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「アイアンローズ」


いつもの如くユトレヒト隊の拠点である館の談笑室
そこはソファが数個にテーブルも二つ三つある趣味のいい部屋・・
ロカルノさんの設計にクラークの大工の腕にて完成した渾身の作品である
そして今日も

「お〜そこそこ・・うまいなぁ、クローディア・・」
「いえ・・、気持ち良いですか?」

兄妹カップルが談笑室から誤解を招くような発言をしている
しかし別にいかがわしい事をしているわけでもなくクラークの肩を
クローディアが揉んであげているだけだったり・・
「やれやれ、あっついわねぇ・・」
それに茶化すはいつもの如く露出な衣装のセシル、膝にミィを抱き軽く遊んでやっている
「な・・なんだよ。肩揉んでもらうことぐらい普通だろ!?」
「他にも揉んでもらっているんじゃないのぉ?最近夜な夜な何か聞こえてくるしぃ♪」
「「・・・・・」」
反論できない二人、何故ならしっかりやることやってますから・・


「ミィ〜、・・こえ?」
そんな中セシルの手に頬を寄せて遊んでいたミィが興味をもつ、それに・・
「ああ、クラークとクローディアがね、夜な夜なイヤラシイことばかりしているの♪」
「イヤラシイ?ミィ!クラーク!イヤラシイ!!」
「ちゃう!!ミィに変なこと吹き込むな!」
「おほほほほ♪事実じゃない♪」
笑うセシル、すでにクローディアは顔を真っ赤にして硬直している。
「ほう・・では事実だったらミィに教えてもいい・・っと?」
「まぁそうねぇ、ミィも色々覚えておいたほうがいいでしょうしぃ」
母親のようにミィに接するセシル、しかしその一言にクラークがニヤリと笑い
「ミィ、セシルはな・・ケダモノなんだ」
「ケダモ・・ノ?」
「ちょっ・・」
セシルが止めようとする前に・・
「いけない事ばかりする駄目な人なんだよ、ミィ、叱ってやれ」
「ミィ・・・セシル!ケダモノ!」

ガァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!

セシルのハートにクリティカルヒット!!
「ミィ、これからセシルがいけないことをしたら「ケダモノ」って言ってやれ!」
「や・・・止めなさい!!変なことを吹き込まないで!」
「変な事とは失敬な、事実ぢゃん♪」
「違う!私はケダモノじゃない!!」
「な〜に言っているんだ。シウォングの極星の皆も同意見だしここの王さんも認めているっての」
「うう・・皆私の本当の姿を知らないだけよ・・」
「ケダモノ♪ケダモノ♪」
ミィの言葉に凹みまくるセシル・・
そこへ

「ほぅ・・・、私がオシオキをするよりも効果はありそうだな」
ロカルノとキルケが買い物袋片手に帰ってきた
「ロカ〜!私はケダモノじゃないよね!?ね!?ね!?」
「・・・・自分の胸に手を当ててみろ」
「胸?・・・(ポヨン)いやん♪たわわに実っているぅ♪」
・・そこがケダモノだと言うことを自覚してほしいと思う面々だった・・

「ですけどほんとセシルさんってミィにベタベタですねぇ。まるで自分の子供みたい・・」
「う〜ん、むしろ妹?私って妹がほしかったからね〜」
「セシルがかぁ?あのなぁ、姉って大変なんだぜ?」
「・・そうです・・ね」
命をかけて『姉』として『妹』を助けてきた人物を知る
二人にとってはケダモノが姉というのはあまり快くないらしい
「・・それはそうとお前宛に手紙が届いているぞ?」
「へっ?私・・?タイムからかしら?」
そうした付き合いの乏しいセシルだけに手紙が着てもピンとこないようだ
「いや・・差出人は『ソシエ』と書かれているが・・。」
ロカルノが懐から素っ気のない手紙を取り出そうとしたが・・

ガタ!!ガタガタガタ!!!

