひぐっ!」

プチプチプチプチプチプチ!!

「あゃあ!だめぇ!!孵化しないでぇぇ!!」

胸が躍るように動くとともに破裂音が絶え間なく響く・・それにあわせるようにアミルの体には快楽にも似た電撃が駆けぬける

プチプチプチプチプチプチプチプチ!!

「ひぃぃ!ああああっ!!何か・・何か出るぅ!!!」
胸がムズムズ疼きながら何かが込み上げてくる・・
そして

ブシャァァァ・・・・

勢い良く胸から液体が噴射される・・、それは本来そこから出る母乳ではなく透明な液体・・
体を濡らすそれには透明なヒトデの稚魚が無数に泳いでいる・・
「いや・・・あ・・・」
絶え間なく噴射される透明な液体・・それに彼女の体は確実に反応している
「だ・・め・・こんなので・・イキたくない・・」
胸を伝わる感覚が体に火をつける・・、
意識は否定していてもそれは確実に高みに向っている

プチプチプチプチ!!

「ひ・・!!イ・・クぅぅ!!!」
ビクゥ!!
得体の知れない液体とヒトデの稚魚を胸より噴射しながらアミルは望まぬ絶叫を迎えさせられた・・
「はぁ!はぁ!い・・やぁ・・」
こんな異常な事でイカされた事にアミルの頭は真っ白になる・・
幸い噴射の勢いは落ち着きつつあり、液体が少し漏れるぐらいとなった
だが・・そのイッた衝撃こそ陵辱の次の段階へのスイッチとなっており・・


ドクン!

「あぅ!・・お腹で・・動いた・・?」

今まで圧迫感以外に何も感じなかった子宮から何かの鼓動のような物を感じ取る
それとと同時に・・あれほど強固に股間を覆っていた生物がゆっくりとアミルの体から離れだす
スカートから姿を見せるその正体は胸に卵を産み付けていたヒトデよりも2回り大きいが同じようにヒトデのバケモノであった
液体注入で力を使ったのかすでに表面は干からびており動きはにぶい・・
だが・・それよりも彼女にはあれだけ中に注がれた液体がほとんど出てこないことに違和感を感じる
「で・・て・・こない・・?どうして・・・?」

ドクン!

「ひぐぅ!子宮に・・何か・・いる・・!?」
子宮口に何かがつっかかっている・・、そしてそれはゆっくりと外へ向い移動を開始する
「ふ・・ぐぅぅぅ・・!!!い・・・あ・・・産みたくない・・・!!」
膣内を押し広げゆっくりと外に進むモノ、その動作一つがアミルの脳に鋭い電撃を与える
「ひぁ!なんで・・なんで・・気持ち・・いい・・の・・?」
得体の知れない物体が腹から出るというのに体は苦痛とともに快楽を自分に与える
それがなんとも恨めしく思うが・・体は言う事をきいてくれない・・

グジュ・・グジュ・・ジュ・・

「あぐ・・・あ・・出る・・出ちゃう・・お腹の中の変なの・・が・・」
もはやうわ言のように呟くアミル・・、目に力はない・・
そしてついに割れ目を押し広げソレは外気に触れる
「ん・・んん・・・ああああああああああああああああああ!!!!」

ブシャ!!

粘液とともに何かが・・産み落とされた、疲れ果てたアミルにはそれを見ることもできない
「はぁ!はぁ!はぁ!・・ぎ・・・あぐ・・!ま・・さか・・」
未だ臨月の妊婦のような腹・・、そしてそこからさらに伝わる胎動・・
「まだ・・いる・・」
そう言った瞬間に・・

グジュ!

「ひぃ!ひ・・あああああああああ!!!!」
二匹目が子宮から出ようと動きを開始するのだった

・・・・・・・・・

「・・あ・・は・・ひ・・」
しばらくした後、アミルの腹は元のすびれた形に戻っていた・・
だが彼女のスカートはぐっしょりと濡れ切っておりその周りを人の子供ほどある透明なヒトデが何匹も蠢いていた
産み落とされたヒトデの体の中心には赤い細胞のようなものが見える・・それこそがこの生物がアミルの体から産まれた証
・・アミルの細胞を利用した、いわば彼女の仔・・
「ロカ・・ルノ・・さん・・、私・・もう・・ダメ・・で・・す・・」
愛する者への謝罪をしながら出産の疲れに襲われるアミル
正気がほとんど残っていない瞳を閉じ意識は闇へと消え去った・・