セシルが飛び上がり部屋の隅まで逃げ出す!
「ソ・・ソソソソソソ・・・・ソシエですってぇ!!?」
明らかに怯えているセシル、それも尋常じゃない
「・・ああ、ウィンヒルという街から・・だな」
「ウィンヒルって〜と東の海岸沿いの街だな。
貴族連中の屋敷がドカドカ立った豪勢な所だっけ?」
「ああ、一般庶民はそこに家を構えるのも禁じられているという街だな。
そこに住む人物とどういう関わりなんだ?」
「・・私の・・ママ・・」
「・・・・セシルさんにお母様がいたんですかぁ!?」
口を覆って驚くキルケ・・・、他の面々も唖然と
「何よ!誰にだっているでしょう!?」
「でも字が書けるとは・・どうやら魔獣の類の家系ではなかったようだな」
「・・ふん・・」
いつもはムッキーっと怒るセシルだが様子が変だ
「で・・そのおふくろさんがどうしたんだよ?」
「・・え・・・ええっと・・・、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・、
しばらく顔を見せないから帰って来いって。
居場所はハイデルベルク情報部と通じているから逃げても無駄・・って!
フレイアァァァ!!!」

フレイア→セシルの天敵、ロカルノを奪うために暗躍する熱き妹・・

「あいつがお前の母親と接触していたのか・・」
「変だと思っていたのよ!私がここに住んでいることなんて絶対知らないでしょうしぃ!!」
「まぁ落ち着けよ。お袋さんの所を顔を見せに行くだけだろ?何か都合が悪いのか?」
「・・その・・フレイアから色々チクってるだろうから・・叱られちゃう・・のよ・・」
「年中叱られているだろうし自業自得だ。行ってこいよ」
「や!行くなら皆一緒に来てぇ!!」
尋常ではない慌てよう・・それに全員目が点になるが・・
「・・まぁいいだろう、クラーク、お前達はどうする?」
「ん〜、そうだなぁ。ウィンヒルって魚が新鮮だっけ?」
「・・たぶんな、すぐ目の前が海だろうし貴族連中が釣りをするとも思えん」
「よし、一緒に行こう!久々に新鮮な魚が食いたいからな〜♪
クローディアも刺身とか食いたいだろう?」
「そうですね・・、久々に兄上の魚料理も頂きたいと・・」
こっちはこっちでベッタベタ♪
「じゃあ皆で行きましょうよ♪私もセシルさんを産み落とした人を拝んでみたいですし♪」
「キルケ・・・毒舌路線に変更したの?」
「・・天然だろう」
・・・ボケをかましながらも一行はセシルの母親を拝みに旅路についた

・・・
聖礼都市ウィンヒル
ハイデルベルク国内でも貴族の避暑地とされている聖なる街
国教で聖なる土地として指定されている「聖礼都市」のだが宗教じみた物は一切ない
青く美しい海に面した小高い丘で山の中に豪邸が数多く建築されている
見事な町並みで観光地と間違えるくらいの景色なのだが貴族の街故に
人口も少なく静寂が流れている

ユトレヒト隊一行が訪れたのは丘の中でも一番大きな屋敷、
巨大な門の先に宮殿並の規模を誇っている
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・でかいな」
「・・・ええ」
一同貧乏的なイメージのあるセシルとは程遠い超豪邸に一同唖然
でも・・当の本人は全く元気がなく
「・・はぁ、きちゃった・・」
ため息をついている・・、因みにいつものだらしない服装ではなく令嬢が着るような美しいドレス
「セシルさんってすごい家に育ったんですねぇ」
「・・ここは私も始めてよ。ママが一人で稼いで造ったんでしょう」
「・・お母様がお一人で・・ですかぁ!?」
女性一人で建てられる代物ではないのでキルケもびっくり・・だがセシルは面白くもなさそうに
ため息をつき・・
「ロカルノ〜、『性格が変わる薬』あったでしょ?お願いだから頂戴?」
「親子の対面に性格を変えてどうする・・、さぁいくぞ」
「いやぁぁぁ、やっぱやめたいのぉぉぉぉぉ・・・・」
ロカルノに引きずられながら屋敷内に入っちゃうセシルさん
一行は唖然としながらその後に続いた

屋敷内は正しく宮殿、馬鹿でかい吹き抜けのホールには趣味のいい銅像などが置かれ
床はピカピカに磨かれている
以上にセシルが来たということでメイドは規則正しく整列し主を呼びに走ったりと
大慌て・・ユトレヒト隊はロビーにてその光景を見てさらに呆然とするしかなく
「・・下手すりゃ・・ダンケルク城よりもでかくねぇか?」
「ロビーだけの勝負ならば完敗だな・・よほど景気がいいらしい」
ロカルノも苦笑いするしかない。それほどまでに立派なのだ
「ですが、やはりセシルさんのお母様の家なんですねぇ」
「・・・ええ、メイドは全員獣人女性メイド・・
しかも深くスリットの入ったスカートに黒い網タイツとは・・」
クローディアの言う通りきちっと整列しているメイドは犬人や猫人の女性のみ、
しかもかなり過激な服装をしておりそれだけを見れば正しくハーレム・・
しかしキビキビした動きからしてきちんと教育を受けていることはすぐわかる
「・・・・落ち着け・・・落ち着くのよ・・セシル・・」
そんな中必死に冷静さを保とうとするセシル・・
「感動の対面、セシルさんも緊張しているのですね〜♪」
「・・それとはまた違った感じだけどな」
クラークとキルケがセシルの異変を観察する、・・が

「セシル様、ソシエ様が参られました」
犬人メイドの透き通った声が・・
「!!!!!!!」
一瞬強張ったが覚悟を決めたのかキリッと凛々しく構え、面々よりも一歩前に出た
ついに対面の時が・・

コツ・・コツ・・コツ

奥の扉が開きゆっくりと歩いてくる金髪の中年女性、セシルと同じ長い金髪を綺麗に纏め
質素ながら良い生地でできている白い服を着ている
若干皺があるものの年齢を感じさせない美女だ
「・・・お帰りなさい、セシル」
ニコリと笑う女性・・ソシエ=ローズ
爽やかな笑みは正しく母親のソレ
「・・ただいま・・ママ」
こちらもにこやかに笑うセシル・・
しかし

バキィ!!

「ぐぼらっ!」
次の瞬間、セシルが吹っ飛ぶ・・。電光石火の右ストレートが綺麗に入ったようだ
「・・長い間顔も見せずにおどおど帰ってくるんじゃないよ、馬鹿娘」
軽いファイティングポーズを取っているソシエ・・
「セシルの母親なだけはある・・私でも見えなかった」
「ああ・・俺でも防げないぜ・・あの突き・・」
ツワモノの男性陣も彼女の実力を把握し冷や汗を流した

・・・・・・・・

「いやぁ、この娘ったら騎士団辞めてから全く連絡がなくてね。
最近騎士団に復帰したって噂が流れて情報部に聞いてみたらこの通りだよ」
広いダイニングルームに招かれソシエが軽く笑う、メイドがテキパキとお茶を入れて差し出し
素早く茶菓子まで出てきた・・彼女の指示は一切ない
「・・何よ、自分の思うように進めって言ったじゃない・・」
テンプルを抑えながらセシルがうめく、文句を言いながらも
恐れおののいているのがよくわかる
「確かにそう言ったけど全く顔を出さないのも気になるもんなんだよ。
オマケに随分悪行を重ねたそうじゃないかい、
フレイアさんからしっかり聞いたよ(グリグリ)」
後ろからセシルの米神をグリグリと・・
「あだ・・あだだだだだ!あ・・んのアマァ!!」
「アマァじゃない!」

ゴス!