そして・・

ズズ・・ズズズ・・

再び、増殖をするために異形のヒトデ達は眠る彼女の体にへばりつく
彼女の悪夢は・・まだ終わらない・・


・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・

「書いて見てなんですけど・・ハードですね・・」
「・・まぁ・・そういう事になったら面白いかな〜っと♪」
「・・セシルさん、これは・・いつもセシルさんがやられている事じゃないですか?」

夜中に談笑室のテーブルに向かい合うセシルとキルケ、テーブルには大きな原稿用紙が置かれており
『アミルさんのドッキリ出産陵辱劇♪』とタイトルがつけられている
「う〜ん・・これは〜・・いつものオシオキよりかはまだヌルイ?大体痛くないじゃない」
「・・何を・・されているんですか、普段・・」
「・・色々・・ね」
ため息まじりのセシルさんに、呆れ顔のキルケ
「でも、ロカルノさんの全てを知ってもらうためとはいえオシオキ部屋で性戯用生物に陵辱って・・
アミルさんがかわいそうじゃないですか?」
「ふふふ・・キルケ・・男を愛するってことは表も裏も知る必要があるの。
アミルがロカルノの事が好きでも裏の顔を見て引いたらダメでしょう?・・だから学習してもらうのよ・・この計画通りに!」
「・・なんか・・普通に嫉妬しているだけのような気がするのですが〜・・」
「キルケ、貴方がこれを書いておきながら非難する気?」
キランと怪しく光るセシルの眼・・
対しキルケは涼しい顔のまま・・
「まぁ・・そうですけど、仮にこの通りうまくいってもこの後どうするんですか?
これじゃアミルさん壊れてますしそれで竜の姿に戻ったら取り返しのつかない事なりませんか?」
「う゛・・そう言われたら・・そうね・・」
「それに、神父様はよく教会を空けてますけど私達が一人だけ家でお留守番することになるなんて事自体滅多にないですしねぇ・・」
「・・、わかったわよ!この計画はなし!」
「・・それでいいと思いますよ。
それに・・これがロカルノさんに知れたらもっと凄惨なオシオキが待っているんでしょう?」
「・・・・そうね・・。うう・・好きな事ができなくなってきたわ・・」
「それだけ良い方向に向かっているということです。
セシルさんも良い人なんですからハチャメチャな事をしなければいいのに・・」
「・・それって・・私らしくないじゃない?」
「そんな事ないですよ〜、大人しくして皆の手助けをしたらその内、本性さらけ出しても人気者になりますって!
私も最初皆さんと一緒になった時にセシルさんに励まされたんですから!」
「・・はぁ、そうね・・。
本当にロカルノとアミルがくっついてしまわないようにもう少し自粛するとしましょうか・・」
「それがいいです、じゃあ・・この原稿は燃やしてしまい・・」
「待った!・・それはもらっておくわ・・」
そう言うと無理やり原稿をもぎ取るセシルさん、目には早速と言っていいのか陰謀の色が・・
「・・どうするのですか?」
「名前と設定を少し変えて出版できるか知り合いに相談してみる・・売れたらそれなりの収入になるわ♪」
「・・あの・・・」
「ふふふ・・そうなったらゴーストライターよろしくねぇ♪私の体験談も本にするのもいいかも〜♪」
「・・はぁ・・こんな濃い内容なんてそんな売れませんよ・・」

「何が・・濃いのですか?」

「「!!!!!」」
何時の間にか談笑室にいたアミル、手には盆を持っている
「アミル・・ど・・どうしたの!?」
「あ・・いえ、先ほどからお二人が何かに夢中になっていらしたので・・お茶でも淹れたのですが〜・・」
慌てる二人にアミルは目を丸くしている
よもや自分を陵辱する計画を練っていたとは夢にも思っていない・・
「そう・・もうこんな時間だものね・・」
「ええ、もう夜も更けてきました。寝つきが良くなるハーブティーです」
「ははは・・アミルさんもハーブの選択が上手になってきましたね♪」
「キルケさんのおかげですよ・・。」
「・・アミル・・」
「・・はい?」
「お茶もいいけど・・たまには飲まない?」
「え・・お酒・・ですか?」
「そっ、まだアミルと飲んだ事ないから・・たまにはね♪」
「は・・はぁ・・・じゃあお茶は〜・・」
「私が飲みますよ、クラークさんと一緒に頂きますので・・どうぞ、ごゆっくり・・」
ニコリと笑いながら席を立つキルケ・・
二人っきりになった談笑室でセシルはいつもより穏やかな笑みを浮かべながら棚にある蒸留酒を取り出した
「・・まっ、色々あるけど・・仲良くいきましょう?」
「・・は・・はい・・」
いつもより落ち着いた雰囲気のセシルにアミルは圧倒されながらも
その日は二人静かに杯を交わしたとさ・・


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