連携にソシエの肘討ちが後頭部に直撃しセシル無言のままテーブルに顔を強打・・
「全く・・貴方達も大変ねぇ。こんな馬鹿な娘と一緒にいてくれて礼を言うよ」
他の面々には至って普通・・どうやら猟奇的になるのは娘に対してのみのようで
彼女よりも良識があるらしい
「い・・や、まぁそれほどでも・・」
「この娘もねぇ、ブランシュタイン家の血を引くんだからもう少し立派な騎士になればいいのに・・」
「・・ブランシュタイン?」
「ああっ、私の夫の性。クレイゼン=ブランシュタインって言って立派な騎士だったのよ」
「・・クレイゼン=ブランシュタイン。確かハイデルベルクを代表する騎士でしたね?
武芸百般に通じて天才的な騎士だって有名ですよ」
「お嬢ちゃんは詳しいね。・・まぁ精力が不足していたのが玉に傷だったんだけど・・」
「そ・・そういえば突如体調を崩して亡くなられたって・・」
「ええっ、この子が妹が欲しいって言ったからがんばったんだけどねぇ。
先にあの人が持たなくなってそのままポックリさ」
「「「「・・・・・・」」」」
「まぁそんなわけだからブランシュタインの性を名乗ることもできないから
ローズの性を名乗っているというわけさ。私も・・この子が良い子に育っていたら・・ねぇ」
「な・・何よ!ママの教育が悪いから・・(ボコ!!)グヘ・・」
「昔はほん・・・・・・っと良い子だったのよ?お人形みたいに可愛くて素直で・・
それがなんでこうなったのか・・」
「・・・(少なくともあんたの影響は少しはあるだろう)」
素早い攻撃にクラークといえども呆然自失・・
「・・そこの眼鏡さん、何か心の内でよからぬ事でも言ったんじゃないの?」
「い・・いや!別に!?でも・・その父親の功績でこの屋敷を構えたのですか?」
勢いに圧倒されているクラーク、それほどまでにソシエは独特な雰囲気を出しているのだ
「まさか・・パパのお金だけでこんな物建てられないわよ・・どうしたの?」
「ちょっとした内職をねぇ」
「な・・内職でこれだけの建物を建てられるのですか!!?」
「ええっ、海賊退治をちょっとね。
ここの海は綺麗だし貴族を狙う馬鹿が多いのよ・・。
それを片っ端から沈めて財宝を奪っていたら結構な額になってね。
この屋敷と軍艦20隻買って私設軍隊を造ったのよ。
今でも良く狩っているわよ・・(ニヤリ)」
ソシエの笑みに全員沈黙・・
「軍艦って・・・ママ・・ハイデルベルクにケンカを売るつもり・・?」
「別にそんな気はないわ。騎士団にも必要とあらば軍艦のレンタルもしているんだから」
「レ・・レンタル・・」
「そっ、お馬鹿な貴族が私腹を肥やしている現状にそこまでの資金がないわけよ。
だから現場でがんばっている騎士団達に必要とあらば貸しているってわけ。
それがブランシュタイン家としてもけじめってところかしらね、
まぁ多少ビジネスもあるんだけど」
「・・・・・」
意外にしっかりに良い人なソシエ、
汚れなセシルと似ているがやはり歳の功があるようで・・
その時

「・・ソシエ様、連中が・・・」

一人のメイドが一礼をして部屋に入ってきソシエに耳打ちをする・・
「・・そうかい、連中にそれだけの度胸があったとはねぇ・・。皆悪い、ちょっと失礼するわ」
ニコヤカな笑みを浮かべソシエ退場、軽く腕を鳴らしているところを見ると
「・・何か暴力沙汰なのでしょうかね?」
「ううん・・、貴族連中と仲が悪いとか?」

「いえっ、お客様。ソシエ様に恨みを持つ海賊達が結集して門前まで迫っているのですよ」

悩んでいたキルケとクラークに犬耳メイドが丁寧に説明してあげる
「おいおい、それを一人でか!?大丈夫かよ!?」
「・・大丈夫よ、ママって強いもの・・」
「ですが、少々心配ですね。私達も助太刀に行きましょう」
ソシエに好印象なクローディアが加勢しようと席を立つ、他の面々も同じで様子見に出るが
メイドは全く騒がずセシルは席を立とうとしなかった

・・・・・・・・

馬鹿でかい玄関を開けたらすでに一触即発の状態
庭まで押し込んだ海賊はざっと見ても100人はいる
対し軽く肩を回しているソシエ
「・・・でっ、大勢で群れて何の用だい?」
小馬鹿にしたソシエ、異様な気迫がある・・
「て・・てめぇを始末しにきたんだ!俺達の財宝を奪いやがって!!」
大勢の割には気迫の足りない海賊さん、
凄んだ衣装に完全武装なのだが全員やや引けている・・・
今言ったお兄さんも勇気を振り絞ってやっと言えた感じだ
「『弱肉強食』って言葉を知らないようねぇ、どうせ財宝と言っても盗んだ物だろう?
みっともなく命乞いしたから助けてやったけど・・どうやら無駄だったか。」
フ・・、っと腕を上げファイティングポーズ・・
「うるせぇ!アイアンローズ!てめぇを殺せば俺達は自由だ!やっちまえ!!」
オオオオーっと一斉に切りかかる海賊さん達
それをソシエはやはり小馬鹿に笑い雪崩のように襲いくるを見ているだけだ
「死ねぇ!!」
一人が剣を振りかぶり防具のつけていないソシエをたたきつける・・が
それが命中する前に

バキ!!

「が・・・」
電光石火の一突きが顔面に直撃、海賊達にとって見れば何が起こったかわからないが・・
「鼻と口の間の急所を一突きか、正しく必殺だな・・」
後ろで観察していたクラークがその様子を解析する、それで
「私達の加勢は必要はない・・か。恐るべき一撃・・しかし・・アイアンローズ?」
ソシエの事をそう呼んだことに首をかしげるロカルノ、そこへ
「アイアンローズとは海賊達がソシエ様の事ですよ。広く畏怖されているのですよ」
同じく玄関から数人猫人メイドで出てきた
手には全員担架を持っている。
「なるほどな・・でも君達、担架を持って・・どうするんだ?」
「私達は死体処理班です、ソシエ様が片付けた海賊を海に投げ捨てるのが仕事ですので♪」
「・・さ・・爽やかだな」
後ろでやり取りしているうちに

バキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキ!!

何をされているのかもわからないうちに吹っ飛ばされる海賊さん、
まさに陸に上がった魚の如くピチピチ跳ねている
最後になると彼らも戦意を失い命乞いをしだすが

「命乞いのチャンスは一度っきり、・・問答無用だよ」

冷徹なソシエさん、そこらへんが「アイアンローズ」と言われている所以なのかもしれない
・・正しく一騎当千なソシエのあばれっぷリに100人はいた海賊さんは瞬く間に倒れていった

・・・・・・・

一方的な惨劇の後はメイド達が担架に積んでテキパキと丘を下りていく作業が始まり
ソシエは汗一つかかずに屋敷に戻っていった
何でもメイドは港にあるソシエ所有のドックから海賊さんを投げ捨てて海に還してやるそうだ
クラーク達はそんな事まで手際がいいメイド達がなんだか怖く思えてきたり・・
「まぁ今日は一日泊まっていきなさい。部屋も一部屋づつ用意してあるから」
再びダイニングルームでおしゃべりをするソシエ、正しく何事もなかったような対応・・
「一部屋づつってそんなにいらないわよ、ママ」
「ま〜、無駄に部屋数が多いからね。
メイドに一人一部屋与えてもまだだいぶ余っているんだよ。
・・・それとも、二人同じ部屋じゃないといやだってのかい?」

ギクギク!

「まさか人の家でそんなことはしないとは思うんだけどねぇ・・」
「まさか!そんなことしないわよ!あ・・は・・あははは」
見抜かれたセシルさん、たどたどしく反論するもすでにバレバレ・・
まぁ彼女だけでなく他にも目論んでいる人もいたのだが・・
「やれやれ、でもロカルノ君だっけ?お馬鹿な娘だけどよろしく頼むねぇ」
「・・いやっ、こちらこそ・・」
「でも良い男だねぇ、ロカルノ君。馬鹿娘になんて勿体無いよ・・。」
「馬鹿馬鹿うるさいわよ!ママ!」
「ふ・・、まぁ付き合っていて飽きない女だということは間違いないです」
ロカルノのその一言にソシエは目を丸くする
「・・飽きない・・か。は・・・ははははは!気に入ったよ!
ロカルノ君!ほんと良い男じゃないか!」
「当たり前よ、私の男なんだもの!」
「まぁお似合いなのかもね。とにかく近況は聞けたし・・今日はゆっくりしていってちょうだい。
ご馳走も用意してあるからね」
ソシエの爽やかな笑みに一同はその好意を素直に受け一晩世話になった

・・夕食は正しく豪勢、ここのメイドはそれこそ一流のシェフレベルのようでどれも完璧。
広いダイニングルームでの食事は全員満足がいくもの。
セシルもソシエの隣で至ってお行儀良く食事を済ませた。
この二人の空気だけはどこかピリピリしているような気がしたが
双方気質的にアレなので周りで気にしていなかったり・・
そして・・

・・・・・・・

深夜、ロカルノが通された客室
ソシエがクギを刺しただけにセシルは別室で泣く泣く一人寝ており
ロカルノは久々に一人でゆっくりと就寝についていたのだが・・
「・・・ぬ・・・」
妙に寝苦しい。誰かが上に乗っている感覚がし徐々に意識が戻ってきた
「・・セ・・シルか?」
「・・・あら、起こしちゃった?」
セシルかと思って声をかけたが返って来たのは
「・・ソシエ・・さん?」
寝巻きのガウンを羽織ったソシエが自分に圧し掛かっていたのだ
「うふふ・・やっぱりロカルノ君いいわぁ。あの馬鹿娘には勿体ない・・」
「な・・何を、退いてもらえますか?」
「まぁそうツれないことを言わないで。娘程度のテクとは比べ物にならない快楽を教えてあげる♪」
暗闇で顔こそ見えないがソシエの声はゾッとするものが
感じられ流石のロカルノも危機感を感じた
「いやっ、それは結構です。私はもう寝たいので・・」
「駄目よ。(ガシ・・)」
その途端にロカルノの手首を押さえつけるソシエ、
セシルと同じ長めの髪がロカルノの顔に触れたが状況はよろしくない
「・・な・・何を・・ぬっ!?」
逃れようにも掴まれた腕を動かせず驚いてしまう
「ふふふ・・、すごい筋肉質で腕力もすごそうだけど・・まだまだね♪」
力を込めても腕はビクとも動かない・・
「・・貴方は・・一体・・?」
「何でもいいじゃない、さぁ、久々に満足させてくださいな・・」
喰われる・・そう直感したロカルノだがどうにもならない
だが

バタン!!

「ママ!何やっているの!!?」
颯爽と扉を蹴り飛ばすセシル、彼にはその姿は聖女にも見えた・・だろう
「セシル、・・全く!人のお楽しみを邪魔するなんてなんて子だよ!」
流石のソシエも驚いたようでロカルノから降りセシルを睨む
「娘の男に手を出す母親に言われたくないわよ!ロカ!汚れていない!?」
「・・大丈夫だが・・」
”親子揃って非常識だな・・”っと口元まででかかったが何とか堪えた。
この二人を一度に相手にすればロカルノと言えども命はない・・
「ふぅ、どうやら間に合ったみたいねぇ・・・ママ、覚悟してもらうわよ(ポキポキ)」
「ほう、親に手を出すっての(パキポキ)」

金髪の悪魔VS真金髪の悪魔

寝巻き女性の激闘は屋敷全域に渡った大規模な物に発展し
結果セシル完敗に完膚なきまでにボコられたとか

・・・・・・・
・・・・・・・

翌日
「あらっ、もう帰るの?」
一通り朝食が終えたらクラーク達はソシエに声をかけてお暇することにした
因みに全員昨夜は一睡もできていない
「え・・ええ。寝不足になりそうですし・・」
「ああっ、悪いねぇ。馬鹿娘は後二日ほど経ったら目が醒めると思うから・・
反省しろって言っておいてくれないかい?」
「反省って・・、セシルさんまた何かやったのですか?」
暴れまわってこそいたがその原因は一部の人間にしかわからないので
キルケもセシルが何か仕出かしたと思い込んでいたようだ
「まぁ・・ちょっとね♪ねぇロカルノ君♪」
「・・いや・・まぁ・・」
昨夜からソシエを見る目が変わったロカルノ、
下手に接すれば危険ゆえに適当にお茶を濁したいらしい
「ああっ、それと・・たまには帰ってきなさいって言っておいて」
一瞬寂しそうな顔をするソシエ・・だがすぐもとの明るい表情に戻った
「あ・・ああ。じゃあまた来ます!」
そう言うとユトレヒト隊は気絶したセシルを担ぎながらウィンヒルを後にした
彼らは気づかなかったがソシエは自室の窓から彼らが見えなくなくまで見送っていたようだ
その瞳はどこか寂しげだった・・

・・・・・・

「ちょっと!何で起こしてくれなかったの!?」
「そう簡単に目醒めないくらいの傷だろう。・・おい、どこに行く?」
帰りの道中で目を醒ましたセシルがロカルノの背から飛び降りあらぬ方向に行こうとする
「あ・・何だかんだ言ってもちゃんとお母様とお別れしていないのが嫌だったんですね(ジーン)」
勝手に美しい話を想像するキルケ・・だがそんなわけではもちろんない
「ハイデルベルクに行くの!フレイアをしばき倒してやる!!」
「・・・止めないけど、フレイアとソシエさんってつながっているんだろ?
後でチクったら俺達の館まで来るんじゃないか?」
「・・ち・・・ちくしょう!フレイアめぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
強力なカードを手に入れたフレイアに歯軋りをするセシル、
その場はなくなく我が家に戻るしかなかった

しかし、それで収まる彼女でもなく・・

数日後
ハイデルベルク情報部の長フレイア=クレイトスが
自室にて気絶しているのが発見された
後頭部に大きな瘤ができており天上から侵入した人物から一撃喰らった
・・っということらしいが痕跡は全く見つからずフレイアもその時の記憶が全くなかったという


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